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科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
二.キャッスル防衛編
43/247

17.デスリッチvsアルノドーア1

 白いイシュライザー・スーツを纏っているアルノドーアと

 ドクロの仮面をつけたデスリッチ。


 お互い手の内はよく知っている。

 最初に何の能力が発現されるのか、目まぐるしく頭脳を回転させ予想する。

 相手のスキを伺いながら長い時間が流れた。


 デスリッチは直接ダメージを与える攻撃はわずかな種類しか持っていない。

 冷気系の攻撃能力だ。

 しかし、恐ろしいのは皮膚や装甲を通り抜けて、

 相手の脳や精神、血管、神経に作用する間接的な攻撃。

 『催眠』、『麻痺』、『金縛り』。最終手段は『即死』の攻撃。

 心臓の動きを止めてしまう攻撃は『生物』である限り、防御不能だ。

 もちろんイシュライザーと言えども例外ではない。


 だが、優しすぎる性格のデスリッチは『即死』の攻撃を使ったことがない。

 人間や生物を自分の能力で殺すことを嫌がっている。

 『最悪の敵』と戦う時以外は、使用しないと決めている為、

 常に力をセーブして戦っているのだ。


 アルノドーアは防御できない間接的な攻撃をどう回避するか考えていた。

 いつもこれでやられてしまっている。

 それを警戒して近寄る事ができない。


「……姫様、珍しく飛び込んで来ないですね」


「うるさい……近寄ったらすぐに眠らせようとしとるだろ?」


「……その通りです。

 なるべく傷つけない為にも、それが一番いいです」


 わかっている事だ。

 いつものように無謀な事はしない。

 負けられない戦いだ。


 アルノドーアはデスリッチの弱点を考える。



「……そうか! やってみる価値があるな。

 りっちゃんの弱点、その1」



「?」



「ダブル・スネーク・アーム!」


 両腕を『蛇』に変化させて、にょろにょろと動かした。



「これでもくらえ!」


 2匹の蛇をデスリッチに巻き付けようと伸ばす。


「……ひ……」


 デスリッチは小さな悲鳴を上げて遠くに離れた。


「お前は『蛇』が苦手と言っていたな!」


「……ず、ずるい……」


「これで近づいて眠らせる事はできん!」



 二人の距離はさらに離れてしまった。


「……姫様、これでは戦いにならないじゃないですか」


「お前が逃げ帰ってくれる事がいいんじゃがな。

 ……

 スネーク・テイルじゃ!」


 今度は腰から『蛇の尻尾』を長く出し、反転してデスリッチに絡ませようとする!


「……ひ……

 も、もう! 許しません!」



 デスリッチはちょっと怒りの表情になり、空中に浮遊する。



「……コールド・ブレス!」



 蛇の両腕、蛇の尻尾に向かって『冷気』を放出!

 あっという間に蛇を氷漬けにする。


「……蛇は寒いと動けません」


「ぬっ! 手が動かん!」


 蛇に変わっている部分がカチコチだ。

 表面と地面がくっついて取れない。


「……さぁ、こちらから行きますよ」


 デスリッチは動けなくなっているアルノドーアへ接近、

 勝負を終わらせるべく肉体変換能力(ライズ)を発動させた。



「……デス・スリープ!」



「まずい! 解除(リバース)!」



「……もう遅いですよ」


 紫色の『光』に、アルノドーアの姿が見えなくなるほど包まれた。


「くっ……ぬぬぬ」


 頭がクラクラする!

 目もぼやけて、眠気に襲われる。

 このままではまた眠らされてしまう。



「ダブル・ドラゴン・クロー!」


 両手の指先が『ドラゴンの爪』に変化する!

 その両手は敵を攻撃する為のライズだが……


「うぉぉぉ!」


 ブスッ! ブサッ!


「……姫様!」


 アルノドーアは自分の太ももに『ドラゴンの爪』を突き刺した。

 刺し口から血が流れ……

 激痛で目が覚める!


「ぬぬ……眠らんぞ! りっちゃん、まだこれからだ!」


「……そこまでするとは……

 すごい執念……」


 ドラゴン・クローを脚から抜いて能力を解除した。

 脚からまだ血が流れているが気にも止めず走り出す。



「ドラゴン・ウイング!」


 右腕の手刀を構えてデスリッチに突撃。

 デスリッチは空中に浮遊している。



「……私に物理攻撃は無駄ですよ」



 ドラゴン・ウイングはデスリッチの身体をすり抜けようとするが

 途中で急に止めた。



「弱点その2。

 光攻撃じゃ!

 サラマンダー・バーナー!」


 左腕を火龍(サラマンダー)の頭部に変化させて

 右腕のドラゴン・ウイングの刃物部分へ火炎放射する。

 何千度もの炎が跳ね返って太陽のような光を発生させた!


「……な……に!?

 う……わぁぁ……」


 姿が消えそうになり、苦しむデスリッチ。


「どうじゃ? 『光』は不死生物の大敵じゃ!

 降参しろ!」



「……うう……やりますね……

 ぜ……

 絶対零度の冷気……エターナル・ブレス!」


 

「!!」


 消えかかっているデスリッチの身体から猛吹雪が発生した!

 竜巻のような渦を巻いて辺り一面を白く変え、大地までも凍らせて行く。


「……全てを凍らせる……吹雪(ブリザード)です!」


 アルノドーアも足元から凍って行く。


「サラマンダー・ヒート!」


 両脚を炎で包んで凍らされないよう防御するが

 それでも凍結して行く。


「な、なんじゃ!? 炎まで凍るのか!」


 脚、身体、そして炎を放出している左腕までもが凍り付いて行く。


「こ、このままでは全身凍結してしまう!

 ドラゴン……アーマー!!」


 全身にドラゴンの鱗の鎧で覆うが、まだ凍結が続き、氷を割ることができない!


「くっ! ダブル・ドラゴン・アーマーじゃ!」


 さらにその中にもう一層、ドラゴンの鱗の鎧を纏った。


 しかし、アルノドーアの身体はすべて完全に氷で覆われる。


 びっしりと全身が凍り付いた。

 まるで氷像のように固まってしまった。


 デスリッチはこれ以上凍り付かないよう『吹雪』を止める。

 もうアルノドーアは戦えなくなったと判断し、

 地上に降りて戦闘態勢を解いた。


「……姫様……凄い事を考えますね。

 今のは私も危なかったです……

 だけど、もうこれで終わり……」


 ビシッ!

 ビシシッ!


「……え」


 氷像のようになっているアルノドーアに亀裂が走る。


「ぬぬぬ……」


「……まさか」


「ドラゴン・スケイル・アロー!」


 バリバリッ!


 氷が四散し中からアルノドーアが姿を現した!


「はぁ、はぁ、なんちゅう技じゃ。

 あと一歩、ドラゴン・アーマーを張るのが遅かったら凍死じゃ」


「……凍死する前に止めますけど

 なんて頑丈な装甲なんでしょう……

 普通の生物ならとっくに生命活動を停止しています。

 さすが……ドラゴンと言うべきか……」


「もう終わったと思ったな?

 まだまだ、戦いはこれからじゃ!

 行くぞ!」


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