表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
一.怪物襲来編
13/247

13.隊員集結

 特別防衛隊の本部は研究施設よりさらに地下、

 ヒューマン・キャッスルの最下部に位置する。

 広大な訓練用の空間、隊員が生活可能な居住スペース、ミーティングルーム、

 医務室、更衣室、食堂と何でも揃っている。

 商業エリアへ買い物に出なくても全く問題ない。

 科学技術庁の職員は任務に集中する為に優遇されているのだ。

 さらに特別防衛隊員を地上に転送する物質変換転送装置が設置された部屋もあった。


  ひと通りイイノに案内されたタツオはミーティングルームに連れて来られる。

「もちろん隊員はあなた一人ではありません。あなたの他に四名いますので紹介します」

 しばらく待っていると四名の隊員と一人の中年が入ってきた。


 中年の男とイイノが前にある一段高い席のそばに立つ。

 他の四名がこちら側にならんでいる席の前に立つとみんな敬礼する。

 慌ててタツオも倣って敬礼する。


 全員が着席すると中年の男が大きな声を出す。

「私が司令官の『ヤマタケ』だ。お前が新入りの者か。

 今日よりヒューマン・キャッスルの防衛任務に命をかけろ。

 命令には絶対従うんだ。

 それと敵は一切容赦するな。

 向かってくる敵は残らず倒せ。いいな」

 とても偉そうだ。次はイイノが立ち上がる。


「名前はもう知ってると思うけど念のため。

 特別防衛隊副司令官兼任、科学技術庁長官の『イイノ』です。

 役割は装備のメンテナンスと転送装置のオペレーションです。

 皆さんの後方支援が任務となります」

 凄い仕事ができそうだ。切れ者と言った感じだ。


「次に隊員の皆さん自己紹介して下さい」

 イイノから隊員に振られる。

 隊員は皆同じつなぎのスーツを着ていて男性二人、女性二人だ。


 一番右端にいるタツオの左隣から立ち上がる。

 一人目は長身、細身、短髪、メガネの男だ。

「……自分は『ヒショウ』……宜しく」

 それだけ言うと座ってしまう。

「そ、それだけ?」

「彼はイシュライザー・ブラック。17歳。

 空中活動担当。会話は苦手で大人しい性格です」

 イイノが付け足して隣の席を指す。


 長い髪を後ろで纏めているスタイル抜群の優しそうな女性が挨拶する。

「私は『マリカ』です。18歳、イシュライザー・ブルー、

 元・看護士、傷の手当など医療を得意としています。

 水の中でも活動できます。

 皆さんより少し年上です。

 わからない事は聞いてね。何でも教えてあげます!」


 次に少し小さい男が立つ。

 顔はまだ幼いが釣り上がった眉毛は相手を威嚇しているようだ。

「俺は『リクト』、15歳。イシュライザー・イエロー。

 力仕事担当。

 敵を倒した数は一番でーす。アハハ」

 軽い性格なのだろうか。言葉に冷たさを感じる。


 最後に左端にいる女性だ。

 腰までのストレートの髪で姿勢がとても良い。

 顔も引き締まってキリっとしている。とても気が強そう。

「イシュライザー・ピンク、『ミミ』と申します。16歳です。

 陸上での高速移動が武器です。

 真面目な話しかできませんが宜しくお願いします」


「じゃあ、タツオ君の番ね」

「はい。『タツオ』と言います。農場でトマトの生産をしておりました。

 植物には詳しいです。

 まだどのような役割ができるかわかりませんが宜しくお願いします」

「タツオ君に備わっている遺伝子は『ドラゴン』、

 どのような力があるのかは後で確認しましょう。

 とりあえず暫くは研修期間です」

「ドラゴン……ヒューマン・キャッスルには存在しないはず。

 どうやって遺伝子を獲得したのですか?」

 ミミが不思議そうに尋ねる。

「まだ不明よ。突然目覚めたらしいの。

 タツオ君にはイシュライザーがどうやって開発されたか

 歴史を説明しないとね。長くなるけど」


 イイノの話によると……

 1000年前、遺伝子による新しい生物の開発を行っていた科学者がいた。

 その科学者は人間に役立つ生物に限らず様々な伝説上の怪物も作れると過信し

 人間に害を与える生物も作ってしまった。

 それらの怪物たちは人間の力では抑えられないほど暴走し

 この星にいたほとんどの人間は滅ぼされ

 わずかな人間たちは長期間生活可能な宇宙船ヒューマン・キャッスルで星を脱出、

 衛星軌道上での生活に追いやられた。20年前宇宙船は酸素供給装置の故障により

 地上に緊急着陸。

 山間部に着陸した為、怪物に暫く見つからなかったが17年前に怪物が襲来。

 キャッスル・ブレインの発案により1000年前の研究を利用したライズ能力によって撃退。

 その後、ライズ能力を扱える人間を輩出する為、

 10代の人間にライズ能力に必要な『ライザー遺伝子』を接種。

 能力の高い四人を発見し異形種の遺伝子を注入した。

 ライズ能力に目覚めたこの四人をイシュライザーに任命した。


「その四人がここにいる方々です。

 イシュライザーは暴走した異形種から人間を守る為に存在しているのです。

 我々の任務はヒューマン・キャッスルの防衛です」


 なるほどと聞いていたタツオは疑問を浮かべる。

「結局、人間は自らの過ちで自分たちを苦しめているのですか?」

「歴史を見ればそうね。

 科学者だけの問題ではなく

 何でもできると言う傲慢な心が怪物を生み出すのよ。

 人間の心と言うものは恐ろしいわね」

 ヤマタケ司令も口を挟む。

「ちっ、バカなやつがいたおかげで面倒臭い仕事ができたよ、まったく」

「アハハ、俺は戦いができて良かったよ」


「今思ったのですが17年前に肉体変換能力(ライズ)を使えた人間が既にいたのですね。

 最初のイシュライザー?」

 質問魔のミミがまたも訪ねた。

「ええ、科学者の一人で私の同僚が自ら実験台になってね」

「その人は今どうされたんですか?」

「力に耐えられずに戦いの後、亡くなってしまい……」

「お気の毒に……」


「外の世界では怪物たちが様々な種族に分かれ繁栄していますが

 元々は1000年前に最初に作られた10体のオリジナルから誕生しています」

「たった10体……」

「そう『オリジナル・ジェネシス』と呼ばれる

 種族毎の全て特徴を備えた遺伝子を持つ10体……

 1.鳥類のバルバドス

 2.魚類のマーリナ

 3.獣類のガルム

 4.巨人のゴーレム

 5.虫類のベルゼブ

 6.不死生物のリッチ

 7.植物のユグドラス

 8.吸血鬼ソーン

 9.ドラゴンのドーア

 10.……」

「10体目って何ですか?」

「10体目は正体不明で番号だけしか登録されていません。

 これらは『人間の遺伝子』、それぞれの『種族の遺伝子』、そして『ライザー遺伝子』を

 組み合わさせて作られました。

 イシュライザーはこの技術を基としています。

 10体は1000年前に暴走し地上を破壊しました。

 そのうち4体は地上の彼方に去り……

 1体は消息不明……

 残る5体は退治され、その遺伝子サンプルは

 タワーの最上階にあるスーパーコンピューター、

 『キャッスル・ブレイン』に管理され冷凍庫に保管されていました」

「タワーの最上階にはコンピューターがあるんですか?」

「人間の世界のすべてを管理してます。

 このヒューマン・キャッスルの命とも言えるものです。

 私はキャッスル・ブレインよりオリジナルの遺伝子サンプル4つを受け取り

 あなたたち4人に移植したのです」

「私たちにオリジナル・ジェネシスの遺伝子が……」

「ヒショウ君にはバルバドス、

 マリカさんにはマーリナ、

 リクト君にはゴーレム、

 ミミさんにはガルムが移植されています。

 タツオ君は移植を行っていないけれど、おそらくドーア……」

 イイノは席に座る。


「以上がイシュライザーの歴史です。

 まとめると1000年前の技術でイシュライザーが作られたと言う事ね。

 少々長かったかしら?」

「いえ、勉強になりました」

「それでは場所を移してイシュライザーの装備品の説明に入りましょう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ