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科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
二.キャッスル防衛編
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15.デスリッチ潜入する


 レッドはホワイトの頭をかばいながら地面に激突する。


「うわっ!」


 爆発した上空をしばらく見ていると、巨大な中央管理塔(タワー)の姿が現れた。


「……タワーが! 無事だったか」


 さらにヒューマン・キャッスルの天井をよく見ると、

 レオンダルムが外へ飛び出して行くのが見えた。


「ん? ピンクが連れて行かれているぞ!?」


 ピンクがレオンダルムにしがみついているようだ。

 二人の姿は暗闇の中へあっという間に消えて行ってしまった。


「ピンクー!!」


「……おい! 仲間の事ばかり心配してないで

 わしの心配をせんか!」


 一緒にうつ伏せで倒れていたホワイトが起き上がり、手を振り払う。


「ご、ごめん……」


 ホワイトはイシュライザーのヘルメットを脱いだ。

 そこには、真っ白い髪とドラゴンのヒレのようなものが生えている見慣れた顔が現れた。


「ドラゴンの娘と言えど、か弱い女の子じゃぞ!」


「……か弱い女の子が炎を吐いたり、敵を突き刺したりしないはずだけどな。

 でも、アルノが無事でよかった」


 レッドもヘルメットを脱ぐ。

 短髪のさっぱりした顔が見えた。


「タツオ!」


 アルノドーアはタツオの胸に飛び込むと思いっきり抱きしめ、頬を擦り付けてくる。

 暫く会えなかった恋しさが爆発する。

 がっちりと背中に回された腕の力は強烈で、背中の傷に食い込んで無茶苦茶痛い!


「ア、アルノ! ちょ、ちょっとやめてー!

 いーーーたぁぁぁ!

 ぜ、全身、傷だらけなんだ! 背中から血が吹き出てるよ!」


 力を緩めてこちらを睨む。

 ふくれた顔をしている。不満そうだ。


「もう! ひ弱じゃな。本当にドラゴンか」


「僕はアルノのように元々ドラゴンじゃないよ。

 早く手当てをしないと……」


「続きは傷が治ってから……じゃな」



 痛がりながら一緒に立ち上がり、アルノドーアがタツオを支えながら塔の中に向かって歩く。


「アルノは勝手にこっちに来て大丈夫なの?」


「……うむ、今のところこちらに来た事はバレてないと思うが……

 スーツとマスクで正体を隠しているし」


「もう多分バレてるよ。僕もすぐにわかったし」


「あの敵の将軍、ドクロの面で顔を隠していたが……

 吸血の能力を持つ『レオン』か……」


「知り合いなら話し合いで解決してもよかったんじゃない?」


「あいつは任務に忠実そうだから聞いてくれん。

 それに、もう撤退させたからいいじゃないか」


 タツオはまだ気になることがある。

 聞いておかなくては。


「アルノはなんでこっちの味方をしているんだ?」


 アルノドーアは真剣な顔になって答える。


「ひとつは、もちろんタツオを守る為。

 もうひとつは、りっちゃんを助ける為じゃ」


「りっちゃんと言うのは……そっちの参謀、デスリッチさん?」


「お前の上司『イイノ』が言うには、りっちゃんの『本体』が冷凍室にあるそうじゃ」


「冷凍室……イイノさん? ……ああ、あそこか」


「キャッスル・ブレインと言うヤツを壊されるとりっちゃんも完全に死んでしまうと言っていた。

 それに科学技術がもっと発達すれば、りっちゃんを生き返らせる事もできるそうじゃ」


「もしかしたら、イイノさんは毎晩その研究をしてるのか……」


「そうなのか!?」


「ああ、イイノさんが夜休んでいるところは一回も見た事がない。

 何かの研究だと思う」


 アルノドーアはデスリッチ復活の可能性が出てきた事を嬉しく想った。

 こちらへ来てよかった。


「そういえば……攻めてきた『将軍』は一人だけなのかな?」


「勿論あやつも来とるだろうな。その、りっちゃん……

 ドーア軍将軍兼参謀、『デスリッチ』がな」


「アルノがお世話になってる人だろ?

 ……戦えるのか?」


「戦いたくはないが……

 わしにも目的が出来たんじゃ。

 あやつ自身の為にも止めてみせる!」


「デスリッチさんは強そうだな……

 この前もあっと言う間に眠らされてしまったし……」


「わしの戦いの『師匠』じゃ。

 勝った事は一回もない。

 しかし、やらなければならない!

 今までのわしではないぞ!」


 新たな決意に燃えるアルノドーア。

 デスリッチと激突する時が訪れるのか。



 ◇ ◇ ◇



 デスリッチは農業エリアの給排水管理システムが設置されている建物の中にいた。

 多くの配管はヒューマン・キャッスルの地下まで伸びていて

 科学技術庁内にある浄水施設や圧力ポンプに繋がっている。


「……ここから地下の科学技術庁があるエリアに潜入できる。

 塔の入り口は……厳重な防衛システムがあるから、

 こちらから地下を回って中央管理塔へ行った方が障害が少ない」


 さすがキャッスル・ブレインの元・科学者。

 内部の構造にはとても詳しい。

 塔の入り口にはきっとレオンダルムが行くはず。

 デスリッチは密かに別のルートから塔内部に潜入する作戦を考えていた。


「……この配管を伝って行けば地下へ降りられる。

 ゴースト・バニッシュ……」


 姿を消すと空中を浮遊しながら配管に沿って降りて行く。


 長く続く狭い空間を抜けると、そこには巨大な地下空間が広がっていた。


「……懐かしい。よくここで訓練をやりましたね……」


 地下空間は緊急避難シェルターだが、今はイシュライザーたちの訓練用地に当てられている。

 その地下空間の中央部分に科学技術庁舎があり、

 そこから中央管理塔へのエレベータに乗る事ができる。


 道を熟知しているデスリッチは迷わず、一直線に科学技術庁舎に入り込む。


「……そういえば、ここには『物質転送装置』があったはず。

 それも破壊しておけばイシュライザーが出撃しづらくなるのでは……」


 将来的にまた戦いを起こさせない為、少し寄り道して壊して行こう。

 今は注意が塔に向いている。事を成すには大きな好機。


 姿を消している為、全く見つからずに『転送室』の入口を発見する。

 スーッと扉を通り抜けて中に侵入した。


「……ここですか!

 なんて……凄い装置……

 開発した科学者は大天才ですね……」


 デスリッチも驚く技術が多く使われていた。


「!……誰かいる!?」


 物質転送装置の操作パネルがある席に誰かが座っていた。

 白衣の女性!?


「……あ……あなた……は!」


 眼鏡をかけた優しそうな目をした女性がこちらに気づく。


「りっちゃん!……来たのね」


「え、こちらに気づかれた……」


 透明化(バニッシュ)の能力を解除するデスリッチ。


「久しぶりね。そんな姿になって動いているとは知らなかったわ」


「イ……イイノさん!!

 ま、まさか生きていたんですか!?」


 デスリッチは驚愕する。

 イイノは確かに……あの時……


 イイノは立ち上がって近づいて来る。



「りっちゃん……

 キャッスル・ブレインを……破壊しに……来たのね」



「!」


 イイノの目は赤く光っていた。

 優しい目が一転して、冷酷で人間ではないような目に変わっている。


 ゆっくりと……手を伸ばして……近づく。


「本当に……イイノさん……ですか?

 イイノさんは17年前に消……えた……はずでは……

 ……

 イイノさん!!」



 尋常じゃない気配を感じ取ったデスリッチは

 『敵』に相対するように身構える。



「……りっ……ちゃん……」


 イイノがデスリッチに触れようと、さらに手を伸ばした。



「く……

 コールド・ブレス!」


 危機を感じ、思わず不死生物の肉体変換能力(ライズ)を放った!

 冷却された突風がイイノを直撃し、後ろに力なく倒れる。


 イイノの眼鏡が床に転がり割れて四散した。


 頭を抱えて苦しんでいるイイノ。


「うう……」


「あなたは……一体……

 ……何者!?」



 その時、転送室の扉が開く。


「イイノ! タツオを医務室に運んだぞ……

 なっ!!」


 アルノドーアが転送室に報告に来たところを

 デスリッチと鉢合わせになった。


「ひ……姫様!」


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