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星の願い  作者: ミケ
第二章 新たな道標
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39.懐かしき森

フェーベ村から出て小さな森へ向かう二人。

ソルに言われるがまま彼の後をついて行く。

辺りにある草木が道に入らない様に何箇所か小さな柵が並べられている。

「本当に遺跡ってあるのか?今でも信じられねえが…」

とりあえずソルの言う通りについてきたものの、本当に遺跡があるのか疑っていた。


「ついて来れば分かる」

歩くスピードを特に変えず、ゆったりと自然の風景を楽しみながら進む。

「……今向かってる所って、いつもの森だよな…まさかあの森の中にあるってか?」

ステラと出会う前に剣技を磨き上げていた場所として毎朝行っていた。その小さな森の中にあると言う。


「そうだ。君はフェーベ村出身だろう?森の奥に行ったことはないのか?」

毎朝森に行っていたとは言え、何だかんだ奥深くまで行ったことが無かった。

「いや、ないな。別に奥へ行って何かやろうなんて考えても無かったし…そういや何であんたは遺跡を調べたりしてんだ?」 


「……今は話すつもりは無い。たが…そうだな…君がもし、ある程度この世界の事を理解したら……その時にまた話そう。今はまだ…その時では無い」

変な言い回しにポカーンとする。

「……?よく分かんねえが、今は教えられないって事か?」

ぷるぷる…?

テーベも困惑しているのか、いつもより小刻みに震える。


「そう急ぐ事はない…じっくりと、世界に触れて…理解していけばいい」

話している内に森の入口まで着いていた。

「ちょっと前までは毎日来てたんだけどな〜。懐かしさを感じるぜ」

少し進むと彼女と出会った場所がある。


「あ、そうだ。ソルちょっといいか?あんたに一応だが聞いておきたい事がある」

「………なにが聞きたい?」

遺跡の事や魔物の事を知っている彼に、もしかしたらという気持ちで聞いてみる。


「…あんたはステラって人…知ってるか?」

「ステラ……長い白髪の少女の事か?」

予想外の返答に思わず興奮気味に尋ねる。

「知ってるのか!?何でもいい!知ってる事を教えてくれ!」


「……悪いがそれは出来ない」

返ってきた言葉に納得が出来ず焦りが生まれる。

「な、何でだ?!」

「落ち着け……今のお前に、このことを話すのはまだ早いと思ったからだ」

言葉の意味が分からない。

「早い…?どういう事だ?」


「君は、あの少女の事をどこまで知っている?」

唐突な質問に冷静さを取り戻す。

「どこまで…て、俺が知る限りアイツは記憶喪失で、治癒術が使える事しか…」

「…………君はどうしたい?」

「何がだよ?」


「あの子の記憶を探したいのか…それともあの子の帰るべき場所まで送りたいのか…何か目的があって共に行動をしてたのだろう?」

自身の手を見つめながら、静かに答える。

「…約束したからな。必ず記憶と帰る場所を探すって…」

「そうか……だがそれでも教える事は出来ない」

「……………」

沈黙が返ってくる。

しばらく森の中を歩く音が辺りに響いた。


そしてソルが口を開く。

「君があの子と共に記憶を探し続けるなら…自ずと分かる」

「教えてくれないならこれ以上は聞かないさ……」

結局有益な情報が得られなかったが、大きな前進だ。

ステラを知るものは今の所ソルだけだが、この先根気よく探していけばいつか…

色々と考えている内に森の奥まで来ていた。


少し開けた場所に中心には大きな泉があった。

ソルはその泉を見つめたまま動かなくなる。

「………」

ありえない事だが一応確認をする。

「…まさかとは思うが、水中に入る…なんて言わねえだろうな?」


ルークスの思った通りの言葉が返ってくる。

「そのまさかだ。ここの遺跡は、この水中の下にある……行くぞ」

「待て待て、このまま行くってか?」

見た感じかなり深そうだ。さすがに潜って進むのは危険だと判断する。


しかし、ソルは顔色の1つも変えることなく、手を前に差し出す。

「それに関しては問題はない」

ルークスの隣に八角形の白色の半透明の魔法陣が浮かぶ。

ミルキーやプルート達が出してた魔法陣とは明らかに異様だと言える変わった魔法陣に驚く。

「おわっ!?…よく分かんねえが、これで行けるって事か?」


彼の反応にお構いなしに魔法陣の上へと誘導する。

「ああ、そこに乗ってくれ」

「これか?おおっ!」

地面に浮かんだ魔法陣の上に立つと、立った周りに丸い球体状に囲われ変化し、泉の中へと移動を始める。

説明も無しに勝手に水中へと移動したため、いつもより焦る。


「な、なんだこりゃ?!」

「驚くことは無い。ただ水中に移動しているだけだ」

的はずれな事を言い出す。

「いや、そーじゃなくて…」

泳ぐ事なく移動し続けていると、目的地に着いたのか浮上を始め、勢いよく水飛沫を上げながら地上へと辿り着く。


さっきまでの明るさが一変し、薄暗い洞窟と思われる場所に来ていた。

足元は水で満たされていて、目の前には大きな階段に朽ち果てた宮殿の様な建造物が建っていた。

「す、すげぇな…」

目の前の建物に圧倒させて言葉を失う。


「しばらく眠っている間に……もうここまで朽ち果てたのか…」

足元の水に合うように朽ち果てた宮殿は白色と水色に統一されている。

階段や建造物の周り等に、青色に光る照明星導光ルーメンエーテルに似た街灯らしき光源が等間隔に設置されている。


「あんな小さな森の中に…それもここって地下なんだろ?今でも信じらんねえよ……」

今まで住んでいた近くに、これ程の巨大な建造物があるなんて夢にも思わない事だ。

「おい。ちょっと待ってくれよ」

独りでに進んでいくソルに、後を追いかける。










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