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星の願い  作者: ミケ
第二章 新たな道標
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32.心配事

フォボス隊長が部屋から出ていった後ルークス達は、しばらくの間、客室に留まっていた。

「これからどうすんの?」

テーブルに置かれた小さな瓶の中身にあるお菓子をつまみながら尋ねる。


「…俺一旦フェーベ村に戻るわ」

唐突な言葉に聞き返す。

「はぁ?なんでよ?」


「ここに来てから黒い魔物が、ちらほら見るようになったし、あいつらのことが心配でな」

ルークスの住んでいたフェーベ村の周りには、比較的穏やかな魔物が多く、黒い魔物のように気性が荒く積極的に他の種族に襲いかかるような魔物が少ない。

それにフェーベ村には守護星導光プロテクトエーテルが無く、仮に黒い魔物が現れた場合、村人達だけでは対処しきれない。


それらの事を踏まえ、一旦戻る決意をする。

お菓子を食べながら話を聞いていたステラは、少し心配そうに訊く。

「う〜?ルークスどっか行っちゃうの?」


「ああ、ちょっとフェーベ村に戻るだけだから、ステラはここに残ってくれ」

不服そうな表情を出す。

「む〜…なんでなの〜?」

「昨日色々とあって疲れてるだろう?だから今回はお留守番だ」


昨日に起きた黒い魔物との戦いに心身共に疲れてしまっている。

今の状態で無理に連れて行くわけにはいかない。

「う〜…分かった。でも早く帰ってきてね」

「ああ、と言うわけだミルキー。悪いが少しの間だけコイツのことを頼むぜ?」


溜息を混じり、眠たそうな顔に虫を追い払うように、手を小さく振る。

「はぁ…勝手に話を進めて…まあいいわ。さっさと行ってきなさい」

「サンキューな。あ、それと、テーベの奴も一緒に連れてっていいか?フェーベ村には守護星導光プロテクトエーテルがねぇから一緒に行けるし俺と一緒なら心配はねえだろう?」


守護星導光プロテクトエーテルがある王都では、魔族であるテーベを入れる事は出来ない。

だからといってテーベと一緒に守護星導光プロテクトエーテルの範囲外に出るわけにも行かない。

黒い魔物がいつ襲ってくるのか分からないからだ。

そんな状況で放置する訳には行かないので、ここはルークスがフェーベ村に戻るついでに一緒に行動したほうが安全だと考えた。


「そうね。ここにいるよりかは何倍かマシね」

「大丈夫だよ。でも、無理をさせちゃだめだよ」

「安心しな。ちゃんと見とくよ。じゃあ俺もう行くから、後は頼んだ」

手を振りながら部屋から出る。 


「はいはい」

ミルキーは適当に返事をし、ステラは彼を見守りながら小さく手を振る。

「気をつけてね」



       ★



ミルキーの家に戻り準備を進める。

「あ、ミラのこと言うの忘れてたな…」

フェーベ村に帰るためには馬車を利用しなければならない。

歩いて帰ることもできるが現実的ではない。


「お?こんなところに」

適当に部屋の中を調べていると、見覚えのある袋がテーブルの上に置いてあった。

中身を見てみると5万前後あたりのミラが入っていた。


「……まあ、後で返せばいいか」

ミラの入った袋ごと、ルークスの懐に入れて持っていく。

「さてと…行きますか」

準備が整い外へ出る。

中央区から迷いの森方向の入口へ向かう。

特に用事がないので寄り道をする事なく、王都から出てテーベの居る街道へ到着する。


「おーい。テーベ?」

テーベが居そうな草むらに向かい話す。

すると、その草むらから何かがルークスの顔面に飛びついてきた。


しかし、その事を事前に分かっていたのか、引っ付かれる直前に両手で掴み受け止める。

「おっと、同じ手は通用しねえぜ」

掴まれたテーベは相変わらずぷるぷると震える。


「腹空いてねぇか?」

フォボスとの話の途中で、テーブルにあったお菓子を何個か持って帰った来てた物をひとつあげてみた。

お腹が減ってないのか、お菓子には反応せずに地面に降りる。


ルークスでも分かるぐらいに誰かを探す素振りをする。

「ステラの事、探してるのか?」

テーベはこちらを見る。

目は無いはずなのにジっと見られてる気がする。


「悪いな。ちょっと訳があってな…しばらく俺と一緒ついて来て欲しんだ」

テーベは言葉の意味が分かるのか、その場を跳ね始める。

ルークスにはテーベが何を伝えようとしてるのかサッパリ分からない。


「何を言ってるのか分かんねぇけど、ついて来てくれるか?」

すると、テーベは高く飛び上がり肩から頭の上へぴょんぴょんと跳ねて乗る。

「おお?これって良いって事だよな…?」

頭に乗られて意外と軽い事が分かる。


いつもステラの頭の上に乗っていたため新鮮さを感じる。

「まぁ、何はともあれ、よろしくな。テーベ」

フェーベ村に帰るため、ひとまずナイアドに戻る。


      







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