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星の願い  作者: ミケ
第一章 黒き魔物
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25.生体捕獲機アルゲティキャプチャー

アルゲティがスイッチを押すと逃げる様にこの場を後にする。

「じゃあ僕はこれで」

「あ!ちょっと待ちなさい!逃げる気!?」

後を追いかけようとした瞬間、ミルキーの周りに大きな影が現れる。


プルートは上を見上げ何か大きな物体がこちらに落ちてくるのを確認した。

「ッ!?」

瞬時に風属性の魔術を発動させミルキーの足元に突風を起こし後ろに飛ばす。

「痛ぁ!」


その直後

ドゴォォォォォォォオオン!

先程の大きな物体が轟音と共に落ち、地面ごと揺らす。

白を基調とした筒状の物体は動かずその場に留まっていた。


「いたたた‥なんなの‥?」

プルートの魔術により後ろに飛ばされ寝転がっていたミルキーは頭をさすりながら起き上がる。


すると筒状の見た目をした機械は左右と下方向に穴が開き、その穴から左右合わせて4本、下方向に2本の手足と思われるシルバーの細長い機械状がクネクネと顔を出す。

手先と見える箇所には赤いグローブとなっており、足は重厚感のある黒色の鉄の塊になっている。


「なにコレ?」

ポカーンとステラは呟く。

妙な物体はこちらの声に反応したのか、筒状から出てきた4本の腕の内一本の腕を伸ばしステラの体を鷲掴みにする。

「ふぎゅ?!」


「ステラ!!」

ルークスは急いでステラを掴んでいる腕を斬り落とそうとするが、それよりも速く腕を引き戻し、上に持ち上げ

筒状の中に入れ込もうとする。


「させないわ!」

「待ちなさい!」

ミルキーが術式を組み込み魔術を放とうとするがヘルセが止めに入る。


「なによ?!邪魔しないでッ!」

「落ち着きなサーイ。相手をよく見なさい‥来ますヨ?」

残りの3本の手を動かしルークス達に叩きつける。

各々が敵の攻撃に回避をしている間、ステラを筒状の中に放り込まれてしまった。

「ルークスー!」


「ステラッ!」

ルークスは焦り単独で突っ走る。

迎撃のため一本の腕が彼を掴みにかかる。

「邪魔だァ!」


剣に炎を纏わせて横一閃に薙ぎ払い近づいて来た機械の腕に向かって炎の衝撃波を飛ばし爆発を起こす。

だが、こちらの攻撃が通用していないのか、何事も無かったかの様にそのままルークスにその大きな手を使い体ごと掴まれる。


「ぐっ!?」

そこそこの握力で拘束する。

逃れようと抵抗するがビクともしない。

「勝手に一人で突っ走るな!」

プルートが助けに素早く動き近づいていく。

2本の腕が蚊を潰す様に彼を叩きつける。


それらの攻撃をかわしルークスの元へ無事に着く。

「動くなよ」

スパッ!

細剣を目に止まらぬ速さで振るい、ルークスを掴んでいた機械の手が僅かに緩み、その隙を狙って脱出する。


「助かったぜ。ありがとな」

「そんな事を言う暇があるならさっさと構えろ。来るぞ」

筒状の機械から視線を外さずに淡々と話す。


ウイーンウイーンと機械音を鳴らし4本の機械の手をグーの形にして一人ずつ殴りつける。

「これぐらいならッ!ハードシェル!」

ミルキーは無詠唱で各自4人に小さな六角形の壁を生成させ、相手からの攻撃を防ぐ。


攻撃の反動か、筒状の機械は押されたようにグラつき後ろに尻もちをつく形に座り込む。


「早くステラを助けねぇと‥」

ルークスの中に焦りが込み上げて来る。

「焦るな。まずは奴の動きを止める。手足から壊すぞ」

「そうは言っても、こいつ斬れるのか?俺の攻撃も効いてるのか分かんねぇし」


「ならアタシの出番ね」

ミルキーが前に出て術式の準備を進める。

「分かってるとは思うが、中にステラとテーベか居ることを忘れんじゃあねーぞ?」

「はいはい分かってるわよ」

話し合いをしている間に筒状の機械が起き上がり始める。


「荒れ果てる水流よ‥アクアブラスト!」

ミルキーの周りに4つの水塊を発生させ、機械の腕や足に向け飛ばす。

筒状の機械に当てた瞬間に突風を引き起こし、雨風が巻き起こり、機械全体にまんべんなく濡らす。


「おいおい大丈夫なのか?効いてるように見えねぇが‥」

アクアブラストを当てたのは良いが、多少ぐらついた程度で、攻撃が通用している様には見えなかった。


「うっさいわね。アンタは黙って見てればいいの!」

不安そうに見守るルークスにミルキーは鬱陶しそうに答え、詠唱を続ける。

「凍てつく針よ‥アイスニードル!」


八本の氷柱が筒状の機械の両足に4本、腕に各1本ずつあてて、先程のアクアブラストの影響により瞬時に凍らせる。

「さぁ〜て、どでかいのいくわよ〜!ストーンジェム!」


ミルキーの目の前に魔法陣を浮かべ中型の岩石を創り出し、機械の両足に発射する。

ドコォォォォォォオン!

勢いよく発射された岩石は凍った両足に命中する。

幸いにも機械自体脆かったのか氷ごとバラバラに粉砕する。

足を無くした機械は自立することができず仰向けに倒れ込む。


「ちょっと、アンタ達も見てないで手伝いなさい」

「ここは俺が出る幕ではない…ヘルセ」

「人使いが荒いデスネ‥」

ヘルセは銃を構え4本の腕に魔弾を撃ち込み破壊する。


シュー‥‥‥破壊した部分から白い煙が吹き出してきた。

4本の腕に2本の足が壊された筒状の機械は動かなくなった。

「もう動かねぇよな?」

「大丈夫でしょ。この辺だったかしら」


ステラを入れた箇所を調べ始める。

「これどうやって開けんだ?」

「下がってろ」

そう言うとプルートは細剣に黒い炎を纏わせ筒状の端の部分にめがけて斬り落とす。


スパッと呆気なく斬り落とし中を確認する。

「う〜‥‥」

目をグルグルしながら、とぼけた声をだし外へ這い出ようとするステラの姿がみえる。

「ステラ!」


ルークスは急いで彼女を引き上げようとした瞬間、ルークスの顔に何かが飛びついてきた。

ひんやりとした青くて丸いツヤツヤのあるスライム。

テーベが飛びついていた。


「〜?!」

何が起きたのか理解が追いつかないルークスは言葉にならない声をして、顔に引っ付いている何かを剥がすため力一杯引っ張る。


ベリッ!と音が出そうな感じにとれる。

「はぁはぁ‥なんだお前か‥息ができねぇから焦ったぜ‥」

「な〜にやってんのよ」

テーベと遊んでいる間にミルキー達はステラを引っ張り出し終えていた。


「ああ、悪い悪い。ステラ大丈夫か?何もされてねぇか?」

テーベを片手に持ちながら彼女の調子を聞く。

「グルグルするぅ‥」

特に怪我はなく目が回る程度のようだ。

「そうか。無事ってことだな」


「それにしてもあのメガネ‥次に会ったらタダでは済まさんぞ‥!」

細剣を鞘に納め腕を組み忌々しそうに話す。

「アルゲティ‥て言ったけ?あいつはもういねぇのか?」

「さぁ?多分ここにはもう居ないと思うわ。と言うか、この機械を呼んだ時に逃げてたし」


テーベはピョンピョンと跳ねステラの頭に乗っかる。

「ねえねえルークス。コレってなんなの?」

先程倒した筒状の機械に指をさし聞く。

「うーん‥何なんだろうな。何かの星導光エーテル‥なのか?」

コレが何なのか、ルークス自身もよく分かってない。


回答に困る彼にレンズを装備したミルキーが代わりに答える。

星導光エーテルじゃないと思うわ。この物体から光星エネルギーも何も無かったし‥まぁ見た目はちょっと変わった星導光エーテルみたいな感じはするけどね」


「おい。何をペラペラと喋っているんだ。さっさと行くぞ」

プルートとヘルセの二人は奥に進みながら話し掛ける。

「ちょっと待てよ、そんな急ぐ事はないだろ」

「今もこうしている間にも、魔物共は待っててはくれない」

ステラの隣に座りながら返す。

「そんな事は分かってるさ。けど休憩もいるんじゃあないか?さっきの戦いで疲れちまった」


「チッ‥」

プルートは舌打ちするもの、近くにある石の壁にもたれる。どうやら待っててくれるようだ。

「休憩が終わるまで、この遺跡のこと調べとくから、終わったら呼びなさい」

ミルキーもそう言うと、そこらにあるボロボロの建造物を廻り調べ始める。


ヘルセは黙ったまま適当な場所に座り静かに待つ。

「ありがとね」

「礼なんていらねーよ。俺も休みたいと思ってたしな」

次の戦いに向けて体を休める。







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