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科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
二.キャッスル防衛編
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23.エピローグ~第二章・終


「ヤマタケくーん、先日の敵襲の件を報告してくださーい」


 中央管理塔(タワー)最上階にある会議室では各エリアのトップが集まり協議会を開催していた。


「はーい!」


 元気よく席を立つヤマタケ。

 出席者たちはそれをジロっと見つめる。


「えー先日、再び敵の夜襲がありました。

 敵は亡霊(ゴースト)の軍勢を居住エリアへ侵入させ、住民を襲撃。

 騒動を起こしてるスキに将軍2体がそれぞれ別のルートで中央管理塔を狙って攻め込んで来ました。

 それに対し、我が特別防衛隊イシュライザーは三部隊に分かれ迎撃。

 見事、将軍と亡霊たちを撃破し敵を撤退に追い込みました! 以上」


 ニンマリしながら席に座った。


「ヤマタケよー。大事な所を報告してないぞ」


「そうそう」


 何を言っているかわからない。

 役目通り、襲撃して来た敵は撃退したはずだ。


 変わってイイノが立ち上がって答える。


「少し補足致します。

 今回、初めてヒューマン・キャッスルへの侵入を許してしまいました。

 そのせいで住民の皆様に多大なご迷惑をおかけしました。

 それと隊員2名が敵に捕らえられてしまいました。

 今後、イシュライザーは戦力ダウンが必至でこれについても真摯に対応してまいります」


「おい、ヤマタケ。

 敵を撃退したのもイイノが『キャッスル・ブレイン』に助けを求めたからだと言う話だぞ」


「いいところだけ報告しないでね。ヤマタケ君」


 と言う事は……


「はーい! ヤマタケくーん!

 給料3ヶ月全額カット! ちゃりーん」


「えーーーーー!!」



 ◇ ◇ ◇



「……集まりましたね」


 ドーア火山の大広間には将軍たちが勢揃いしていた。


 デスリッチ、レオンダルム、ゾルタクス、カレンシア……

 4名の将軍……プラス、


「お、俺はイシュライザー・ブラックの『ヒショウ』!

 デスリッチさんの為に命を賭けます!

 よ、宜しく……」


 デスリッチの看病もあり、すっかり元気になったヒショウ。


「ダハハ、お前この前まで敵だったんだろう?

 我々の陣営にいていいのかよ?」



「まぁ、捕虜の意味合いもありますし、敵対する意思はないようですので」


 レオンダルムも傷が治り、今は城内の雑務をこなしている。


「ダッハ! レオン! お前が抱いているヤツは誰なんだよ?」


 首にしがみついているピンク色のスーツを着た女性を指さす。


「……」


「はい! イシュライザー・ピンクの『ミミ』と言います。

 レオン様の為に、私もこの身を捧げます。

 何なりとおっしゃって下さい……」


 ミミはレオンダルムの腕の中がすっかり居場所になってしまった。


「ダハ、こいつも捕虜と言う事でいいんだな?」


「閉じ込める必要がないので捕虜と呼べるかはわかりませんが……」


「ピンク! なんでお前もここにいるんだよ!?

 ヒューマン・キャッスルでは今頃いなくなったと言って大騒ぎになっているはずだ。

 早く帰れよ!」


「ブラック! そう言ってるあなたも同じじゃない?

 私、任務よりレオン様の事の方が大事になってしまいました。

 ここで一生、レオン様の奴隷になります」


「な、何だよ、奴隷って」


「にょにょ……どれいって何?」


「…………カレン将軍。気にしないで下さい。

 とにかく……この間、敵に通信機を利用されて内部から攻められてしまったので、

 通信機の電源を切って城のまわりに妨害電波を流しておりまして転送が不可になっています。

 敵が転送装置を使って攻めてくる事はできなくなっておりますが……

 きっと敵は別の方法で捕虜たちを取り戻そうとするに違いありません」


「何だって? 今度は敵が攻め込んで来ると言う事か?」


 将軍たちは顔を見合わした。


「……今度はこちらが防衛側になるという事です。

 敵は10体の『オリジナル・ジェネシスの遺伝子』を

 全て取り戻したいと考えているでしょう。

 ……ヒショウさんやミミさんはもちろん、

 最終的には私たち将軍全員を捕らえるつもりです。

 その目的の為にイイノさんが予想もしない作戦を実行して来る……

 ここにいる全ての将軍の力で防衛しましょう」


「ダハハ、やっと俺の出番か!

 でも、そうすると姫様が攻めて来ると言うことか?」


「……姫様も目的を持たれたのでご自分の城であっても攻め込んで来ますね。

 戦いになると容赦ない性格ですから……

 防衛戦の際は注意しておかなければならないでしょう」


 アルノドーアの行動も要注意だが、

 脅威になるのはあの銀色の戦士だと直感していた。


「……正式なイシュライザーでないかもしれませんが『ライザー・シルバー』と言う、

 銀色の戦士がいました。

 おかしな動きをする戦士で恐ろしい『光』の攻撃を放ってきます」


「参謀殿、それはもしや例の『オリジナル・ジェネシス』でしょうか?」


「……おそらく、そうです。

 しかし、何か違和感もありました。

 機械的な何か……ロボットのようなものを遠隔操作して動かしているのでは……

 私の肉体変換能力(ライズ)が全く効果がなかったのでまず間違いありません。

 『10番目のオリジナル・ジェネシス』は別にいて、

 その者のパワーを蓄積させて代理で戦っているんだと予想しています。

 何かの原因で自ら戦えないのでは……

 ライザー・シルバーを操っている者こそが本当の敵……

 膨大なエネルギーを放出するライザー・シルバーの弱点は、

 あまり長く戦えない事でしょう。

 その為、ここまで遠征して来ないと想定しておりますが

 こちらも遭遇したら要注意です」


「最悪の敵、まで現れるとは……

 至極困難な戦いとなって来ましたな」


「……我が陣営でイシュライザーたちを相手に戦えるのはここにいる将軍4名。

 この城と2名の捕虜の為……

 全員で力を合わせ守り抜きましょう」



 ◇ ◇ ◇



「イシュライザー集合致しました!」


 ヒューマン・キャッスルの科学技術庁、ミーティング・ルームには

 特別防衛隊員4名が集まっていた。


「皆さん、ご苦労様。

 では各自、席に着いて下さい」


 イイノ副司令が壇上に立った。


「はい!」「はっ!」「はーい」「……」


「今日は新しく入隊しましたメンバーをご紹介致します」


 司令官デスクに突っ伏し、『給料無し通達』を受けて半失神状態のヤマタケを無視して進行される。


 扉を開けて入ってきた白い訓練用のスーツのアルノドーアが檀上に上がった。


「ライザー・ホワイトに任命されたアルノドーアさんです。

 皆さん、宜しくね」


「わしがライザー・ホワイト『アルノドーア』じゃ。

 皆の者、宜しく頼む!」


 畏まることなく胸を張って挨拶する。


「あ……この人! 確か、敵の『将軍』でしたよね!?

 私の右腕をスッパリと斬り落とした……」


「こ、こいつ! もの凄い強さで俺をボコボコにしたヤツ!!」


 以前の戦いでやられたマリカとリクトはよく覚えていた。

 その時の記憶が蘇り青ざめる。


「警戒しないで。私がスカウトしたの。

 今は味方なんだから怒らないで!

 キャッスル・ブレインの許可もあるのよ」


 イイノが説明しても二人は恐怖が止まらない。


「う……何でだよ。よく許可が下りたな」


「隊長をさらう為にこちら側へ来たの?」


「アルノはそんな凶暴な怪物じゃないよ。

 普段は普通の人間だよ。

 見境なく襲いかからないから怖がらなくていい」


 タツオが安心するよう言うがまだ信じていない。


「わしは戦いは好きではないんじゃ!

 怖がらないでくれ。

 ……ある人を助ける為にここに来た。

 その為にここを防衛したいと思っている。

 今はお前たちの味方じゃ!

 わしの事は『アルノ』と呼んでくれ」


 アルノドーアが無邪気な微笑みを見せると少し恐怖がなくなった気がした。

 太陽の光のような性格の明るさを感じた。


「お前たちは何という名前じゃ?」


「……ライザー・ブルーのマリカよ」


「ライザー・イエロ-、リクトだ!!」


「そうか、それではわしもお前たちを『マリカ』、『リクト』と呼ぶ事にする!」


 尊大だが爽やかな雰囲気に二人は好感を持った。


「……そうね。キャッスル・ブレインと副司令が認めているのだから、

 そんなに警戒しないでいいのよね」


「アハハ、考えてみればドラゴンの能力者だし、戦力大幅アップだな」


 ようやく仲間として認める二人……

 そこでマリカが親しげに話しかける。


「そういえば『アルノ』は何処に住むの?

 特別防衛隊ならここ科学技術庁の庁舎よね?

 やっぱり隊長と同じ部屋で住むの?」


 気になる事はマリカが一番に聞く。


「……わしは、そうしたいのじゃが……」


 アルノドーアは少し赤くなりモジモジする。

 イイノの方をちらっと見た。


「許可してあげたいけれど、戦いが決着するまでは、

 二人とも別々の部屋よ。

 それと夜中に会っては駄目!」


「え?……何で!?

 う~む、まだ戦いの最中と言う事か?

 仕方ない……タツオ、すぐに決着をつけるぞ」


 何故、夜中に会ってはいけないか深い意味がわからなかったが、

 イイノに言われたので仕方なく了承する。



「ブラックとピンクが敵に捕らわれてしまった為、

 イシュライザーはここにいるメンバーだけになりました」


 今いるイシュライザーはレッド、ブルー、イエロー、そしてホワイトのたった4名だ。

 圧倒的戦力のホワイトが加わったが人数的に緊急時の対応が間に合わない。

 それにブラックとピンク以外は斥候や諜報活動に向いていない。


「この二人を取り戻すため、こちらから敵の本拠地に乗り込もうと考えています」


「防衛ではなく侵攻するのですか?」


 イシュライザーは今まで遠く外に出ての戦いはない。

 

「敵の将軍たちを倒せとまでは言いませんが人質を奪回して帰ってくるのです。

 ちょうど良い事にアルノドーアさんがいるので本拠地の場所もわかります」


「わしの城に行くのじゃな?

 案内なら任せてくれ」


「アルノ? いいのか、君の家族もいるんだろ?」


「戦いに行くんじゃないからな。

 わかってくれると思う」


 あまり深く考えていないアルノドーアにタツオは不安を感じる。


「僕の指示に従ってくれよ。

 すぐに飛び出さないように!」


「わかっている。大人しくしているぞ」


 気絶しているヤマタケを無視してイイノが号令を下す!


「隊員は遠征の準備を行って下さい。

 目標は敵の本拠地、『ドーア火山』です!」


「はっ!」


ご覧頂き有り難うございました!

第三章に続きます。

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