25.エピローグ~第一章・終
次の日、司令室に隊員全員が勢揃いした。
「揃いましたね。では司令、宜しくお願い致します」
「皆、この度の防衛戦、見事だった。
その中でも……レッドの働きは目を見張るものだった。
お前……いえタツオ君、君を今ここに正式な隊員と認める事にする!」
「おおッ!」
「アハハ、文句ないな。司令も随分変わったな」
「これからは頼むわよ、タツオ君」
「タツオ君、おめでとう!」
隊員たちから祝福を受ける中、イイノからも発表される。
「あなたこそ真の肉体変化能力の能力者。
その力で皆を引っ張って行って下さい。
タツオ君、いやイシュライザー・レッド、あなたをイシュライザーのリーダー、
隊長に任命します!」
びっくりするタツオ、どうしていいか迷う。
ブラックが敬礼する。
「はッ! 隊長宜しくお願い致します!」
優しそうに微笑んでブルーも敬礼する。
「隊長、これからも宜しくね」
笑いながらイエローも敬礼を行う。
「アハハ、隊長、宜しく!
俺は隊長より強くなってみせる」
ピンクも姿勢正しく敬礼する。
「隊長、まだ未熟な隊員でありますが、今後とも宜しくお願い致します!」
隊員の言葉に押されてタツオも観念する。
「レッドことタツオ、慎んで拝命致します。
我が隊のモットーは『みんな仲良く団結第一』です。
隊員だけでなくこのヒューマン・キャッスルも人たちとも仲良く団結したい。
宜しくお願い致します!」
敬礼してキリっとした表情になる。
「ところで昨日の敵の『将軍』とは今後どうするの?」
皆が気になる事をブルーが代表として聞いた。
「えっ?……ごにょごにょ」
「隊長、聞こえませんわ」
「僕はアルノと『結婚』する! いつか、必ず!」
「結婚って何なの?」
「一緒に住む事だって……」
「それが目標なの? 私にはわからないわ」
「マリカさんもそうなりますよ。そのうち」
「……相手は敵だけど……」
ブラックがぼそぼそと聞く。
「きっと戦わなくていいようになるよ。いや、して行くんだ」
「アハハ、あんな強いヤツと一緒に住むなんて殺されちゃうよ」
「隊長も『ドラゴン』だからケンカしても死なないでしょ」
「アハハ、でもケンカしたら住むところなくなるよ」
「隊長、私もいつか結婚できるのでしょうか?」
「ピンクも好きな人、いるの?」
「いません。でも強いて挙げれば……隊長……」
「ぼ、僕!?
いや……僕はアルノが……
僕以外でお願いします」
司令が割り込んで来る。
「お前らいつの間に仲良くなったんだ!」
「隊長の方針です」
「でも本当にタツオ君が来て変わりましたね」
イイノは笑顔で喜ぶ。
「今回の戦いで隊員同士の連携が出てきました。
今後さらなる強敵が現れるかもしれません。
その時まで隊員が一丸となって、今まで以上の訓練をお願いします」
「はいっ!」
イイノは自分の若い頃を思い出していた。あの頃もこのように……
◇ ◇ ◇
「おい、異常はないだろうな」
「異常はない」
「姫様は暴れると手に負えない。
緊急時はデスリッチ様を呼ぶんだ」
ドーアの城を警備する蜥蜴人の兵士たちが忙しく動き回っている。
アルノドーアの部屋は壁が分厚く作り直され、さらに外から厳重に鍵が掛けられていた。
油断すると壊して出て行ってしまう恐れがある為、24時間態勢で見張りが着いている。
アルノドーアは石のベッドでうつ伏せに寝ている。
「見張りなどつけおって父上も意地が悪い。
じゃがわしも今までとは違うのじゃ!」
デスリッチによって新調された戦闘用のドラゴンの骨のマスクが枕元に置かれている。
実はマスクには通信機が付けられていた。
ドクロの仮面を持っているタツオとはいつでも通信可能である。
これはアルノドーアとデスリッチだけの秘密だ。
マスクをいつも枕元に置いて、タツオからの通信が来るのを今か今かと待っているのである。
「ごめん、アルノ。今帰ったよ」
「遅いぞ。タツオ。わしは『一日中』待っていたんじゃ」
「今日イシュライザーの隊長に任命されて
なかなか隊員たちが帰らせてくれなかったんだ」
「ふーん、いいのう。わしは牢屋のような部屋に入れられ一人きりじゃ」
「アルノに話したくて急いで帰ってきたんだ」
「マスク越しじゃなく、早くタツオに会いたい」
「僕も早くアルノに会いたい。必ず戦いを終わらせるよ」
「タツオなら必ずやってくれるはずじゃ。その時まで毎晩声を聞かせてくれ」
「うん。アルノ、好きだよ」
「わしも好きじゃ。今晩も声を聞きながら眠りたい」
無事? 二人は遠距離恋愛になった。
◇ ◇ ◇
玉座の間………
龍帝ヴェルドーアが台座の上で横になっている。
「龍帝様」
「デスリッチか。ご苦労。アルノドーアは大丈夫であろうな」
「はい……部屋から出ていません」
「アルノドーアはわしに似て思った事はすぐ実行するから気を付けろ」
「よく存じ上げております。龍帝様……本日新たな将軍たちが……到着致しました」
「そうか、アルノドーアは当分出陣できん。いいところに来てくれた」
「はい……それではお呼び致します。皆様、お入り下さい」
「はっ!」
三名の将軍がヴェルドーアの前に姿を現す。
「虫将軍、ゾルタクス」
「花将軍、カレンシア」
「吸血将軍、レオンダルム」
「我ら三名、龍帝様に忠誠を捧げます」
全員、黒いマントで正体がわからない。
「よく来た、将軍たち。
ここにいないアルノドーアと参謀のデスリッチを加えて
五人の将軍が揃った。
もう我々の事は敵に知られている。これより将軍自身の戦闘参加を許可する。
お前たちに命令じゃ!
最悪の怪物が巣食う人間の世界『ヒューマン・キャッスル』を攻略せよ!」
「はっ!」
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