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星の願い  作者: ミケ
第一章 黒き魔物
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26.探索

筒状の機械を倒し、ステラを救出して休憩をとり、あれからしばらくの時が過ぎ、壁にもたれて待っていたプルートが近づき話し掛ける。

「もう十分休んだろう。そろそろ行くぞ」

「わーったよ。ステラ、立てるか?」

ステラが立てるように手を差し伸べる。

「うん。大丈夫だよ」


「あら、もういいの?」

丁度ミルキーも調べ終り戻ってくる。

「ああ、お前の方もいいのか?」

得られる物があまり無かったのか、眠たそうな表情をしている。

「別にいいわよ。意外と調べられる所が無かったしね」


「そうか‥早速で悪いけど、黒い魔物の気配がどこから来るか教えてくれ」

「うん。ちょっとまってね‥‥」

目を瞑り集中する。

「‥‥‥」

気配を探る彼女の様子を伺う。


「あっちからするよ」

そう言いながらアルゲティが来た方向に指をさす。

「ふむ‥あちらとなると、この遺跡の奥‥という事になりますネ」

視線を遺跡の奥へ落とし腕を組む。

「場所さえ判ればいい。後はそこに向かうだけだ」

「そうだな。とりあえず進んでみるか」



       ★

 


ステラが示した方向に従って奥へ進む。

「それにしてもこの遺跡って何なんだろうな‥」

周りには朽ち果てた石の建造物が不規則に建っており、石の間から草やツルが伸び切り、長年放置されていたのがひと目でわかる。


「アンタ達が休んでる間に調べてたけど、よく分かんなかったわ。文字らしき字があちこちにあったけど、少なくともアタシ達が使ってる文字じゃあ無かったわね」

ルークス達が歩いている石の床や建造物の柱に凹凸があり、そのヘコんでいる箇所に理解不能な文字が掘り起こされている。


「ふーん。お前ってこういうのが得意じゃなかったっけ?」

「そんな訳ないでしょ。アタシが調べてんのは星導光エーテルや光星エネルギーとかで、遺跡関係のモノについては触れてないの」

彼女はあくまでも星導光エーテル関係のみ調べていて、遺跡に関する歴史には何も触れてはいない。

星導光エーテルと世界各地にある遺跡は何かしらの関係性を持っているらしいが、どうもミルキーには興味が無いのか、星導光エーテルに関係する物だけ調べていた。


抱えてたテーベを頭に乗せて、素朴な疑問をする。

「でもミルキーって、エーテルも光星エネルギーのこともあまり分かってないんだよね?」

「う、うっさいわね。そんなのこれから調べて分かりゃあ良いんだからいいの!」


少し先を歩いていたプルートが振り向き、遅れて黒髪を揺らす。

「何をさっきからペラペラペラペラと‥喋る暇があるなら速く歩け」

「むぅ〜」

ジト目になり、不満な顔を出す。


「あ〜ムカつく‥何でアイツに急かされなきゃならないの」

怒りを隠すことなく愚痴を零す。

「でもアイツの言うとおりに急いだ方がいいかもしれねぇな。黒い魔物は俺達を待っててはくれねぇし。疲れてないか?」

筒状の機械と戦って休憩を取っていたが、ステラが疲れてないか念の為に聞いてみる。


「大丈夫だよ。元気2倍だから」

ガッツポーズをしながら、元気アピールをする。

「お、おう‥そうか。それならいい」

戸惑いながらも納得し、さらなる奥へ歩いて行く。



       ★



あれから道なりに進み遺跡の奥らしき所まで来ていた。

奥に来ても特に変わったものが無く、同じような石の建造物が立っているだけだった。

「だいぶ奥まで来たな。気配の方はどうだ?」

さっきまでの元気が嘘のように無くなり、うつむきながら答える。

「うぅ‥近いよ。‥それに今までと違ってイヤな気配がいっぱい居る‥」


「奥?デスガこの遺跡はここまでのようデスガ‥?」

あたりを見渡しても何もなく、あるのはボロボロになった建造物や遺跡を囲む石の壁だけ。

「ここじゃあないよ。もっと奥‥」

指摘する様に遺跡より先にある森へ指をさし話す。


再び迷いの森へ行くことに面倒くささを感じ「はぁ」と溜め息をつく。

「‥また森か‥やれやれ、面倒な所にいたものだな」

元気が無くなった彼女に心配になり一言かける。

「ステラ大丈夫か?無理ならここに残るか?」


無理に笑顔を浮かべ答える。

「だ、大丈夫‥」

(大丈夫って面じゃあねぇ‥この調子で連れて行くのは良くねぇな。)

このまま連れて行くのは危険だと思ったルークスは提案を持ち掛ける。

「‥‥ステラ‥ここに居てくれ。後は俺達で片付ける」


急な事を言われて戸惑う。

「え?どうして?」

「無理しなくてもいい‥辛そうな顔をしてる。俺達には分かんねーけどさ、お前には嫌な気配が感じるだろ?それも近づきたくないほどの‥そんなお前を無理に連れて行く訳にはいかねぇよ」

万が一の事を考えここは強く出る。


「やだ。一緒に行きたい」

首を横に振る。

「駄目だ」

「や」

「駄目なものは駄目」


諦めずにルークスのことを見る。

「‥‥‥」

ベチャ!

ひんやりとした粘液がルークスの顔面に当たる。

「ぐっ!?テーベ?」


手に顎を当て、テーベの動きを代弁するようにプルートが答える。

「ふむ‥どうやらこのスライム‥「ステラの意思を尊重しろ」と伝えているようだな」

粘液を拭い、ステラを見つめる。

同じくテーベも目は無いが、こちらを見ている感じをしている。

「‥‥‥」


しばらく見つめ合ったが、先にルークスの心が折れ、頭を掻きながら話し掛ける。

「仕方ねぇな。でも1つだけ約束してくれ。本当に無理だと思ったら無理だと言ってくれ。いいな?」

「うん!ありがとね!ルークス、テーベちゃん!」


喜ぶステラの後ろに、ミルキーはプルートに1つの疑問を投げつける。

「アンタ、魔物の言葉がわかるの?」

油断していたのかハッとした表情になり早口で返す。

「ッ!?‥‥今のは忘れろ」

魔物嫌いの彼が何故テーベの伝えたいことが理解できたのか、その説明がないままミルキーから距離を置く。

「‥?」


「コホン。話し合いは終わりましたカ?」

わざとらしい咳払いをして、確認をする。

「わりぃな。こっちはもう大丈夫だ」

「そうデスカ。では黒い魔物の元へ行きますヨ」

黒い魔物を倒すため、遺跡を抜け、再び迷いの森へと足を踏み入れる。









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