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科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
三.ドーア城攻略編
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13.ドーア城で捕虜生活


「う……う~ん……」


 ここは……どこだ!?

 暗い……誰かの部屋?

 硬いベッドの上に寝かされている。

 何処なんだここは?


「ダハハ、気がついたかい?」


「お前は! ゾルタクス!」


 そうだ、俺はこいつと力勝負をして……

 気を失ってしまったのか!


「俺をどうするんだ!?」


「ダハハ、ここはドーア城の俺の部屋だ。

 何もしねぇよ。

 参謀殿に俺の部屋に捕虜を閉じ込めておけと言われてね。

 しばらくここにいてもらうぜ」


 ドーア城? 捕虜?

 俺は捕まってしまっている?


「ダハ、さっきの戦い、お前の最後の執念……

 凄かったぜ! 俺もなかなかの傷を受けた。

 強いじゃないか、お前!」


 強い? 俺が?

 先にやられてしまったじゃないか……


「生き残ったじゃないか。

 それは強いからだぜ。

 生への執念。それに俺は感動したぜ。

 お前の名前はなんて言うんだ?」


「俺は……リクト……

 ライザー・イエローのリクトだ!」


「リクトか! そう呼ばせてもらうぜ。

 俺の事はゾルと呼べばいい」


「おい、俺は捕虜だ。そんな対等な呼び方でいいのか?」


「何か問題あるか?

 ライザー何とかなんて長い名前、言いたくないね」


 ……あまり面倒くさい事は嫌いらしい……でも……

 こいつの強さは本物……俺が目指していたものだ……

 正々堂々で何者にも臆さない鉄のハート、

 鍛え抜いた筋肉、そして肉体変換能力(ライズ)の実力……

 これこそ俺が求めていた強さ!

 俺は……こいつに惚れた!


「ゾ、ゾル! 俺は……」


「あ? 何だ?」


「お前に惚れた!

 俺の師匠になって欲しい!

 教えを受けたいんだ」


「は……?」


 意外に驚いて固まっている……

 こんな一面もあるのか?


「何!? 俺に教えて欲しい?

 まさか! 俺は敵だぞ?」


「もう敵とか味方とか関係ない!

 俺は強さを追い求めている。

 どうか……教えて欲しい……

 そばにいてあなたに教えを受けたい……」


 土下座をして頭を下げる。

 このような事は今までしたいとも思わなかった。


「リクト……俺もお前の事、嫌いじゃねぇぞ。

 それに一緒に体を鍛えるヤツがいた方が楽しいかもな!

 別に全然いいぜ!」


 ……か、軽い。

 あっさりした性格。

 でも、わかってもらえてよかった。


「でも、お前の仲間が助けに来るんじゃないか?

 俺は戦えるからどうでもいいけど……

 お前は仲間と戦わないといけなくなるぜ?」


「俺はゾルと一緒にいるって言うよ!

 俺の事はほっといてもらう!」


「ダハ! そううまく行くかね……」



 ◇ ◇ ◇



「お姉様……」


「……誰? 私を呼ぶのは」


 背中が痛いわ。

 硬い所に寝かされているよう……


「あ……ここは?」


 石のベッドの上にいる。

 上体を起こして回りを確認する。

 あたりは煌々とランプの明かりが灯されていて明るい……

 どこかの部屋の中だ。


「にょ! やっと起きたー!」


「きゃっ! あなたは……」


 枕元に頬杖をついて私を見ているカレンシアがいる!

 ずっと起きるまで見てたの?


「お姉様、怪我してたから参謀に治療してもらったの!

 お体の具合どうにょ?」


 首や肩をグルグル回してみる。


「ああ! 凄い快調! どこも痛くないわ。

 有り難う!

 ところで何お姉様って!?」


「にょ! 私、お姉様が欲しかったの……

 ずっとずっと一人だったから一緒にいてくれる優しい人が……」


「私!?」


「うん! 戦いの中でわかったの。

 とっても優しい人! 私の事、本当にわかってくれる人!

 出会った時から何か運命のように感じてた……

 きっと、この人が私のお姉さんになる人だって!」


 ええ~! カレンシアの方からそう言ってくれるなんて!!

 感激で涙が出そう!


「私もあなたを見た瞬間に全細胞がビビって来たの!

 一目で好きになっちゃった!

 体の底から可愛いと思ったの。

 この子こそ私が一緒にいるべき子なんだって!

 だから……私、あなたのお姉さんになる!」


「ああ……お姉様」


 カレンシアが私の胸に飛び込んできた。


「カレン……寂しかった……100年以上も独りぼっち……

 誰かを探してた……あなたが現れる事を願ってた……」


 ボロボロ……


 な、涙!

 泣いてる!

 100年も独りぼっちなんて可愛いそう……


「よしよし、お姉さんがずっとずっーと一緒だからね。

 毎晩抱いて寝てあげる……」


「お姉様!」


 石のベッドの上で抱き合う二人……


「……ん? 100年?

 あなた何歳?」


「110歳くらいかな?」


「私より遙かにお姉さんじゃない!

 いや、お姉さんどころか、おば……

 い、いや、でもいいわ! 可愛ければ!」


「お姉様も私の事、『カレン』って呼んでね」


「はいはい、わかったわ。

 カレン……」


「にょにょ! いい! とてもいいの~」


 凄く感激している!

 なんて幸せ!

 カレンの頬をナデナデする。


「可愛いほっぺね……チュッ!」


 頬にキスをする。


「にょ! 嬉しい!」


 このままここでずっと一緒にいてもいい!

 ……でも、何か忘れているような……


「あ、隊長! アルノも待ってる事、すっかり忘れてた!」


 ベッドから飛び起きて叫ぶ。


「アルノって、姫様の事?

 やっぱりお外にいるのね? 私の薔薇に火を付けた人いた……」


「カレンとずっと一緒にいたい……

 けれど仲間も外で待っている……どうしたら……」


「お姉様は外に行くことはダメ!

 参謀にお姉様をこの私の部屋に閉じ込めておいてって言われたの。

 お姉様は捕虜、私は見張りって事。これお仕事なの、ごめんなさい~」


 そうか、ここはドーア城の中でカレンの居室。

 私はそこに捕まっているって事ね。


「姫様と戦いたくないから徐々に敵の戦力を奪って行く作戦だって。

 お姉様ともう1人も捕まえて、前の2人と合わせて4人にょ!」


「やっぱり、ヒショウ君とミミちゃんもここにいるのね。

 それにリクトまで捕まっているの……」


「そう! お外にいるのは姫様と赤いスーツの2人だけ……

 こっちは将軍4人に捕虜4人、もう勝負あったにょ」


 これは外に脱出するのは絶望的ね。

 仲間に会ってこれからどうするか相談できないか……


「ねぇ、カレン。私の仲間の捕虜に会えないかしら。

 元気かどうか確かめておきたいの」


「すごく元気にょ。

 参謀が皆、体力を回復させて食事もかかさず与えているにょ。

 お姉様がお会いになりたいのであれば……

 これから将軍同士の会議だから……そこで聞いてみるにょ」


「お願い……一目でも会わせて」


「じゃあ、行ってくるにょ。

 お部屋は鍵をかけるね。待ってて……」



 ◇ ◇ ◇



 ドーア城の大広間。

 4人の将軍たちは自分たちの部屋から大広間にやって来た。


「にょにょ……」


「ダッハッハ!」


「ふん……」


「……皆さん、ご機嫌がいいようですね。

 表情がとても良いように感じます……」


 戦いの最中だが各将軍の顔色はいい。

 少し笑顔になっているようにも感じる。


「ダハハ、参謀殿もな!

 顔色は白いから表情がいいのかわからんが、

 機嫌よさそうだな!」


「……いつも通りですよ」


「参謀やレオンの気持ちがわかったような気がするよ。

 イシュライザーってヤツは俺たち将軍と同じオリジナル・ジェネシスの継承者だ。

 細胞と細胞が共鳴しあうと言うか、相性の良さを感じるんだよな!」


「カレンもマリカお姉様を見た時からビビっと感じたにょ!

 姫様や参謀、レオンが一緒にいたがる気持ちわかった」


 各将軍は捕虜を隠すつもりで自室に閉じ込めているが、

 一緒に住んでいると同じだ……

 それが何故か皆一緒にいられる嬉しさを感じている。


「……イシュライザーか」


 デスリッチはイイノが言っていた事を思い出す。

 イシュライザーは10名の隊員を目指していると言っていた。

 言われた時は全く気にしなかったが……

 それにヒューマン・キャッスルでは男女完全平等法と言う謎の決まり(ルール)がある。

 もしかしたら相性のいい人同士をペアにする為なのだろうか……


「にょ! 参謀! 相談があるにょ!」


「……どうぞ」


「マリカお姉様がご自分の仲間の捕虜に会いたいって言ってました!

 会わせてあげたいにょ」


 心情的に会わせてあげたいが……

 仲間同士で何か合図があって行動を開始する為かもしれない。

 相手はイイノ、油断してはならない。


「……会わせるのは、まだ外の姫様やタツオさんを捕まえてから……

 決着がつけばいくらでもお会いさせていいです。

 きっとタツオさんは仲間たちを何とか取り戻そうとするはずです。

 だから、今から防衛の準備に入ります」


「ダハハ、最後の詰めだな。

 戦いはとどめが肝心だ!」


「……ゾル将軍とカレン将軍は城の入口で迎撃態勢を取って下さい。

 私とレオン将軍は大広間で玉座への通路を守りましょう」


「わかったぜ」


「了解にょ!」


 デスリッチは相手の出方を読んで作戦を再開した。


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