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星の願い  作者: ミケ
序章 始まり
7/139

07.王都コーディリア

朝の日の出が昇り目を覚ます。

まだ眠気が残りつつ体を起こし外へ出る。

すでに二人の準備が出来ているようだ。


軽めの運動し準備を整える。

「さぁ、出発するわよ〜」

「お〜!」

ステラが片手を挙げながらヒマリアに続く


王都に近いのか、しっかりとした道になっており等間隔とうかんかくにあたりを照らす照明星導光ルーメンエーテルが設置されている。腰ぐらいの高さに石垣があるため、乗り越えたり変に動かないかぎり道から外れることはないだろう。


ステラがあるものに興味をもつ

「あれなに?」

街道から少し離れた所にひし形に加工された蒼白い石に指をさす。

「ん? ああ、あれね あれは守護星導光プロテクトエーテルよ、魔物を遠ざける力があるの」


「すごくキレイ‥‥」

静かに光を放つ守護星導光プロテクトエーテルに興味を示し足を止め、じ〜っと眺める。

「そういえば最近、魔物が活発化してるって言ってたよな? この辺りは大丈夫なのか? この守護星導光プロテクトエーテル‥町のもんと随分小ぶりだし」


ルークスの問にヒマリアは答える

「うーん‥大丈夫‥とは言えないね。昨日会った魔物なら普通に壊されちゃうと思うし‥まぁでも、あの強い魔物がここまで来ることもあまりないとおもうから、多分大丈夫!」

適当な答えに苦笑いを浮かべながら足を動かす。


       ★


しばらく歩き続けると、王都の入口が見えてきた。

入口付近には、大きな柱が2つありその奥に橋が見える。


「ほわぁ〜‥‥!」

初めて見るかのように二人より先に進み、色々なものに見て回る。

「あんまり はしゃぎ過ぎるなよな コケても知らねーぞ?」

ステラがこちらに手を振りながら「大丈夫大丈夫!」と返ってくる。


ホントに大丈夫かねぇ‥‥内心思いつつ橋を渡る。

橋の下には透き通った水が流れており、休憩がとれるようにベンチが置かれている。


橋を渡るとそこには広場があり、真ん中に巨大な噴水が設置されている。噴水を中心に左右、前の3方向に大道が続いている。


人々が行き来するなか噴水前に行き着き3人はこれからどうするのか会話をする。


「昨日話した事、覚えてる?」

「ああ、確かお前の知り合いに魔術に詳しいやつがいるから、そいつに聞けばステラのことがわかるかもしれない‥‥だったか?」

「ええそうよ。早速呼びに行くけど、一つ確認してもいい?」

「ん?なんだ?」

「ステラちゃんのことが何か思い出したり、知り合いがいたらいいんだけど‥‥もし何も無かったらこの先どうするつもりなの?」


クラーワに提案されるがままに、とりあえずここまで楽観的に来ていた。

ここで何らかの情報があればいいが、何も無かった時どうするか‥‥彼はまだそこまで考えては無かった。


「見つかったらあとはソイツらに任せるさ。でも万が一何も無かった場合、俺がどうにかするさ」

「そう‥‥それならいいわ。 じゃあ今から連れてくるからここで待っててね!」

ヒマリアは走りながら手を振り遠ざかっていった。


       ★


「むぅ〜‥‥」

ヒマリアの知り合いを待っている間、ステラ噴水前にある木製のベンチに座りながら王都を歩く人々を観察していた。


「そんなに人が珍しいか?」

「え? そういうわけじゃないけど‥‥‥色んな種族の人がいるな〜て思ったの」

行き交う人々のなかに、ごく少数他の種族が混ざっている。


「そういえばステラは大体の記憶が失ってるけど、種族のことは覚えているのか?」

素朴な疑問にステラは答える。

「うん覚えてるよ、たしか耳がとんがってるのがエルフで、フサフサの耳があったりモフモフの尻尾があるのが獣人ビーストで、あとは魔物だったかな?」


これを聞いて感心するルークス

「へぇー、種族のことは覚えてるんだなぁ」

「‥‥ずっと見てきてるけど、ほとんどが人なんだね」

「まぁな、多分だけどコーディリアにいるやつは大半人だとおもうぜ」


「‥? どうしてなの?」

するとルークスは少し暗くなり話す

「色々あったんだよ‥‥」

「? よくわかんない‥」

「わからなくてもいいさ‥‥」


      

       ★



「もしかして、あんたがルークス?」

不意に声をかけられ反応する。

そこには短い焦茶色の髪をしたエルフの女の子が立っていた。

「誰だ?」


相手の質問に質問で返す。

首元に丸い形をしたレンズをゆらし苛立ちながら話す。

「ちょっと、こっちは質問してんの! さっさと答えなさい!」

「‥‥相手を確認する前にまずは自分から名乗るのが普通じゃねーのか?」

挑発するような発言をする。ルークスはベンチから立ち、女の子の方に向く。


「はぁ? なにアンタ、このアタシに喧嘩売ってるわけ?」

半ギレしながら、紅い瞳でこちらを睨みつける。

「はぁ‥まったく‥‥こっちについて早々変な奴に絡まれたな?」

相手を見る限り おそらく魔術師だろう。


太ももまで伸びたニーソに膝ぐらいまであるローブを着ており、さらに肩から胸にかけてケーブのようなものを羽織っている。

腰にある魔導書を手にかけ話す。

「あんたいい度胸してるわね。さっそくぶっ放すけど‥‥覚悟できてる?」


今にも爆発しそうな雰囲気がでてる中、ステラが仲裁に入る。

「ストォーーーープッ!!」

両手を上げながらバッと二人の間に飛び出す。


「あ? なに? まずアンタからサンドバッグになりたいの?」

「ちがうよ! おちついて、ね?」

「ちょっとは落ち着けよな〜エルフのお嬢さん?」

ぷつんと何かが切れるおとがした。


女の子は魔導書を広げ詠唱を始める。

「炸裂する炎よ‥‥ファイヤーボム!」

ルークスの前に炎の纏った小さな四角形のデコイが生成される。

「マジかよ‥コイツ!」

「はわわわわ〜!」


パニックになるステラを抱きかかえ、その場から一目散に逃げる。

逃げてから3秒後あたりで小さな爆発を起こし悲鳴があがる。

周りがざわつき始める。

どうやらさっきの魔術は遅延性のある攻撃のようだ。


「コラ!逃げんな!」

ルークスの後に続くように女の子が追いかけにくる。

(マジでやべぇやつに絡まれたもんだ‥‥騎士団の連中にお世話になりたくねぇし、ここは一旦人気のなさそうな所に逃げるしかねぇな)


ステラを抱きかかえながら大通りを走り、ちょうど良さそうな路地裏に入り込む

「はぁはぁ、と‥とりあえずここまで来れば大丈夫だろう」

「なにが大丈夫だって?」

声のする方向へ向くと、エルフの女の子が追いついていた。

(こいつ‥もう追いついてきたのか? 意外と足が速えんだな)


「さぁ〜てと‥‥わざわざこんな場所に逃げてくれたし? そんなにボコボコにしてほしいのかしら?」

手の関節をポキポキと音を鳴らしながら、ゆっくりと接近する。まるでチンピラだ。


ステラを降ろし、一触即発の状況に口を開く。

「おいおいまてよ! さっきは悪かったって、だから落ち着け?」

「あらそっちゃだめ! めっだよ! めっ!」

「‥‥‥」


二人の交渉に応じたのか、少し冷静になりながら話す。

「いいわ‥さっきのことは許してあげる。だからさっさとアタシの質問に答えなさい!」

「しつもん?」

首を傾げるステラに強い口調で喋る

「だ・か・ら アンタはルークスってやつなの? はい! いいえ! どっち!?」

今にも魔術をぶっ放しそうな勢いに焦りそうになりつつ答える。


「そうだよ、俺がルークスだ。これでいいか?」

「‥‥そう‥アンタが‥‥」

意外な反応に戸惑う。てっきり「その言い方がムカつくのよ!」とか適当なこと言って魔術でドカーンと派手にやってくると想定していたが‥


「で? なんで俺のことを知ってんの?」

「アンタ数十分前のこと覚えてないの?」

「‥‥お前か?ヒマリアの知り合いって?」

「それ以外何があるっての?」

エルフの女の子はステラを凝視する。

 

「な‥なに?」

「アンタがステラって子ね‥ヒマリアから聞いたわ、治癒術が使えて魔物と会話ができるって」

ルークスがステラの前へ立ち発言する。

「なぁ、まず自己紹介してくれねぇか? 落ち着いたことだし」


エルフの女の子は小さな胸に手をあてながら自己紹介をする。

「それもそうね、アタシは天才魔術師ミルキー・ウェイよ」

(自分で天才って言うか?)

ルークスが内心そう思いつつもステラは特に何もなく続ける。


「私はステラ・バイナリー よろしくね、ミルキー」

「しなくてもいいと思うが、一応させてもらうぜ 俺はルークス・ソーリス でアンタはヒマリアに頼まれて俺達に会ったと?」


「そうよ」

ルークスは疑問を持ち尋ねる。

「あいつはお前と一緒に連れてくるって言ってたはずなんだが?」

「ああ、ヒマリアなら騎士団本部に戻ったわ なんか報告することがあるからって走って行ったわ」

続けざまに喋る

「で? この子の治癒術を調べればいいの?」

「まぁそうなんだが―――――――」


    

     グゥ〜‥‥



ステラのお腹から大きな音が路地裏に響く‥‥

「おなかすいた」






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