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星の願い  作者: ミケ
第四章 砂漠に眠る秘宝と星の記憶
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108.プロローグ3

マースデン海峡に渡る連絡船から少女の鼻歌が聞こえていた。

「ふんふんふーん♪」

ステラは海の景色を楽しみながらが歩いていた。

船の探検をしている内に誰もいない空間に来ていた。

「………」


いや、一人だけいた。

そこには緑髪の質素な格好をした少女だけがいた。

少女はどんどん離れて小さくなっていくサングレーザーを見つめてボーっとしていた。

「ねえねえ。貴方一人?」

ステラが話しかけると少女はくるっと振り返り無言で見つめ直してきた。

その瞳は死んでいて生きている心地が無かった。


異様だと感じたのかステラは話し続ける。

「私とお話しない?」

「…………」

しかし、少女は黙ったまま見てくるだけ。

「むぅ……」

どうすれば少女が話してくれるのか悩んでいると、少女から何かを書く音がしてきた。


ツンツンとお腹あたりを小突かれた感覚がする。

「んにゅ?」

少女の方を見てみると少女は大きな紙をこちらに見せてきた。

そこには文字が書かれていた。

【わたしにようじがあるの?】


「用事は……無いけど…お話がしたいな〜て思っただけだよ。ダメ…だったかな」

しばらく考えているのか、じっと見つめる。

すると再び紙に書いてステラに見せる。

【いいよ】

少女から良いと示されて嬉しくなり質問をする。

「貴方の名前はなんていうの?」


【ない】

「ないって名前?」

【ちがう、なにもない】

「え、名前が無いの?」

少女のことをじーっと見る。

ルークス達と旅をしてきて名前の無い人と出会ったことがない


不思議に思ったステラは次の質問をする。

「じゃあ貴方はどこから来たの?」

【やま】

「山?森とかそういう所?」

小さく頷き紙を見せる。

【もういくね】

「あ」


足早に部屋へ向かおうとする少女に声を掛ける。

「私の名前はステラ。ステラ・バイナリーだよ!」

少女は階段を下って行った。

「…………」

少女の言った方向を見ていると、ミルキーの呆れた声が聞こえてきた。

「アンタ……こんな所にいたの?探したわよ」


「えへへ…」

ルークスも少し溜息をついて注意するように言う。

「歩き回るのはいいけど先に俺達に言ってからにしてくれよ」

「うん。次からそうするね」

「さ、部屋に戻ろうぜ」

マーフスティ大陸に着くまでもう少しの時間がかかる。

ルークス達は部屋で休みを取り暇をつぶすことにした。



     ★



時間が経ち連絡船から停泊を知らせる音声が流れてきた。

「お、着いたみたいだな。外に行ってみようぜ」

部屋から出て船から降りると、そこには砂原が広がっていた。

「うわぁ〜!すご〜い!」

ステラが子どものように走り出す。


子供だな…と思いつつもルークスも内面は初めて見る光景に好奇心と驚きを感じ取っていた。

「ここがファールバウティか?」

「んなわけないでしょ。ただの港よ」

小さな胸の前に腕を組む。

「ファールバウティに行くためには、港の近くにあるパーリクに行って、次にネブマクラ大砂漠を抜けて、その先にあるのが機巧都市ファールバウティよ」


想定以上に長い道のりにビックリする。

「……………ファールバウティはすぐそこじゃないのか?」

「ファールバウティはネブマクラ大砂漠の先にある都市よ。そこに行くためにはパーリクに行って準備する必要があるの」

「砂漠だし色んな準備をしねえといけねえしな」

大砂漠と言われるくらい規模の大きい砂漠なのだろう。準備をしっかりとしてから行くべきだ。


「そうだな。だがその前にお前たちにはやることがあるだろ?」

その声にいち早くステラが反応をする。

「むむむ!魔物をいじめる悪い人!」

「プルートだ。いい加減覚えろ」

「で、何のよう?無駄に体力を使いたくないんだけど」

ミルキーの問にプルートは手を前に出して要求する。

「分かってて言ってるだろ。スライムをこちらに渡せ」


分かりきったことだが、一応聞いてみる。

「断る…と言ったら?」

「力ずくで奪い取ることになる」

当然の回答にため息を付く。

「お前とやり合うために来たんじゃねえーっての」

「ルークス。ちょっとこっちに来なさい」

服の袖を引っ張って話しかけてきた。


「なんだよ」

ミルキーに近づいて相手に聞き取れないように話す。

「アイツをどうにかする良い考えが思いついたの」

「どういう作戦だ?」

「見ててなさい……」

すると、ミルキーは周りをチラチラと見ると、次に可愛らしく大きな声を出す。


「きゃー!誰かー!たすけてー!!あの人がわたしを奴隷にしようとしてるのー!」

彼女の口ぶりに思わず動揺をする。

「なっ!?」

ざわざわと周りの人達が集まって来た。

そのなかでも正義感の強そうな人が声をあげる

「そんな事をしようとするやつはどこのどいつだ!」


集まって来た野次馬にミルキーがプルートに向けて指をさす。

「アイツよ!」

「は?ま、まて、誤解だ!」

「おまえ…なんか悪そうな奴だな…!」

助けに来た男がプルートににらみ据えて構える。

次々と人が集まってきて収集がつかなくなってきている。


「まてまて落ち着け!あのエルフは嘘を付いている!」

少し焦った感じに指をさし返す。

「ひっくひっく……!」

だが、彼女は両手で顔を覆い泣いていた。

「彼女が嘘をつくやつじゃないだろ!怖がっているのがわからないのか!!」

(こ、コイツ…!)

プルートには分かる……コイツは嘘泣きをしていると…!


不意に足元から炎の纏ったデコイが現れた。

「ん?」

集まって来た人達が不思議に感じているとソレは小さな爆発を起こした。

「うわああ!!」

「な、なんだ?!魔物か?!」


爆風の影響で辺りは土煙が舞った。

その場にいた人達も何が起きたのか理解が出来ず混乱に陥っていた。

「今のうちに逃げるわよ!」

ミルキーが先頭に砂漠の方へと走り出す。

「お、おう!」

「逃げろ〜!」

続けてルークスとステラの二人も彼女について行く。


「ああくそ!待ちやがれ!」

プルートも港から離れる彼らを追うとするが、何者かに腕を掴まれる。

「逃さんぞ!」

ミルキーを助けに来たと思われる男がプルートの妨害をする。

「だから違うと言ってるだろ!」

少しキレつつも何とか対処しようとするが、すでにルークス達は港から離れて砂漠に行ってしまった。



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