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星の願い  作者: ミケ
第二章 新たな道標
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35.いつかの人

学園区にある【夜空の星】の喫茶店に満喫し、次は商業区の案内をしていた。

「ここが商業区よ。覚えてる?」

「うん。覚えてるよ。おいしいパフェがあった所だね」

王都に来たばかりのステラ達を連れて行った場所である。

美味しいパフェを食べた記憶は、彼女にとって印象のあるものだった。


「アンタってホント食べる事しか考えないよね〜」

「う〜。だっておいしかったんだもん」

一緒に歩いていたルディが訊く。

「前に来たことあるの?」


「そういえばルディに言ってなかったわね。アタシとステラが初めて会って、まぁ、色々とあって連れてった場所がここなのよ」

説明している間に、ステラの視線に気づく。

「………」

無言になり、ある所を一点に見つめている。


「何よ?さっきからじっと見て……アンタまさか…!」

先程の喫茶店の事を思い出す。

しかし、ミルキーの考えとは別の答えが返ってきた。

「ミルキー。あっちの方で何かやってるよ?」

示された方向に目を向ける。

「え?」


ミルキー達の行く先にある店の前に、どこかで見た事のある三人と朱色のポニーテールの騎士兵シノーペ、涅色くりいろの短髪の騎士兵カルメが何やら揉め事を起こしていた。


不機嫌な黒髪の男が謝る素振りをする。

「オイオイ勘弁してくれよ〜。悪かったって!」

シノーペは牽制するように、槍を突きつける。

「窃盗は立派な犯罪よ!大人しくしなさい!」


しかし、それに応じずに抵抗の意思を見せる。

「仕方ねぇ…こうなれば、チカラずくでやらしてもらうぜ!」

「ミラのため、ミラのためだー!」

大柄の男が殴りつける。


カルメはひらりと身をかわす。

「うわっ!?」

細身の金髪の男は、詠唱を始める。

「凍てつく冷気よ、ソイルフローズン!」

シノーペの周りに冷気を漂わせる。

「くっ!調子に乗らないで!」


近くにいた黒髪の男に槍を使い薙ぎ払う。

「うひょひょ〜そんな攻撃あたらね〜ぜ?」

高く飛び上がり避ける。

「これならどうだッ!」

カルメは魔導書を開き、黒髪の男が着地した周りに微弱の電流を流す。


バチッバチッ!と黒髪の男の体に纏わりつく。

「いてぇーー!このちんちくりんがァ!」

痛みのあまりキレた黒髪の男は回し蹴りを放つ。

「ッ!僕も騎士団の一員だ!この程度で…!」

両腕を上手く使い防御する。


「カルメ!後ろ!」

シノーペが叫ぶ。

「え?」

後ろに振り向くが、もう遅く細身の金髪男が至近距離で魔術を放とうとしていた。

「ガラ空きだぜ〜?」


撃たれる直前、二人の間に炎を纏ったデコイが出現する。

「あ?」

疑問を持つ間もなく爆発を起こす。

「のおぉぉわぁぁぁ!」


爆発音に驚き振り向く。

「うひょ?!」

「ったく。こんなところで何やってんのよ?」

カルメの元に、呆れながらゆっくりと歩み寄る。

「君は昨日の…」

後から来たルディが注意を向ける。

「は、話は後…です」


細身の金髪男がミルキーに気付き指をさす。

「ん?お前はあの時のエルフ!」

「あ?何?アタシを知ってんの?」

喧嘩を売るような口調で返す。


「リゲルの時は世話になったな…忘れたとは…言わね〜よな!」

リゲル尖塔にて、禁断フォビドン盗賊団と戦った時に、やたらと騒がしい三人がいた。

「………あ〜。あの三人?」

思い出したのか、ポツリと呟く。


「あ、あの野郎…舐めやがって…!」

黒髪の男は怒りを隠せず、今にも襲いかかる雰囲気を出す。

こちらに後退してきたシノーペが尋ねる。

「えーと、知り合い…ですか?」

「んなわけないでしょ。こいつら服装が変わってるけど禁断フォビドン盗賊団の奴らでしょ?」


あの時とは違い、今はまともな格好をしている。

「そうだ!お前達のお陰で俺達盗賊団はバラバラになって収入源も無くなちまったんだ!」

何か思いついたのか黒髪の男が提案を出す。

「うひょ。ソイツを捕まえてミラに換金してもらうぜ」


大柄の男はブツブツと呟く。

「ミラ…エルフを売れば最低でも10万ミラはつきそうだ…ミラの為に捕まってくれ」

三人の元にファイヤーボムが炸裂する。

「ぐはッ!?」


苛立ちが爆発し言い放つ。

「うっさいわね!ぶっ飛ばすわよ!!」

「とばしてから言うセリフじゃないよ?」

ステラが的確に言う。


「ぐっ…なかなか効いたぜぇ…」

さっきの魔術により二人は下がる。

そのかわりに大柄の男が前線に立ちはだかる。

「我が奥義を受けよ!ミラブラスト!」

懐から小袋から硬貨を取り出し素早く投げる。


不思議な事に投げられたミラは、落下速度が遅く何かしらの術式を掛けられているようだ。

「あいつ。ミラなんて投げて何を考えてるの!?」

考える間もなくシノーペの背後を取り殴る。

「スキありィ!」


さすがは星群アステリズム騎士団。難なく回避し、反撃の一撃を叩き込む。

「甘い!」

突く動作ではなく、叩きつけるように攻撃をする。

しかし、大柄の男だと思って攻撃した相手は硬貨のミラに変わり男を見失う。


「えっ!?消えた!?」

「消えたのでは無い…我が秘技…ミラマジックだ!」

背後から声と共に背中に痛みが走る。

「あうッ!」

シノーペは吹き飛ばされゴロゴロと転がる。


「終わりだ…ミラハリケーン!」

小袋から全てのミラをばら撒き、ミルキー達の視界を一気に奪っていく。

「あ〜もう!」

どうしようもない状況にハードシェルを発動させ、自身らの身を守る。


しばらく様子を見ていると、徐々にミラの嵐が止んでいく。

「や、止んだ…?」

目の前の光景にカルメが怠そうにする。

「うわぁ…これ掃除するの大変だよぉ…」


ミルキーは、すぐさまに周りを確認する。

「あれ?アイツらは?」

ステラを担がれ、この場から逃げていく姿を捉える。

「あ!アイツら!」

ミルキーは、すぐに行動に移し追いかける。


「み、ミルキー!……行っちゃった」

殴り飛ばされたシノーペは態勢を整えお願いをする。

「…カルメ。ここはお願いできる?」

「僕は大丈夫だけど、君こそ大丈夫なの?」

「私は大丈夫よ。それに私のせいであの子が…」


ルディに寄り、約束をする。

「ごめんなさい。絶対に連れ戻すから、ここで待っててください」

「あ…うん…」

ルディ自身も何もできなかった自分を責めつつも、後の事を任せるのだった。














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