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作者: 璃依



ぴくんぴくんと

ゆれる耳

座布団に眠る

猫一匹のとなり

うす暗い部屋に

わたしは座る


線香のにおい

誰も座らなくなった椅子が

そっと

口を閉ざしていた


風がびゅうと窓を揺らす

天気予報は

台風が来ると

言っていたから

明日は雨になるだろう


外に出たことが

一回しかない猫には

全身を叩く雨の激しさは

わからないだろう

散歩したことのない猫は

照りつける日の

焼けた地面の感触を

知ることはないだろう


それなら

何を聞いて

何を見て

何を感じて

何を知って

生きているのだろう


閉ざされた

ちいさなちいさな

箱の中で

どう思っているのだろう


夢の中で

何を見るのだろう

食事をしているのか

それとも

わたしたちの

想像もつかないような世界を

旅しているのだろうか



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― 新着の感想 ―
[一言] 猫は、ほんとうにときどき哲学者のような感じを受けることがありますよね。彼らの想像ではどこへでも行けているから、家という小さな箱の中でも生きていけるのかもしれません。
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