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科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
三.ドーア城攻略編
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05.ドーア城で同棲生活


 将軍たちの会議は夜まで続き、カレンシア将軍が眠ってしまったのでお開きになったが、

 横で見ていた俺は疲労困憊。

 それに気づいたデスリッチさんに心配され、俺は彼女の部屋に案内された。



 ◇ ◇ ◇



 デスリッチさんのきっちりした性格から、とても綺麗な部屋を想像していたが……


「うわぁ、何ですか? このガラクタは!!」


「……ヒショウさん、何を言うんです。

 ガラクタではありません。

 宝の山です!」


 壊れた機械や古い壺、割れている鏡……

 ガラクタが山のように……

 どこが宝か普通の人にはわからない……


「……ここに案内したのは宝を見せるためではありません。

 いずれイシュライザーたちがあなたを探し来るでしょう」


「隊長たちがここまで?

 こんな遠くまで来ますかね?」


「……私にはここにある機械などが宝ですが、

 キャッスル・ブレインは科学技術こそが宝です。

 価値と言うのは人それぞれ違うのです。

 科学技術の究極である『オリジナル・ジェネシス』の遺伝子こそが

 キャッスル・ブレインの宝中の宝。

 あなたやミミさんを取り戻したいと思うに違いありません」


 自分が宝? 結構雑に扱われていたが……


「……まぁ、あなた自身ではなく、あなたに継承されている遺伝子が大事なんだと思います」


「オリジナル・ジェネシスの遺伝子なら、あなたがた将軍も持っているではないですか」


「……ええ。最終的には私たちを倒して全ての遺伝子を取り戻すつもりでしょう。

 でも、まずあなたとミミさんだけでも取り戻しに来ると予想しております」


 そういえばヒューマン・キャッスルでのイシュライザーの生活環境は、

 他の人間とは違ってとても優遇されていた。

 キャッスル・ブレインが特別扱いしているのは何となくわかる。


「隊長たちが来る事はわかりました。

 でも、デスリッチさんが僕をここに連れてきた事と何か関係があるんですか?」


 今まで理路整然としていたデスリッチさんが、

 モジモジしながらモゴモゴしながら言う。

 何となく可愛い!


「……あ、あの……

 私……あなたを、連れて行かれたくない。

 ……だから、この部屋で(かくま)いたいと思っているの……」


「え!! つまり……

 この部屋で……一緒に……住むー!?」


 すむー

 すむー

 思わず出た叫び声が部屋の外まで響き渡った。


「……恥ずかしいから……はっきり言わないで」


「確か、隊長とドラゴンの将軍も一緒に住んでいたと言う……

 それと同じ!!

 う、うわぁぁぁぁーーー!」


 もの凄い興奮し、さらに絶叫した。

 何という神展開!!


「……私たち、いつ消えてしまうかわからないし、

 時間がないでしょ?

 だから少しでも一緒にいれれば……」


「またそんな死ぬ事ばっかり……

 ずっと生きて行くと言う希望を持ちましょうよ!

 必ず生きて行く方法を探しましょう」


「……ごめんなさい。

 ずっと幽霊をやっているから……消える事ばかり考えてしまいます……

 姫様にもあきらめずに生きる事を考えるよう言われた事がありましたし……

 私って駄目ですね……」


 今までのデスリッチさんとはちょっと変わってきている。

 (かたく)なで氷のようだった心が溶けてきているとわかる。


「でも、デスリッチさんが一緒に居て欲しいと言ってくれて嬉しいです!」


 デスリッチさんの頬が微かに赤くなっているように感じた。


「……私も姫様の影響を受けているようですね。

 そのような事、言ってしまうなんて……」


 バラッ バラッ

 照れを隠す為、機械を分解しまくっている……


「……あ、あなたの寝るところを作らないと。

 私は寝ないけど……」


「そんな鉄で作るの?」


「……つ、つい……くせで機械いじっちゃうの……」


 慌ててガラクタの山から一枚の布を探し出して床に丁寧に敷いてくれた。

 薄くて古い布だが寝るだけなら申し分ない。


「……とりあえずだけど……ここに寝てね。

 あと、私が一緒にいる時以外は部屋から外に出ないで。

 ここにいればもしイシュライザーたちに潜入されても気づかれにくいでしょう。

 姫様も、まさかあなたが私の部屋にいるとは思わないでしょうから……」


「有り難うございます。

 デスリッチさんの言う通りします。

 あ~あ、疲れました……早速寝ていいですか?」


「……どうぞ。床の上でごめんなさい。

 もっといいベッドをいずれ開発するので……」


 デスリッチさんの作るベッドは何となく想像できる。

 やっぱり鉄と機械で作るのだろう。

 今から硬さと痛みに慣れておかないと……


 心を込めて敷いてくれた布の上に横になり、腕を枕代わりする。


 う~ん……


 ……寝ようとするが、デスリッチさんが頭の横に立って、

 じっと見ているからなんとなく怖い……


「さすが、幽霊ですね。

 枕元に立っているとちょっと怖い……」


「……私、ちっとも眠くならないから、こうしてるしかないの。

 どうしましょう……そうだ……」


 デスリッチさんが自分の横にピッタリと寝た!


「……一緒に横になれば怖くないでしょ?」


「うわぁぁぁ、これは神! 神対応! 死神だけに……」


「……な、何ですか?」


「いや、何でも……女性の美しい顔が俺のすぐ横にあると思うと……」


 ひー、デスリッチさんの顔が自分の肩に乗っている!!

 綺麗な瞳と真っ白い顔がたまらない。


「うわぁぁぁ!

 もっと、寝られないよ!」


「……まだ、寝られないのですか?

 こんなに汗かいて……

 少し冷やして差し上げましょうか……」


 デスリッチは唇を尖らせて、ささやくように言う。


「……コールド・ブレス」


 ゴォォォォォォ


「ぎゃああああああああ!」


 か、顔が! 雪に埋まって行く!

 びっしりと雪と氷に覆われて、とてもよく冷やしてくれた。

 顔が雪だるまになるまで続けてくれた……


「本当の意味で、し、死ぬーーー!」


「……ごめんなさい。軽く吹いただけなんですけれど寒すぎた?」


 やりすぎた事をひどく反省している。


「い、いや、だ、大丈夫です」


「……こういう事、全然慣れてなくて……

 勉強しますから……許して下さいね」


「ははは、俺も慣れます……」


 デスリッチさんは申し訳なさそうに両脚を実体化した。


「……これぐらいしか、できないけど……」


 正座して頭を膝に乗せてくれた。


「この体勢は、またしても『膝枕(ひざまくら)』!

 うわぁぁ!」


 ずっとこのままでいい!

 眠れなくても嬉しい。

 敵中にいるが、例えようのない幸せをとても感じている。

 イシュライザーたちよ、来ないでくれ。

 俺はこのままでいい。


「……ヒショウさん、私がいい夢を見させてあげます……」


「えっ!」


 あー! いろいろな行為を想像してしまう。

 あんな、こんな……


 デスリッチさんは耳元まで顔を近づけると、優しく(ささや)いた。


「……デス・スリープ」


 ゴォォォォォォ


「ぎゃああああああああ!!」


 頭がぼんやりして、強烈な眠気に襲われた!


「……ちょ……ま……これから……いいところ……」


 必死に眠気に抗った……

 寝ないぞ!

 寝ない!

 寝な!

 寝……


「グゴー、グゴー……」


 大きな鼾を立てながら……とてもいい夢を見ることができた。


「……まあ、幸せそうな寝顔ですね。

 そのような顔を見られて嬉しいです。

 朝までこうしていてあげます。

 ……おやすみなさい……」


 デスリッチさんは俺の顔を撫でながら微笑んだ……



 二人の夜は幸せそうに? 更けていった。


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