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科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
四.ヴェルドーアの過去編
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01.プロローグ


  ヒューマン・キャッスル……

 この世界で唯一、純粋な人間が生活する場所。

 ドーア火山からは数百キロは離れている。


  ヒューマン・キャッスルは1000年前に作られたドーム型の人工衛星。

 当時の科学技術の全てを駆使し、永久的に宇宙で生活可能となるよう設計されている。


  その開発には長い年月を要した。

 失敗を繰り返し、なかなか成功することはなかった。

 原因の一つはその動力源。1万人以上が生活できるエネルギーの開発だ。

 また宇宙での生活に耐えられる程の人間の強化も必要となった。


  ある時、一人の科学者が遺伝子による人間の細胞の変換能力を発見する。

 あらゆる生物の遺伝子で実験は行われた。

 その力は絶大で、過酷な環境下でも生存できる耐久性、

 生きて行くためにあらゆる敵を撃退する破壊力、

 普通の人間より長い寿命、

 不思議な特殊能力付与など、強化が繰り返される。

 各生物の遺伝子を凝縮した9つの遺伝子が完成しようとしていた。

 その時、突然変異した異質な遺伝子がもう一つ発見される。

 星のエネルギーを吸収・放出する謎の遺伝子。

 膨大なエネルギーを生み出すその遺伝子は危険すぎた。

 科学者は10番目の遺伝子の名前をリストから消し、極秘事項とした。

 それら10個の遺伝子を『オリジナル・ジェネシス』と名付ける。

 強力すぎる遺伝子を多くの人間が手にするには危険すぎると考え、

 遺伝を1度のみにし、遺伝後に元の者の能力を衰退させるよう遺伝子情報を書き換えた。


  ヒューマン・キャッスルを開発していた科学者たちは、

 この遺伝子の力を利用する事を画策する。

 

  遺伝子を開発していた科学者から10個のオリジナル・ジェネシスの遺伝子を奪い、

 選ばれた人間に移植された。

 その人間たちの力でヒューマン・キャッスルを運営させようとした。


  しかし10番目のオリジナル・ジェネシスの力は強大で制御できず暴走し、

 星の至るところは破壊されて人間は滅亡の危機を迎えた。

 

  星を救うべく9人のオリジナル・ジェネシスたちは力を結集し、

 暴走を抑える事に成功した。

 残った人間はヒューマン・キャッスルに乗り込み、

 過酷な環境となった星から宇宙へ脱出する。

 5人のオリジナル・ジェネシスは人間を救う為、

 10番目を監視・保護する為、共に宇宙に……

 それ以外の4人は星を救う為、地上に残った。

 地上にはシェルターに隠れていた人間もわずかに残っていたが……


 10番目の遺伝子は継承した人間の中に封じ込められて、

 ヒューマン・キャッスルの動力源としてエネルギーの供給に利用される事となった。


 そのヒューマン・キャッスルが20年前に星に落下してきたのだ。



 ◇ ◇ ◇



 玉座に横たわるヴェルドーアの記憶はもうすべて戻っていた。

 今まで忘れていた20年前の出来事が色鮮やかに蘇る。


 宇宙から落ちてきたヒューマン・キャッスル。

 世界で最初に乗り込んで行ったあの日。

 

「あの瞬間から全てが始まった……」


 初めて見た人間の世界。

 異様な建築物。

 そして、運命の出会い……


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