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科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
二.キャッスル防衛編
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18.デスリッチvsアルノドーア2


 再び、荒野の真ん中で向かい合うデスリッチとアルノドーア。


「……まだまだ、やる気ですね。

 では、私から行きますよ。

 ……

 ゴースト・オルタネート!」


 コンマ1秒のうちに瞬間移動を繰り返す。

 無数の残像が残る……

 まるで分身だ。デスリッチが何体にも目に映る。


「むむ! 分身の術か」


 息つく間もなく、一斉にアルノドーアに襲いかかった!

 どれが本体か判別できない。



「……サラマンダー・テイルじゃ!」


 一瞬のうちに腰部分を『火龍の尻尾』へ変化させて身体を回転。

 火炎に包まれた尻尾がデスリッチの集団を迎撃する。


 ブォーン!


 分身たちを一網打尽にすべく横からスイングして狙ったが、すべて通り抜けて空振る。

 バランスを崩したアルノドーア目がけて背後のデスリッチが襲いかかって来た。


「く……炎も無効か!」


「……勘が外れましたね。

 ゴースト・パラライズ!」


 ブォォォ!


 『紫色の光』が霧となって放出された。



「ま、まずい!

 ダブル・ドラゴン・レッグ……」


 ドラゴンの脚力でジャンプし、霧をかわす……が、

 わずかに、『足』が霧に触れてしまった!


 ジャンプする勢いが弱くなり失速して倒れ伏す。


「あ、足が……動かん!」


 両足の感覚が全くない。

 脚を動かして立とうとする動作ができなくなった。

 地面で藻掻いているアルノドーアにデスリッチがヒタヒタと近寄ってくる。



「……姫様、もう動けませんよ。

 私が『麻痺(パラライズ)』を解除しない限り、足は元に戻りません」


 恐るべきデスリッチの肉体変換能力(ライズ)だ。

 ……防御不能。

 ……かすっただけでもアウトだ。



「りっちゃんの能力は異常すぎるぞ。

 攻撃も当たらんし、防御もできん。

 ちょっとでも触れれば終わりなんて……」


「……もう、諦めて城に帰って下さい。

 帰っていただけるなら部下を呼び出します。

 その足で続けても戦えないでしょう……」


 絶望的な強さ……

 デスリッチに勝てるのか?

 頭の細胞をフル回転させ考える……

 デスリッチを封じるには……


「……諦めん……お前を人間に戻す……

 …………

 ダブル・ドラゴン・ウイング!」


 背中に『ドラゴンの翼』が出現した。

 二つの翼で空高く舞い上がる!


解除(リバース)!」


 突然アルノドーアは地上100mで肉体変換能力(ライズ)を全て解除した。

 翼がなくなり重力で落下して来る!

 デスリッチめがけ急降下だ。


「!……何をする気ですか?」


「わしの生命(いのち)の光をくらえ!

 ……ライフ・ストリーム!!」


 アルノドーアの全身が光り輝いた!


「……ま、また、光!?」


「りっちゃんに……わしの『生命力』を注げば……『実体化』する!」


 命の輝きと言える光が降り注ぐ。

 過剰な生命力を得たデスリッチの体がみるみる『透明』ではなくなって行く……


「……う……こ、これは!

 実体化している?

 私の体が……これが狙い!?」


 デスリッチは映像のような姿だったが、強い生命の力で完全に実体化した。

 そこへすかさず加速し飛び込んだ!



 ガツッ!


 ドーン!!



 アルノドーアとデスリッチに抱き合った状態で地面へ強烈に激突する。


 デスリッチは背中から倒れると、その上からアルノドーアがきつく抱きしめる!

 実体化している為、触れることができるようになった。


「……何ですか? この体勢は?」


 動きを封じていなければ逃れられてしまう。


「りっちゃんにわかってほしいのじゃ!

 わしの願いを!」


「!?」


「お前を人間に戻したいのじゃ。その為に『イイノ』の力が必要なのじゃ」


「……姫様は……あの女性を……誰だかご存じなのですか?」


「人間の科学者のイイノじゃろう!?」


「……先ほど会った時、私もイイノさんだと一瞬思いました。

 しかし、あの女性は本当のイイノさんではありません!」


「わしが話をした時、イイノから何か懐かしい感じがした。

 わしの遺伝子があいつと共鳴するんじゃ。

 とても暖かい気持ちになった。

 こんな感じ、初めてじゃ」


「……私が見たイイノさんは昔と何か違います!

 私の遺伝子は危機を感じました!

 それで思わず能力を……」


「わしの見たイイノは本物の『人間』じゃった!

 危険を感じた事もないし、わしに暖かい目を向けてくれる。

 どうしてわかってくれないんじゃ!!」


「……私の言ってる事も……なんで……わかってくれないのですか!」


 感情をぶつけ合う二人。

 どうしても相手にわかってほしい。

 お互いの想いが交差する……



「ならば、これでどうじゃ!」


 アルノドーアは業を煮やし、デスリッチの顔に自分の顔を近づける!


「……うん!?」


 アルノドーアの唇とデスリッチの唇が重なった。

 そして力を込めて強く抱き寄せる。


「……く……ら……え……!

 …………

 ドラゴン・オーラ!!」


 自分の体内からドラゴンの(オーラ)を発生させてデスリッチの体へ吹き込んだ!


 ……体内からの攻撃には無防備じゃ!


 グゴゴゴゴゴッ……

 オーラがデスリッチの体内に充満する!



「……ん……んん……」


 目を大きく開けて苦しむデスリッチ!



「……姫……様……

 私も……負けません……」


 デスリッチは逆にアルノドーアを渾身の力で抱きしめ、

 自分の体内にある不死生物(リッチ)の細胞を爆発させる。


「……デス・オーラ!!」


 死のオーラを解放し、逆にアルノドーアの体内へ(オーラ)を逆流させた!



 グウォォォ……


「うっ! うぐっ!!」



 デスリッチの黒い(オーラ)は強力な負のエネルギー。

 生命力が弱っていたアルノドーアの気を飲み込み、体内へ浸食する。

 デス・オーラは相手の細胞の動きを停止させてしまう。

 アルノドーアの生命活動が徐々に止まって行く……


「ぐ……う……」


 全身から血の気が引き、意識が徐々に飛ぶ。

 

 デスリッチは唇を離すと静かに立ち上がる。


「……はぁ、はぁ。

 なんて強い意志……

 もし、私も気を抜けば逆にやられていました」


 勝負がついた事を悟る。


「……」


 デスリッチは倒れているアルノドーアをどうするか考えるが……

 そのままにしてヒューマン・キャッスルに向かうデスリッチ。


「……任務を……果たさなければ……

 龍帝様に顔向けできない」


 デスリッチはアルノドーアの生命力で実体化している体を引きずるように歩く。


「……まだ実体化している。

 この生命エネルギー、相当な(オーラ)を放出したんですね。

 ……姫様……無理をなさって」


 デスリッチを想うアルノドーアの気持ちを改めて知る。


「……り……りっちゃん……」


 後ろに気づくデスリッチ。


「……意識が……まだあったのですか……」


「行か……せない……」


 デスリッチへの執念でドラゴンの腕を伸ばした。



 ◇ ◇ ◇



 ヒューマン・キャッスルの転送室。

 眼鏡をかけた白衣の女性、イイノがモニターを見ている。


「……アルノ……なんて無茶を……」


 イイノの目は普通の人間の目をしている。


「私が……助ける……」


 転送装置の操作パネルをタッチして装置を起動する。


 装置の針から電撃が放たれた。



 ◇ ◇ ◇



 バリバリバリッ!!


 電撃がアルノドーアを包み、瞬時に姿が消えた。


「……まさか、あの人が……

 見ていた!?」


 デスリッチは脅威を感じた。

 あの『イイノ』らしき者は一体何者なのだ。

 我々の事を知っているし、デスリッチも叶わない程の頭脳。


「……早く、行かなければ……

 行って解明しなければならない!」


 よろけるようにヒューマン・キャッスルへ向け歩き出した。


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