表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
二.キャッスル防衛編
40/247

14.ダブル・ドラゴン・アタック


 レオンダルムの牙が首に深く刺さり、血液を吸収しようとした……

 その時。


「うっ……ぐ、ぐぉぉぉ!」


 ライザー・ホワイトを投げ捨て、苦しみ出した。


「ギギギ……ウゴゴ……」


 膝をついて蹲り血液を吐き出す。

 血液は地面に落ちた瞬間にジュウッと言う音を立てて炎が吹き出した。


「サラマンダー・ブラッド、火龍の血じゃ。

 わしに吸血は効かん」


 レオンダルムはすぐに立ち上がるとワナワナと震えだした。


「くくく!

 素晴らしい! 素晴らしい強さです!

 異形種の王と呼ばれる『ドラゴン』と戦える事は身に余る光栄。

 しかし……」


 姿が消えた……


 ドカッ!


「ぐっ!」


 目に見えぬ速さでライザー・ホワイトの前に現れ、悪魔の爪を振るうと

 ななめ後方へ飛ばされて、横向きに倒される。


「あなたは身体が小さすぎます。

 いくらドラゴンと言っても、まだ子供です。

 私の全開変換(フルライズ)の力には及びません」


 ライザー・ホワイトは戦闘センスの塊だがパワーの面ではまだまだ成長途上だ。

 肉弾戦の勝負だとわずかに分が悪い。


「ウガガ!」


 悪魔の咆哮とともに右脚でホワイトを蹴り上げる!


 ガンッ!


 華奢なホワイトをまるでボール遊びのように浮き上がらせた。


「……バンパイア・ネイル……」


 ザシュッ!


「く……!」


 イシュライザー・スーツが斜めに切り裂かれ、悪魔の爪の形の傷ができる。


「むむ……体格差を活かして……力勝負に来たか……」


「ウガガガ……このまま、死になさい……」


 地面にひれ伏して体の傷を押さえているホワイトに

 悪魔の残虐性を発揮して容赦なくとどめを刺そうとする。 

 腕を高く振り上げると『悪魔の爪』を極限に伸ばした。


「ガガガ!」


 真っ二つにする勢いで振り下ろしだ!



「ホワイトーッ!」


 ブンッ

 爪は空を斬った。


 何者かが横から飛び込み、抱きかかえながら地面を転がった。


「タ……レッドか?」


 仲良くうつ伏せに倒れた二人。


「ホワイト……いや、君は『アルノ』だろ?」


「う……さぁ、誰かのう」


 目線を外してしらばっくれる。


「隠さないでもわかるよ。

 そのしゃべり方、あの怪力……

 ばれない方が不思議だよ」


「……さすがにお前には隠せないな。

 助けに来たのじゃ。

 タツオ!」


 観念し名前を口にしてしまった。


「副司令が『転送』がどうのこうのと言っていたから

 予想はしていたけど……」


「おい、今は話し合ってる場合じゃないぞ!

 ……まずい状況じゃ!」


 敵がすぐそこまでやって来ている!

 二人とも息を合わせたようにサッと立ち上がった。


「ウガガ……」


 レオンダルムが二人の間へ爪を振り下ろし、引き裂こうとする。

 しかし、左右へ飛んで向かい合って戦闘態勢を取った。


「二人がかりなら『力』は互角じゃ!

 行くぞ、レッド!

 ダブル・ドラゴン・アーム」


「おう……

 ダブル・ドラゴン・アーム」


 双方とも『ドラゴンの両腕』を発現し、レオンダルムに飛びかかった。


「ぬぅッ」


 二人は左右の腕をそれぞれ掴むと力比べの体勢になった。

 レオンダルムは二人の上から覆い被さらん程の勢いで力を込めて押しつぶそうとする。


「ウギギギ……!」



「ドラゴン・レッグ!」「ドラゴン・レッグ!」


 ドキャッ!

 腹の下に潜り込むと、その腹めがけて二本のドラゴンの脚で強烈に蹴り上げた!


「ギャッ!」


 悲鳴をあげて空へ勢いよく飛ばされるレオンダルム。


「レッド!」

 片手をレッドに差し出した。


「……それッ!」

 その手を取ると、ホワイトを一本背負いで空中へ思いっきり投げる。



「ドラゴン……クロー!」

 両腕のライズを解除(リバース)し、即座に右手の先を『ドラゴンの爪』に変化させる!


 ドスッ!


「ギャアッ!!」


 上空に飛ばされたレオンダルムの露わになっている腹をドラゴン・クローで突き破った!


「レ、レオン様!」


 そのまま下方へ投げ捨てると、レオンダルムは回転しながら地上へ激突した。


 ホワイトは右手の変化を解除して綺麗に着地する。



「大丈夫でございますか?」


 ピンクが駆けつけ抱き起こす。



「ウガガ……

 さ……さすがに……ドラゴン二体は……

 やりづらいですね……

 こうなれば……」



 重傷を負っているレオンダルムだが、力をさらに振り絞り、

 レッドやホワイトを無視し、空高く飛んだ!


「何をする気だ!?」


 自分たちから離れて行く敵を見て驚く。


 レオンダルムは塔の中央付近で止まると右腕を高く掲げる。


「ダーク・ストーム!!」


 腕から球体の渦巻きが発生した。

 それは徐々に大きくなり、まるで黒い竜巻の(かたまり)のようになって行く。


「……わざわざドラゴンたちを倒す必要もない。

 残りのパワーで……塔を……破壊する!」


 力を集中し、球体を成長させて行く。


「ホワイト! まずいぞ、中央管理塔(タワー)を壊す気だ!」


「やはり、塔を狙ったか……元々、わしらを相手にしなくてもいいからな。

 こちらも全開変換(フルライズ)できれば倒せるんじゃが

 『ドラゴン・チェンジ』だと凶暴化して、このあたり全部を破壊しかねない」


「それでドラゴン・チェンジしなかったのか。

 でもそれができないとヤツのパワーには……」


「レッド、やるぞ!

 二人の力を合わせるんじゃ!

 ドラゴンの本当の力を見せてやる!」


 右腕を握り、とっておきの能力を出す合図をする。


「……ホワイト……

 よし! 全力で行くぞ!」


 レッドとホワイトも『ダブル・ドラゴン・ウイング』で空に飛び上がった!



 レオンダルムの目の前まで飛ぶと、二人はそれぞれ両腕を内側へ向け交差する。



「ドラゴン……」「ドラゴン……」

手のひらを外側に向けて振りおろす。


「ヘッド!」「ヘッド!」

両手がドラゴンの頭に変わった!



「ウガガ……何をする気です!

 今更、間に合いません!」



 レオンダルムは悪魔の腕を前方へ振り下ろす!

 巨大になった『ダーク・ストーム』を塔へ向けて落とした!



「ダブル・ドラゴン……」「ダブル・ドラゴン……」

 ドラゴンの口が開いた!!


「ブレス!!」「ブレス!!」



 勢いよく落ちてくる『ダーク・ストーム』へ、

 超高熱のエネルギー波が吐き出された!!



 ドゴォォォォォォン!!



 レオンダルムとイシュライザーたちの間で大爆発が起こる!



「うわぁぁぁ!」「ぬぬぬ!」


「ウゴゴッ!」



 どちらも爆風を浴び、弾き飛ばされた!!



「アルノ!」


 レッドはとっさにホワイトを抱きしめてかばいながら、

 背中から地面に激突する!



「ウガガガ!」


 ドキャッ!


 レオンダルムも地面に激突する……が、すぐに空を確認する。


「ううう……と、塔は……塔はどうなった?」


 爆風が晴れて来ると……

 『中央管理塔』が何事もなく姿を現した。


「な……なんと!」


 塔は無傷だった。

 目を見開いて固まるレオンダルム。

 みるみる力をなくしライズが解除されて行く。


 ……その時、レオンダルムの頭上から巨大な炎の塊が落ちて来た!

 

 炎を伴った『ダーク・ストーム』の残骸が!


「ぬぅ!」


「レオン様、危ない!」


「!」


 ミミがレオンダルムを抱きしめるように、『炎の塊』からかばおうとする。


「ミミ!」



 ドシャッ!



 レオンダルムは身を差し出しているミミをさらにかばい、位置を入れ替え、

 蝙蝠の翼を広げ、背中で『炎の塊』の直撃を受けた!


 ジュウウウ!


「うう!」


 背中が燃えさかった!

 レオンダルムは立ったまま、それに耐える。


 ……しばらくすると炎の塊は消滅した。

 しかし、背中の翼に大やけどを負い、ミミに覆い被さった。


「!! レ、レオン様!」


「……ミミ、無事でよかった……」


 優しく微笑みかけるレオンダルム。


「なんで……私なんかを……

 ……

 レオン様ぁぁぁ!!」


 レオンダルムが自分の為に身を投げした事を知ったミミ。

 涙が頬を伝って流れる。


「うわぁぁぁん!」


 レオンダルムの胸に顔を擦りつけ泣く。



「……どうやら私の任務はここまでのようです。

 『魅了(チャーム)』も解除しましたから……

 あなたとはここでお別れです」



 ミミを引き離して、残っている力を振り絞って空に飛ぼうとする。


「私は退却致します……

 短い間でしたがお礼を言います……

 さようなら」


 言葉を言い終わらないうちに空へ駆け出す。


「レオン様!」


 地面を離れたレオンダルムへ飛び込み、首にしがみついた。


「私も連れて行って下さい!

 どこまでもお供させて下さい……」


「な、何を……」


 意識を失いかけているレオンダルムは、そのままヒューマン・キャッスルの通風口から

 外の世界へ飛び立って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ