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星の願い  作者: ミケ
第四章 砂漠に眠る秘宝と星の記憶
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111.パーリクへ

「ミルキー?」

怪訝な表情をしている彼女の前にステラが気に掛ける。

「怪しいわね…」

「俺のことが信じられないか?それとも人間という種族が信用できないのか?」

「………」

「別に俺も無理に一緒に来いだなんて言わねえよ。エルフと人間の関係は俺も承知してる」


ミルキー自身も分かっている。

全ての人間が悪ではないことを。頭では分かってるつもりなのだが、それがなかなか割り切ることが出来ない。

「ミルキー大丈夫だよ。この人は良い人だよ?」

ステラが心配そうにこちらを見つめてくる

「………そうね……」

「俺としても案内してもらえるならそれでいいと思うんだが…」


ルークスとステラの言葉もあってか前向きに話す。

「分かったわ。案内お願いできる?」

普段からエルフや獣人族ビーストなどの他種族と関わることが多いせいなのか、男はさっきのことを気にすることなく返事をする。

「任せな」


あっ…と口をこぼし話す。

「そうだ、まだ自己紹介してなかったな。俺はタイゲだ」

「ルークスだ」

「ステラだよ。そしてこっちがむぐぅ!?」

余計なことを言う前にルークスがぎこちない動きで彼女の口を手で塞ぐ。

「こっちも何もステラはステラだろ?」


「ーーっ!」

ジタバタと暴れて何かを言いたそうにするが、口を塞がれて喋れない。

二人をよそに淡々と答える

「………ミルキーよ」

「パーリクまでの少しの間だが、よろしくな」

笑顔で返すとタイゲはパーリクへ続く砂漠のなき道を進み始めた。

「ぷはー!」

ようやく解放されたステラはルークスに向かって「むむむ…」と文句を言いたげそうに顔をしかめた

「あははは…悪い悪い…」

苦笑いを浮かべながらステラに謝り彼女の機嫌を取りながら、タイゲの後について行った。



歩いてからしばらくが経ちステラが何かに気付く。

「なんか涼しい…?」

いつからかは覚えていないが少なくとも今は涼しく感じていた。

さっきまで熱くてどうしようも無かったというのに…

「なあ、お前たちを初めて見たときから思ったんだが…」

タイゲが不思議そうに聞いてきた。


寒冷星導光コンゲラーエーテル持ってきてなかったのか?」

当然の質問にルークスは困ったように返す。

「持ってきてたんだが……落としちまってな…」

「おいおい、そんな大事なモン落とすなよ…ネブマクラ大砂漠じゃなかったから良かったもの」

ネブマクラ大砂漠…ミルキーからも聞いたことのある場所だ。

「なあ、そのネブマクラ大砂漠ってのはそんなに危ねえ場所なのか?」


少し悩んだ末に答えだす。

「危ねえってよりも広くて迷子になりやすいだな。下手をすれば干からびてお陀仏なんてこともある。とはいえ、きっちりと対策を済ませばさほど危なくはない」

彼の情報からして、ネブマクラ大砂漠は今いる場所と大して環境は変わらないらしい。

だが、その大砂漠には巨大な遺跡と頻繁に現れる強力な砂嵐があるとのこと。

その後も他愛のない話が続いていた……


タイゲと出会ってから数十分、歩を進めていくと、ようやく違う景色が見えてきた。

「っと、話しているうちに着いたな」

「おおぉ〜!すご〜い!」

「ここがパーリクか……」

峡谷のように高低差の激しく、崖や壁に沿って建てられた住居がある。

向こうに渡るための石でできた細い橋や奥には塔のような建築物が建っていた。


さっそくステラは町並みを見ようと一人で走り出す。

「ちょっとステラ!うろちょろしないの!落ちたらどうすんの!」

ミルキーに注意をされて反省の色を見せる。

「えへへ……ごめんね」

落ち着きを取り戻したのか、みんなのもとに帰ってきた。


「まったくもう……」

微笑ましい光景を見た後にタイゲは先頭を歩き出す。

「パーリクは小さな町と同時に研究者達の場所でもある」

「研究者?」

ミルキーが補足するように言う。

「ネブマクラ大砂漠にある遺跡を調べてる連中よ」


彼女の発言にタイゲは意外そうな表情をする。

「おっ、知ってるんだな」

「少しだけよ。実際に来たのは初めてだし、詳しいことまでは知らないわ」

町中を歩いているとステラは一つ一つの住居を見て言う。

「………なんか変わってるね?」

「家のことか?」

「うん。どうして砂みたいな家をしてるんだろう…サングレーザーじゃあんなの見なかったのに」

サングレーザーの住居はレンガや木製やら多種多様な建物があった。


しかし、パーリクではそんなものはなく、ほぼ全ての建物が日干しレンガで出来ており、形も同じものだった。

「俺はここに住んでいるわけじゃないから詳しいことは知らないが、室温を低く保つためにああいう作りになってるらしい。確か……日干しレンガを使って壁を厚くしてとかだったな」


タイゲ自身も砂漠地方の出身ではないため詳しくまでは知らなかった。

ステラも今の話で理解出来ていないのか微妙な反応を見せる。

「ふーん…?」

ルークスはパーリクに着いてから一番気になっていた建築物に指をさす。

「あれはなんだ?明らかに変なもんが建ってるんだが…」


「ああ、あれは研究者達の住居だな」

「なんか物々しい雰囲気の家だな」

パーリクにある建物が日干しレンガで出来ているが、研究者の住居だけは別の何かで出来ていた。

そのおかげでやたらと目立つ……いや、浮いているように見える。

「普通、砂漠であんな建築物は見ない。ほら、あそこ見てみろよ」


タイゲが視線で入口の方を見る。

それに辿って見てみると玄関と思われる所に大量の星導光エーテルが設置されていた。

「凄い数の星導光エーテルね……全部、寒冷星導光コンゲラーエーテルなのかしら」

「やべぇだろ?ただでさえ星導光エーテルの数が減って困ってるやつが居るっていのに…アイツらは星導光エーテルの一つも寄越しもしやがらねえ

それに…」


タイゲは何かを言いかけたが、わざとらしく咳払いをする

「いや、今は関係ないな」

こちらに振り返り話しかける

「ちょっと待っててな。お前の探しているポーシャって奴の事を聞きに行ってくる」

そう言うとタイゲは住民達に聞き込みに歩いて行った。

「ああ、恩に着るぜ」

ルークス達はそばにあった日干しレンガで出来た椅子に座り込んだ。


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