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星の願い  作者: ミケ
第二章 新たな道標
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37.逃走

王都コーディリア商業区に元 禁断フォビドン盗賊団によりステラを攫われてしまったが、ヒマリアとシノーペの助けにより救出される。

その後に来たミルキーとヒマリアは三人の後をつけ、残されたシノーペとステラは現在ミラ拾いを終えたカルメの元へ合流していた。


道端を凝視しながら愚痴をこぼす。

「あ〜もう!こんな事してる場合じゃあないのに…」

道端の小さな隙間に手を入れてミラを回収していると、さっき追いかけて行ったシノーペとさらわれたステラが帰ってきた。


「……?シノーペ!大丈夫!?」

「う、うん…私は大丈夫よ」

「あんだけ派手にやられてたのに…」

「ま、まあそんな事よりも……あの子は?」

ミルキー達と一緒にいた少女。ルディの行方を探る。


「ああ、あのフーバルって紫髪の女の子はミルキーが連れてったよ」

「そう…なんだ……ところで何やってるの?」

面倒そうに答える。

「見てわからない?ミラ拾いだよ」


「ほえ?ミルキーがミラ拾い終わったって言ってたけど…?」

「ある程度は…ね。まだ細かいのが終わってないんだ…」

ミルキー達がいない中、ステラ自身、今できる事を考える。

「私も手伝っていい?」


予想外の言葉に驚く。

「え!?それは助かりますけど……」

有り難い事だが、そもそも自分達が失敗しなければこうはならなかった。

さすがに手伝わせる訳にはいかない。


「さすがにそれは…」

カルメが断ろうとするが、ステラは不満な顔を出し話す。

「むぅ。ミラ拾いぐらい、私だってできるもん!」

勝手に散らばったミラを集め始める。



       ★



その頃ヒマリアの方では…

「……どこに逃げたの?」

三人の後を追いかけて来たが、複雑な道を上手く使い撒かれてしまったようだ。

「ヒマリア〜!」

背後から声をかけられ後ろに振り向く。


「ミルキー!?」

「はぁはぁ、やっと追いついたわ……相変わらずアンタって速いのね……」

「わざわざ追いかけに来たの?ごめんね、変な事に巻き込ませて」

片目を閉じ両手を合わせ謝る。


気にする素振りを見せず、あの三人のことを訊く。

「全員無事だし別にいいわよ。で?アイツらは?」

「あはは……それが…逃げられちゃってね…」

「何やってんのよ〜…」

「大丈夫!ちゃんと手は打ってあるから」

彼女は何だかんだで解決してくれる人なので、その言葉だけでもミルキーにとっては信頼できるものだった。


「まあそれなら安心ね。とりあえずアタシはステラの所に戻るけど……アンタは…追いかける…よね?」

「そうね…こっちもなるべく早く終わらせるから、後で【夜の星空】に来てもらってもいい?この件に聞きたいことがあるから」

「わかったわ。気をつけてね」

話し終わるとヒマリアは立ち去っていく。



         ★



あれから時間が過ぎ、ヒマリアの言う通りに学園区の喫茶店【夜の星空】に来ていた。

「あ、ミルキー。こっち…」

先に来ていた長いツインテールをマフラーのように巻かせたルディが、こちらに手招きをする。


「ごめんねルディ。巻き込ませて」

本来であれば、商業区の案内をするつもりが、まさかこんな事になるとは思ってもいなかった。

「だ、大丈夫…慣れてるから…ね」

「なれてる?」


優しい笑顔を出し、思い出のように口を開く。

「ミルキーはよく実験で色んな場所に行って…その…爆発……させてるから…騎士団の人に目をつけられてるの」

「そうなの?」

恥ずかしいのか二人の視線を外してそっぽ向く。

「……別にいいでしょ、そんなこと」


あらぬ方向から声を掛けられる。

「ごめんごめん。遅れちゃって」

仕事帰りなのか、いつもと服装がやつれている。

いつもの事なので特に指摘はせずに早速尋ねる。

「遅いわよ。で、何が聞きたいの?」


何か言いにくそうな仕草をする。

「あ〜それなんだけど…その〜…もう大丈夫ていうか…」

「は?」

勢いよい任せに両手を合わせ謝る。

「ホントごめんッ!本当はあの三人の事を聞こうと思ったんだけど…すでにフォボス隊長が捕まえてて…それで…」


「あ〜うん。把握したわ…」

おそらくミルキーから、禁断フォビドン盗賊団のことを聞こうとしていたが、隊長により捕まった三人は尋問を受け、素直に話したのだろう。

ヒマリアは頼りになり信頼もできるが、誤魔化すのが下手でミルキーから見てもすぐに分かるぐらいだ。


「そのかわり今日の夜ご飯おごるから…ね?」

ご飯…この言葉にステラが反応する。

「よるごはん…!いいの?」

キラキラ光らせたステラの視線はヒマリアをじっと見つめる。

「す、ステラちゃん…凄い反応…」

「まあいいわ。丁度いい時間だしご飯にしましょ」

ミルキーは最早もはや驚く事も無く夜ご飯を摂ることにする。



        ★



「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ…」

物凄い勢いよいで頼んだ料理を平らげていく。

「……………」

「……………」

「……………」

この光景に唖然とする。


「もぐもぐもぐもぐ……おいし〜♪」

幸せそうにうっとりとする。

「アンタ少しぐらい遠慮ってとこ覚えなさいよね…」

「めちゃくちゃ食べるんだけど……」

ステラの異様な食べっぷりに引き気味に見る。


「…す、ステラちゃん…?た、食べ過ぎはよくないよ…?」

静かにルディが注意をする。

しかし、まだ物足りないといった表情だ。

「食べ過ぎ?まだ満腹じゃあないよ?」


ミルキーに近寄り囁くように訊く。

「ね、ねぇミルキー?ステラちゃんってこんなに大食いの子だったの?」

「そうね。アタシも初めて見た時はビックリしたけど……うん…ホント凄いわね…」


今もおいしそうに食べる。

「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ……」

「……こんなにも食べて太らないのかな?」

ヒマリアの疑問にミルキーは苛立ちを見せるように答える。

「コイツの場合、無駄に大きい胸に栄養がいくんでしょ。ホントムカつくわ〜」


「…………」

自然と二人の視線がミルキーの胸元へ移る。

「あ?何みてんの?アンタ達だからって容赦しないわよ?」

視線に気付き威圧を掛ける。


「な、なんの事かな〜あははは……」

「何も…みてないから……(こ、怖い)」

ミルキー達の会話を余所に食べ尽くしていく。

「はうぅ〜おいし〜♪」

平和に食べ終わり長い一日を送るステラ達であった。














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