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星の願い  作者: ミケ
第四章 砂漠に眠る秘宝と星の記憶
122/142

114.研究者2

パーリクでは見慣れない服装にステラは戸惑う。

「だれ…?」

「研究者だよ。この趣味の悪い住居の人間」

どうやらこの男が研究者と呼ばれている人のようだ。

中年の見た目で全身に白衣と研究者らしい格好をしていた、


タイゲの嫌味じみた発言に研究者は睨み返す。

「出会って早々言ってくれるな」

「警告。立ち去る意思を見せない場合、武力行使に移ります。お引き取りください」

「………」

研究者は警備ロボに触り止める。

「立ち去れ。お前たちのような連中が近付く所ではない」


「おいおい、こっちは訪ねに来ただけなんだぜ。すこしは」

タイゲの声を遮るように研究者の男は答える。

「低能と話すつもりはない。時間の無駄だ」

タイゲと研究者の間に少しピリつく。

「なに…?」

お構いなしに男は続ける。

「冒険者など所詮は知能の低い猿どもがする戯れだ。そんな低能と話す時間がないと言ったのだ」


「ひどい……どうしてそんな事言うの…」

悲しそうにすると男は「はっ」と鼻で笑う。

「どうしてか?事実、冒険者は戦うことしか脳がないからだ。人のために考え、日々思考を巡らせる我々とは違うのだよ」

偉そうに語る研究者を黙ってみていたプルートが呆れたようにため息をつく。

「……噂通りの連中だな。パーリクにいる研究者共は常に他人を見下し、自己陶酔の塊だと聞いていたが……ふん、想像以上だな…」


「あまり口を滑らせないほうが身のためだと助言しておこうか若者よ」

苛立ちを極力抑えてタイゲはダメ元で尋ねる。

「一つだけ聞かせろ、ポーシャという武道家の人間を知らないか?」

名前を聞いて覚えのある様子を見せる。

「ポーシャ?ああ、アイツか…」


「知ってるのか!?」

「知っている…だが、いけないな……それが人に物を頼む態度か?」

研究者は不敵に笑みをこぼす。

嫌な予感がする…

「……なにが言いたい」

「誠意を見せろと言っているんだ。額を地面こすりつけて懇願するようにな」


「………」

ここまで酷いとは思わなかったのか黙り込む。

「舐め腐ってるわね…」

嫌な空気が漂う中ルークスが彼に呼びかける。

「タイゲ。行くぞ」

「ルークス?」

「今のでわかったよ。こんな奴と関わるほうがおかしいってな」


プルートは腕を組み頷く。

「同感だな」

ルークス達がこの場から立ち去ろうとする中、ステラは研究者を見ていた。

「ステラ、行くぞ」

ボーっとする彼女を呼んで、ここから離れる。

「う、うん…」

小さく頷くとステラも彼らの後に付いていった。



    ★



研究者から離れた場所につくとミルキーは悪態をつくように地面に蹴りをいれる。

「はぁー!ムカつくわね!ぶっ飛ばしたら駄目なの!?」

相当苛ついているのか、いつもより感情が昂っていた。

そんな彼女にプルートは冷静に言う。

「そんなことをすれば今よりも面倒な事になるぞ。気持ちは分かるがやめたほうがいい」


「……で、結局なにも得られなかったがどうするつもりだ?」

彼らから何かしらの情報が得られると踏んでいたが、実際そう上手くはいかない。

「上手く行けばアイツに会えると思ったんだが……」

タイゲの口ぶりからして最初から、あの研究者から聞こうとは思っていなかったようだ。

「アイツ?」

「テミストだよ。研究者のひとりさ」


研究者と聞いてミルキーは先程のやり取りを思い返す。

「研究者ね……まさかとは思うけど…さっきと同じ奴じゃないわよね?」

タイゲは急いでそれを否定する。

「いやいや、アイツはそこらの研究者と違うぞ。さっきの奴みたいにパーリクにいる研究者は腐った連中ばかりだが、テミストだけは違う。アイツは傲慢な態度で他人を見下したりはしない。アイツならポーシャのことを知ってると思って来たんだが…」


「ふーん…でもなんで直接テミストのことを聞かなかったの?」

「今のを見て素直に話してくれると思うか?」

先程の研究者の態度から分かるように、彼らは素直に話すことはないだろう。

「どのみち聞けるに聞けねえってことか」


ルークスは深いため息をこぼす。

サングレーザーとは違い順風満帆とはいかないようだ。

クラーワから預かった黒い箱…これが何なのか知らないが、ポーシャならこれの正体が判明するかもしれない。

実のところルークスも、この箱がどういうものか気にはなっていた。


田舎のフェーベ村に落ちていた箱…誰かが持ち込んだとしてもあんな所に落とすものなのか?

そしてステラのこと。

現在彼女の事で分かっていることは、彼女が星天一族だということ。

彼女が十二星宮と関わりがあること。


これだけだが、まだ記憶の方は謎のまま…

この砂漠の大陸に彼女の記憶を思い出すものがあるのだろうか?

無事に彼女を家に送り届けることが出来るのか。

様々な不安が寄せてくるが、今はここで立ち止まるわけには行かない。

自分にできることを一つずつやっていくだけだ。


そのためにはまずは………

「いつまでもここにいても仕方ねえ。ひとまずはファールバウティに行って探してみるよ」

大砂漠の真ん中にあると言われている機巧都市ファールバウティ。

彼女の記憶と何かしら関係があるのか行ってみなければ分からない。

機巧都市と聞いてはいるが一体どんな場所なのだろうか…

「そうね…今はそこしかなさそうね」


「ファールバウティに向かうのか?残念だが今はやめたほうがいいぞ」

「なんでなの?」

ステラが疑問に思うとタイゲが続けて答える。

「少し前にデザールが襲撃したらしくてな…今のファールバウティは乗っ取られた状態だと聞いている」



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