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星の願い  作者: ミケ
第二章 新たな道標
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42.昔話

遥か昔、星導光エーテルが無く、何をするにしても不自由な時代があった。


しかし、その時代の人々と現代の人々に、ある決定的な違いがあった。


それは自らの生命エネルギーを使い光星エネルギーを生み出す能力があったこと、この特殊な能力を持った人々の事を【星天一族】と呼ばれた。


星天一族は、その能力を使いあらゆる術や技術を発展させ、様々な街が創られた。その内の1つがこの遺跡、アルカーナという街だ。


光星エネルギーは、ありとあらゆるエネルギーに変換する事が可能だ。

光星エネルギーから熱エネルギーに、光星エネルギーから電気エネルギーに…


一見便利そうなその能力に欠点となる穴がある。

それは、自身の生命エネルギーを光星エネルギーに変えること。

生命エネルギーと言っても、厳密には精神的な体力を示し、命を削って光星エネルギーを生み出している訳ではない。


だが、あまり頻繁に能力を使用していると、生命エネルギーを使い果たし疲れが襲い倒れてしまう。

最悪の場合、そのまま命を落とす事になりかねない。


しかし、その特殊な能力を用いても、不便な世の中に変わりはなかった。

アルカーナには、ひとつの特徴があった。

それは、この街の近くにある坑道…そこから採れるある鉱石が街の名前に由来している。


その鉱石は真っ黒な色をしていて、硬さは鉱石の中では脆く加工しようとすると、すぐに崩れてしまう。

そのため、武器にも建創物にも使えず扱いづらい鉱石であった。


だが、ある日…星天一族は思った。

この鉱石に、星天一族が持つ光星エネルギーを与えるとどうなるか…と。


星天一族は行動に移し試してみた。

すると真っ黒な鉱石は、暗い坑道が明るく蒼白い光を照らしたのだ。


この鉱石は、光星エネルギーを与えることにより、光を照らす鉱石となった。

光を照らすだけでは無く、鉱石自体の硬度を上げる事も判明した。


光を照らし、硬度を上げ、アルカーナに住む星天一族にとって、この鉱石は必要な物になった。


神秘的に蒼白く輝くことから、星天一族はこの鉱石を【星銀石せいぎんせき】と呼ばれるようになった。


星銀石の能力を引き出して以来、様々な物が創られ、街の規模が急激に発展していく。


星天一族のチカラは強力だが、争いを好まない種族である。

そのため星天一族は、ある物を創り出した。

星天一族の技術により、星銀石を巧みに使い出来上がる。

それがアルカーナを守る存在、守護兵器ガーディアンである。


守護兵器ガーディアンは街の安全の為に創り上げた存在である。

争いを好まない星天一族の代わりに、守護兵器ガーディアンが戦い、アルカーナと星天一族を守っていく。


しばらくの間、平和な街であったが…


ある日…突然に…

ある種族の襲撃により、このアルカーナという街は…

たった一晩で滅ぼされた。


それでも、守護兵器ガーディアンは戦い続ける。

この街を守る為に………



        ★



「話はここまでだ」

気がつくと長い螺旋階段を登り終えると同時に彼の話も丁度に終わる。

「この遺跡…いや、アルカーナにそんな歴史があったのか…」

階段のある部屋から出て、一階と同じく大広間に着く。

一階と違い噴水が無く、あるのは6つの黒ずんだ柱に、その柱の真ん中に蒼白い光が当たり、神秘的な雰囲気を漂わせている。


「でも、最後が気になるな。ある種族の襲撃…一体何があったんだ?」

話の最後に謎の者達による襲撃に遭い、たった一晩で滅ぼされたとしている。


遺跡を見る限り、アルカーナの街のほとんどが外部からの攻撃による壊れ方では無く、経年劣化による崩れ方に見える。

襲撃に遭ったにも関わらず、ここまで綺麗に残るものなのか。


「悪いが、それは教えられない」

「何だよ。教えてくんねえのか…?」

ステラの事と同じく、この話も教えてくれないようだ。

気難しい表情をしながら答える。

「聞いて気分が良くなる話ではない」


6つの黒ずんだ柱の元まで着く。

「悪い話か…ソル、これは?」

気持ちを切り替え、目の前の柱と蒼白い光について訊く。

「これは……なるほどな」

ソルは何かに納得をする。


「分かるのか?」

「ああ、これは守護兵器ガーディアンに光星エネルギーを送り込む装置のようだな。ほとんど機能していないが…これがあるという事は守護兵器ガーディアンも近くにいるという事だ」


ドオォォォォォォォォ………

守護兵器ガーディアンが近いのか、今までの揺れの中で最も大きな揺れが宮殿全体に襲う。

「揺れが激しくなってないか?!」

バランスを崩さないように柱にしがみつく。

「想定よりも早いな…守護兵器ガーディアンは直ぐそこだ。急ごう」

「あ、ああ…」

大広間の隅にある階段を上がり、守護兵器ガーディアンの元へ歩き出す。



        ★



ルークス達が遺跡の探索をしている一方、王都コーディリア中央区にて、赤髪の男…キャンサーがある場所に向かっていた。


上下黒色の暗殺者のような服装を身にまとい、楕円形の変わった武器を腰に掛け、一人歩いていた。

「ポラールの情報だと、ここかァ……」

ポラールから情報を聞き出し、ミルキーの家の前まで来ていた。


「さァ〜て…とッ!」

ドグシャッ!!

彼の掛け声と共に玄関の扉を蹴破り、家の中へと侵入する。

キャンサーの行動に、周りの人々が注目しざわき始める。

「な、なに!?」

「え!?あの人、何してるの?!」

「ご、強盗か?早く騎士団に連絡を…!」


周りの目に気にも止めず家の中を物色する。

「さっさと終わらせるかァ」

扉を蹴破る音に反応したのか、左側にあるミルキーの部屋から長い白髪の少女が顔を出す。

「だ、だれ!?」


彼女の姿を確認すると、ニヤリと笑みを浮かべる。

「よォ…久しぶりだな……ステラァ…」

キャンサーはステラの事を知っているようだが、ステラには何が何だかんだ分からずにいた。

「…?あなただれなの?どうしてわたしの名前を…?」


「何も覚えてねェーのか?…まあいい、それよりもテメェの頭に着けてるソイツを寄越しな」

ステラの頭に着けてる月と星のオブジェに指をさす。

「だめ!…これは大事な物なの!」

髪飾りを守るように両手で当て身を屈める。

「そっかそっか…なら、覚悟は…できてんだろうなァ…」

喋り終わると雰囲気がガラっと変わり、獲物を追い詰めるようにゆっくりと歩き始める。







    




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