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科学防衛隊イシュライザー  作者: kuro96
四.ヴェルドーアの過去編
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28.イシュライザーvsスーパーズ3


 倒れて苦しんでいるヒビキにヤマタケが駆け寄る。

 胸から血が止まらない!


「シミズ! 早く止血を!」


「ウォーター・ジェル!」


 水を加工した粘液を発生させて傷口を覆う。


「し、止血はできるけど、傷が治ったわけじゃない!

 早く手術しないと命が危ない!」


「手術と言っても医務室に行かなければいけないが……

 そんな暇は無い、敵が待ってくれない」


 眼前に立ち塞がっているアンドロイドを破壊しない限り、先には進めそうにない。

 他の皆も傷だらけだ。この状態でどう進む!?

 誰かが命を賭けて止めるしかなさそうだ……


「おい! ハヤオカ!

 お前は足が速かったな」


「僕の能力は『速さ』が売りだ。

 アンドロイドなんか追いつけないさ」


「ヒビキとシミズを抱えて医務室まで行けないか?

 俺がここで足止めする!」


「二人か……能力を使えば何とか行ける。

 でも、君一人じゃアンドロイドに……」


「俺の頭じゃそんな方法しか思いつかない!

 ヒビキの怪我を治療できるのはシミズしかいないし、

 一番逃げ切れる可能性のあるのはお前だ。

 ヒビキの治療が終わったらアンドロイドを止める方法を探してくれ」


 ハヤオカは激しく躊躇った。

 その方法が最善策のようだが……

 アンドロイドはまだあと2体いるし、

 ヤマタケひとりで引きつけると言っても……犠牲になる可能性が高いのだ。


 悩んでいるうちにアンドロイド『レダ』はこちらに再び近づいて来る。


「早く行け! 間に合わなくなるぞ!

 これしかないんだ。頼む!」


 !! ヤマタケが頭を下げるなんて……


「わかった。君の言う通りにしよう!

 逃げ切ってみせる!」


 ハヤオカは決意を固めるとすぐに両腕を熊、両脚を豹に変えた。

 倒れているヒビキ、そばにいるシミズを両脇に抱えると脚にパワーを集中する。


「ヤマタケくーん! 死ぬなよー!」


「そう簡単に死ぬかよ! 早く行ってくれ!」


 ヤマタケがアンドロイドの方へ向いた瞬間、ハヤオカたちの姿が消える。


「さぁ、アンドロイドよ! 俺が相手だ!」


「ワレワレカラ、ニゲキレルト、オモッテイルノカ」


 ヤマタケの後ろを何かが通り過ぎる……

 風だけが背中に当たった。


「な、何者!?」


「スーパー・ハンター、ダ!

 ヤツカラハ、ナニモノモ、ニゲラレナイ」


「あの……のっぺらぼうの細いアンドロイドか!?

 そうだ、ヤツは追跡型のアンドロイドだった。

 ハヤオカたちがやばい!」


 すぐに後を追おうと振り向いて走り出す!

 しかし……


 ガァァンッ!


「グワッ!」


 ヤマタケの顔面が硬い壁にぶち当たる。

 見上げると見慣れた巨体が……


「巨体アンドロイド……スーパー・キャッチャー!」


 前に巨体アンドロイド、

 後ろに女性型のアンドロイドに挟まれてしまった。


「もうここまでやって来たのか……

 くそっ、計画通りに行かん!

 どちらかを突破して助けに行かなければ……」


 二体のアンドロイドを比べると後ろの女性型アンドロイド・レダの方がまだ突破できそうだ。

 力比べなら分があるはず……


「ダブル・ゴーレム・アーム!」


 振り返って巨大な両腕を広げて掴みかかる!


「アアア~!」


 レダは持っているマイクに向かって叫んだ!


 ビィンッ!

 ゴーレムの両腕が当たる寸前で空中で止まる。


「こ、これ以上、前に行けない!

 これがハヤオカが言っていた『音』の障壁(バリア)!?」


 ヤマタケの攻撃が壁に当たったのを見届けるとすぐに動き出した。


「ダァァッ!」


 マイクを握りながら右脚で強烈なハイキックを見舞う!


 バキィィンッ!

 音の壁を突き破りヤマタケの顔面に鮮やかに決まった!


「うがっ!」


 ヤマタケのヘルメットは散り散りに半壊した。

 ヨロヨロと後退し、後ろにある壁のような物体に当たる。

 しかし、それは立ち塞がっていた巨体ロボットだ。


「グガッ!」


 巨体ロボットはヤマタケの両肩を掴むと自分の頭の上まで持ち上げる。


「グガガガー!」


 そのまま前の地面に頭から叩きつける!

 3階くらいの高さから硬い地面に落下する衝撃!

 ヤマタケのヘルメットは完全に割れ、スーツの機能を失ってしまった。

 頭から血が、さっきの腹の傷もまた開いてしまった。


 前後のアンドロイドはほとんど無傷の上、全力で戦っていると言う訳では無い。

 こちらはスーツの助けはもう無い。

 肉体変換能力(ライズ)の強化は消えた。

 絶望的な状況……


「く……犬死にだけは……」


「オマエタチハ、コロサナイ、

 ウゴケナクサセテ、キャッスル・ブレインニ、

 ヒキワタス、ダケダ」


「き、記憶を消して操るつもりだな……

 そうは……行くか……」


「オイ、キャッチャー!

 ソイツヲツレテイケ」


 戦う意志を示すヤマタケを無視し、持ち上げようとする。


「ビ、ビッグ・フット!」


 ガキッ!


 キャッチャーの腕を蹴り上げる、が焼け石に水だ。

 その時、道の向こうからもう一体のアンドロイドが歩いてくる……

 『スーパー・ハンター』だ!


「はっ!?」


 アンドロイドの両腕はハヤオカとシミズの頭を掴んで引きずっている。

 肩にはヒビキが……


「ヒビキーッ! シミズーッ!」


 頭から血を流し意識をなくしている。

 二人のヘルメットも半壊してしまっている。

 頭に打撃を受けたのか……


 ヒビキ、シミズ、ハヤオカが戦闘不能……

 目の前には強大なアンドロイドたち。ハンター、キャッチャー、レーダー。


「モウ、オワリダ。オトナシク、シテイロ」


「もう……ダメ……なのか!」


 3体のアンドロイドが回りを囲み、巨体アンドロイドが再び掴み上げようと手を伸ばした。



「……待て!」


「!? ダレダッ?」


「もう他に味方は……」


 科学技術庁舎の中から白衣を着た男が姿を現した!


「お、お前は……リュウヤか!?」


 リュウヤはリツが開発していた未完成の物質転送装置を手に持っている!


「ヤ、ヤマタケ! こいつらをこの装置で電気に変えてやる!

 そうすれば元に戻れない! 俺たちの勝ちだ!」


「リュウヤ! お前、何故避難しない!?

 お前は普通の人間なんだぞ!?

 こんな場所にいたら……数分も持たない!」


「俺もイイノ課長の理想に憧れているんだ。

 あきらめるわけには行かない!

 人間だけの世界を目指すんだ!」


「リュウヤー! やめろ……」


 手に持った装置のスイッチを入れる!


「ぐ……ぐう……」


 強烈な電撃が装置についた針から放たれる。

 装置を持つ手は高熱で焼けただれて行く。


 バリバリバリ……


「キャアアッ!」

「グガ!」

「……」


 3体のアンドロイドの体が電気に包まれた。

 その体が光りのように消えて……


「マズイ……カラダガ……キエル……」


「うわぁぁぁぁ!」


 アンドロイドたちの体は強靱。まだパワーが足りない。

 執念で装置の強度を上げる。


「リュウヤー!!」


 ドカァァァンッ!!

 装置が……破裂した!!


「電気が……消えて行く……」


 アンドロイドたちの姿が元に戻る……


「タ、タスカッタカ?」


「く、くそっ。も……もう少し……な……のに……」


 バタンッ!


 リュウヤはバッタリと前に崩れ落ちる。

 両腕は焼けて、髪の毛も灰色になっている……


「リュウヤ……みんな……

 う……うわぁ!!」


 ヤマタケは泣きながら吠える。

 自分の力が無いばかりに……

 誰も助けられなかった。

 どうしようも無い怒りで叫んだ。


「うわぁぁぁぁぁ!!」


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