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婚約破棄されました。  作者: まるねこ
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プロローグ

宜しくお願いします。

「ルナは可愛いし、頭も良くて淑女教育も問題なくこなしている。だが、僕はシャロンを一目見た時に雷に打たれた。僕の前に現れたミューズ!これが真実の愛だと。シャロンはルナにはない魅力があり僕は君の虜だ。ルナには悪いが、シャロンだけを愛していきたい。婚約を破棄する」


私の婚約者ウィル様はシャロン・ヒル男爵令嬢の肩を抱きながら高らかに宣言した。シャロン嬢はウィル様の言葉にふふふと勝ち誇ったような笑みを浮かべ、見下すような視線を私に向けている。私は突然の出来事にどうしていいやら分からず動けないでいたが、なんとか言葉を口にする。


「えっと、ウィル様。今日の、この場で仰る事でしょうか?」


周りを見渡すと父と母、兄もいる。そして彼の家族や他家の方々も。私を含めた皆様は先程のウィル様の宣言に唖然としています。


会場中の会話が止み2人の言葉を聞き漏らさぬように静まり返る。周囲の視線を浴びて高揚する2人とは対照的に居た堪れない私。どうしていいかわかりませんわ。


あら、紹介が遅れましたわ。私、ルナ・ブラウン。歳は本日14歳となったところですわ。

家族は父ラスク・ブラウン公爵と母オリヴィエ、そして3つ上の兄、アーロの4人家族。


 本日、私の14歳の誕生日のお祝いと、婚約発表を兼ねたパーティーの場でそれは起こりました。


 今日お披露目する予定だった婚約者のウィル・モリス伯爵子息は私の3つ上の17歳。3年前にモリス伯爵と、うちの父との間で婚約を決めていました。


そして私の14 歳の誕生日を以て、皆様への発表だったのです。


「ウィル、お前は分かっているのか!?今日がどれほど重要な日か。我が家に恥をかかせおって!ブラウン公爵にも謝れ」


モリス伯爵は顔を真っ赤にして怒っています。伯爵夫人は白い顔になり、今にも倒れそうだわ。ウィル様の弟、ライナ様も青い顔でひたすら周りに謝っています。


そんな中、シャロン・ヒル男爵令嬢はウィル様に肩を抱かれながら私に話し始める。


「貴方みたいな子供にウィルは興味ないのよ。ウィルは私の魅力的な身体がお気に入りなのですって。ウィルはベッドの中でも優しいのよ?知らないでしょう?ふふっ」


そう言うと、ウィル様の腕から抜け出し、モリス伯爵の前に立つ。


「モリス伯爵様、いえ、お義父さま。私はウィル様と結婚致します。これからは私が伯爵夫人としてこのモリス伯爵領を盛り上げていきますわ!皆様も私とウィル様を温かく見守って下さいませ」


どうやら二人は随分と自分達の世界に酔っていらっしゃる様子。全く周りの事を気にしていないし、見えていないようです。


「それにしても、ウィル。こんな子にウィルとの結婚する夢を与えちゃってウィルは罪な人ね。あーあ。私、同情しちゃうわ」


「シャロン、そんな事言うなよ。夢は必要だろ?子どもと恋人ごっこをするのは面倒だったが、家のために我慢して俺だって辛かったんだよ」


2人は私を見ながらクスクスと笑い始めた。



「そ、そんな…」



2人の言葉に、態度に私の心は悲鳴を上げ私の視界はブラックアウトしてしまいました。

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