16.スピカ華麗に登場☆
アクエリアスとの激戦を繰り広げ見事勝利へと導くことに成功した二人。
その後に来るステラから治療を受けてる中、何者かが走る音を聞きそして‥‥
「スピカきーっく!!」
「なんだ―――ぶべら!?」
活発そうな少女の声を聞き、ルークスは顔を見上げると何者かに蹴りを入れられる。
ルークスを踏み台にして離れる。
「からの〜。スピカバインド! ビリビリビリビリ〜」
手をワシャワシャしながら呟く。
「あばばばばばばば」
謎の少女の術によりルークスは痺れる。
いきなりの展開に誰もついてこられず少女にスキ放題にされる。
「痺れちゃったー?お次は〜‥こう!ぐるぐるぐるぐる〜☆」
オレンジ色の袖を振り回し手からローブ状にできた糸を器用に使いルークスを捕まえ、少女の側まで引っ張る。
「ルークス!」
ステラが連れ戻そうとするがルディに止められる。
「む、無闇に近づいちゃダメ‥危ないから‥」
「でも‥」
「アンタ、誰かは知らないけど、それ以上まだ何かやろうってんなら容赦しないわよ?」
しびれを切らしたミルキーは、魔導書を開きいつでも術を発動できるように構える。
金髪に頭の天辺から前髪にかけ、黒髪のギザギザした髪色が特徴の少女は答える。
「そんなに怒らないでよ〜。私は別に戦いに来た訳じゃないよ。これに用があるの☆」
すると少女はルークスの服を弄りある物をとる。
月星石‥禁断盗賊団のボスが雷撃を繰り出した時に使用したもの。
「目的の物も手に入れたし返すね☆」
それを回収すると呆気なくルークスを解放する。
「ルークス!大丈夫?!」
「ああ、なんとかな‥」
治療術を先に受けていたため大事には至らなかった。
少女は小走りにアクエリアスのもとへ行き声を掛ける。
「大丈夫ですかぁ〜?ずいぶんと派手にやられちゃって☆」
起き上がり怠そうに話す。
「相変わらずだね、君は‥でも助かったよ」
「アンタ、コイツの仲間なの?だったら‥!」
今にも術を放とうとするミルキーに少女は声をだす。
「やめたほうがいいよ〜。君、立ってられるのもやっとでしょ?ボロボロになってまでも戦うことなのかな〜?」
言葉の終わりに下の方から轟音が響き、どこからかともなく四輪車が現れる。
「‥‥‥」
ルディは注意深く様子を見る。
アクエリアスは車に乗り込み撤退をしようとする。
「逃げる気なの?!」
「そーだよ〜逃げるんだよ〜。今ここで君達と戦って得することが何も無いからね〜☆」
すると少女は車の前に立ち珍妙なポーズをとり一言
「またね〜☆。スピカフラーーシュ!!ピッカーン☆」
少女から強烈な光を出し辺りの視界を奪う。
「くっ!目眩ましか!?」
気付いた時にはもう遅く、ブンブンブーンと車の音が遠ざかっていき静かになり次第に眩ゆい光は消え、ステラが叫ぶ。
「うぎゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
両目を押さえ、だらしなく床にコロコロと転がる
「目がぁぁ!、目がぁぁぁぁぁ!!」
どうやら先程の光を直視してしまったようだ。
「だ、大丈夫?」
ルディは心配する
「め、目がぁ〜!」
彼女の声は届かずジタバタと暴れる。
「あ〜もう!しっかりしなさい!」
一瞬の隙きを見計らい、ステラの頬を両手で挟み動きを止める。
「ふぎゅ!?」
「どう?落ち着いた?」
「おひふいはほ」
ステラが落ち着いた所でルディは、おどおどとしながら二人に声を掛ける。
「あ、あの‥怪我の方‥大丈夫?凄く痛そうだけど‥」
「アタシの方は大丈夫よ。術を使い過ぎて疲れてるだけだから、それよりもコイツの傷を治してあげて」
「目がチカチカするぅ。今から治すからね」
目を擦りながらルークスの隣に座り再度、治療術を発動する。
「星の輝きよ‥汝を癒せ‥!」
治療術を発動させ、手にできた切り傷がみるみると治っていく。
「どう?痛みはない?」
手を開け閉めを繰り返し異常が無いか確かめる。
驚くことに痛みもなくなっている。
「ああ、治ってるぜ。ありがとな、ステラ」
(相変わらず出鱈目な術よね‥‥コイツもそうだけど、この子も‥一体何者かしら?)
ミルキーが考える中、ルディが話しかける。
「ね、ねぇ、ここで話すの危ないからいったん王都に帰らない?何があったのか気になるけど、二人の体が心配だよ‥日を改めて聞きに来てもいいかな?」
「そうね。そうしてもらえると助かるわ。さすがのアタシも疲れたし、さっさと帰りましょう?ほら、立てる?」
ミルキーがこちらに手を差し伸べる。
「いや、一人で立てるよ」
徐に立ち上がり辺りを見渡す。
「そういや、あのおっさんはどこに行ったんだ?」
「おっさん‥?ああ、盗賊団のことね。アイツならアクエリアスと戦ってる間にこっそり逃げてたわよ。気付かなかった?」
アクエリアスが星水鎧を武装する前に逃げ出していたようだ。
星群騎士団に連行してもらおうとしたが居ないのであれば仕方ない。
「そうか‥」
ミルキー達が帰ろうとするなか、ルークスはボーッと空を見る。
「ルークス?どうしたの?早く帰ろう?」
「ああそうだな」
リゲル尖塔の頂上での戦いは終わり、王都コーディリアへ帰りひと息入れる。
★
ブンブンブーーン‥乗り物の音が見通しの良いオリオン平地に走り響く。
場違いとも言える見た目をした四輪車にアクエリアスと謎の少女スピカが乗っていた。
「大丈夫ですかぁ〜? 負け犬さん☆」
少女はニヤニヤしながら話す。
「君はもう少し言葉を選んだほうがいい‥」
声に圧をかけるが少女は怯まず返す。
「あれ?もしかして、怒っちゃった? 短気は損気って言いますし〜?」
挑発ともとれる態度に無視してあることを聞く。
「はぁ‥まあいい。そういえば君は誰に言われここにきたんだい?」
「ん〜?本人から聞いていないの〜?スコーピオンさんからですよ☆」
「‥あとで礼をしないとね‥」
「私にも感謝してね☆」
「はいはい君にも感謝してるよ」
適当にあしらい四輪車を止める
「ここで降りるんですか?まだ傷が癒えてないのに?」
「まぁね、それにあの人に傷を治してもらうから大丈夫だよ」
あの人と聞き苦手意識があるのかスピカはイヤそうな顔をする。
「え?もしかしてこの近くに居るの?私あの人、苦手なんだよねぇ〜。いつもニコニコだしぃ〜、なに考えてるのか分かんないしぃ〜。あまり会いたくないから〜もう行くね!」
早々に四輪車を走らせ去っていった。
「‥‥さてと、行くとしようか」
ひとりとなったアクエリアスは傷を癒やすためゆっくりと歩きだす。




