26.イシュライザーvsスーパーズ1
3体のアンドロイドが4人のイシュライザーに襲いかかる。
イシュライザーたちは四方に散り、狙いを分散させる。
「おい、戦い方はどうする?
実戦は初めてだぞ?」
黒いスーツのヒビキが冷静に言うがそんな事は皆わかっている。
今は戦闘を指揮する者が必要だ。
「ケッ、戦い慣れしてないヤツばかりが!
俺はヴェルのヤツと何度も戦っているんだ。
ヒビキは右ののっぺらぼうのヤツと戦うんだ!
真ん中のでかいヤツは俺がいい。
女型の左のヤツはハヤオカがやれ!
シミズは後ろに隠れてろ! 誰かが負傷したら治療だ!」
「わぉ、ヤマタケ、司令官みたいねー!」
「ちゃかすな! 目の前の相手に集中しろ!」
アンドロイドたちが目の前に迫っている。
3人は肉体変換能力を繰り出しながら突撃して行った。
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「ウッドペッカー・ピーク!」
ヒビキは右腕をキツツキの嘴に変化させ長い槍の形状になった。
すぐそこまで来ているアンドロイドは細身で顔がツルツルの気持ち悪い奴だ。
「うりゃぁぁぁ!」
嘴型の槍を相手の喉元に向かって鋭く突いた!
しかし、アンドロイドの避けるスピードが速い!
一瞬で左の側面に移動する。
こいつの脚は馬のようにしなやかだ。
ハンターの名の通り、相手を何処までも追跡するのに長けている。
左腕は拳銃に変形し、右腕は警棒になる。
塔の番人・セキュリティーポリス・ハンターと同じ機能。
機能を全てわかっているヒビキは次にそのどちらかが来る事を予想していた。
アンドロイドは左腕の拳銃でヒビキの頭を狙った!
「予想通り……上空に飛んで逃げる……」
しかし、拳銃ではなかった。
撃たれたのは弾丸では無い。レーザー光線!?
ザンッ
「くっ!」
光の軌跡を見てとっさに頭を傾けた。
かろうじてヘルメットの左頬をかすめてレーザーが通り過ぎて行く。
ヘルメットの左半分があっという間に溶解してしまった。
「これは……イイノ課長の光エネルギーを蓄積しているのか……
や、厄介な……当たっただけで終わってしまうぞ……」
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「ライノ・タスクだー!」
ハヤオカは右腕を『サイ』の角に変えて女性型アンドロイドの腹を貫こうとした。
速さも兼ね備えた突きは風を切って敵に到達する!
カンッ!
「!? バリア?」
攻撃は見えない壁に阻まれる。
「一体、何でできているんだ!? この壁……」
「アア~アア~」
アンドロイドから声が聞こえている。
右手に持っているマイクを口に向けるとそこから衝撃波が生み出された!
「ぐわっ!!」
触れてもいないのに空中に弾き飛ばされてしまった。
二回転、三回転、上下もわからない程、転がりながら床に打ち付けられる。
「音の攻撃!? それにあの壁も音……超音波のバリアか……
見えないなんてありえないよー」
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巨体のアンドロイドは四角い箱が連なった両腕を上から振り下ろした。
のろいが腕を大きく広げて逃げ道を塞ぐよう掴んでくる。
「ダブル・ゴーレム・アーム!」
ヤマタケも両腕を伸ばすと石巨人の腕に変えて敵の両腕に動きに合わせる!
ズンッ! ズカッ!
巨大な腕と腕が鉢合わせになる。
お互いの手が組合わさって握りつぶそうと力が込められる。
「力比べか! 望むところだ!」
待ってましたと言わんばかりゴーレムの腕をさらに押し出す。
アンドロイドの巨体を浮かばせるほどの剛力だ!
「ガガガ……ゴゴゴ……」
完全に相手の両脚が地面から離れバタバタと動かしている。
「アハハ……俺の方が力は上だな!」
勝ち誇るヤマタケはそのまま後ろに投げ捨てようと体を真横にひねった。
その時、アンドロイドの四角い胴体から何かが伸びてくる。
「あん? これは……」
砲門だ! いくつもの筒が連なり連射できる砲門がこちらに向いた!
ドドドドドド……
「な、何!? くっ……ギガント・ボディー!!」
ズガガガガ!!
エネルギー弾がヤマタケに撃ち込まれる!
途切れる事の無い連射を受けてゴーレムのライズは元に戻ってしまう。
掴んでいた手が離れアンドロイドは床に着地する。
やっと弾の雨がやんだ。
ヤマタケの腹からは高熱による煙があがる。
「グググ……」
衝撃から解放され力なく後ろに倒れた。
しかし、さらに相手の両肩からは新たな砲門が現れる。
「な……大砲!? 機銃と大砲の『要塞』のようだ!
体の至る所に武器が仕込まれているのか……
こんなもの……避けられるか!」
ズドォォォン!!
◇ ◇ ◇
訓練場の入口はシャッターで閉じられている。
しかし、その中には力が暴走したイイノがいる。
入口を守っているのはアンドロイドの『ブレ』、
いや『キャッスル・ブレイン』だ。
「イイノ……お前は凄いぞ。天才だ。
これほどのエネルギーを発生させるスーツを開発してくれたんだからな。
お前とスーツがあれば何でもできるじゃないか」
シャッターからは熱いパワーが伝わってきていた。
今だ能力が発現している証拠だ。
キャッスル・ブレインの雰囲気が変化する。
「何処まで強くなれるのだ。
星の力、宇宙の力と言うのか……計り知れない領域……
我々が手を出してよかったのか……
いや、これこそ1000年前の願望の為だ。
今こそその時の命令を達成させる」
◇ ◇ ◇
巨体アンドロイドの大砲が炸裂したかと思った瞬間、
ヤマタケの体が横から押し出される。
危ないところだったが掠っただけで攻撃を避けた。
「う……誰……だ」
ヤマタケは自分が水で濡れている事に気付いた。
「こ、これは水生生物の能力……
シミズ……か」
物陰に隠れていたシミズが水鉄砲を放って押し出してくれたようだ。
「ヤ、ヤマタケさん! 次の攻撃が来る前に逃げて!」
「し、しかし……体が……」
かなり重度の火傷を負っているようだ。
腹に力を入れると激痛で動けなくなる。
「や、火傷ね……ウォーター・ショット!」
バシュ、バシュ!
冷たい水を発射して腹の痛みを和らげてくれた。
「シミズ……」
巨体アンドロイドは隠れているシミズを発見する。
動いている者を標的にするようだ。
シミズに狙いが移ってしまった。
ドンドンと足音を立てながら近づいて行く!
シミズの頭上から両腕が襲いかかった!
「きゃ、きゃああああ!!」
ガシンッ
「ガガガ!?」
シミズの前にヤマタケが両腕を上げて立ち塞がっている!
敵の両腕を掴み、寸前で停められている。
「え……ヤ、ヤマタケさん!
あなたが……人を助けるなんて……」
ヤマタケの腹からは血が流れている。
「助けたんじゃねー……
こいつに仕返ししないと……気がすまねぇんだ……」
巨体アンドロイドも負けじと力を加えて押し潰そうとする。
「ぬぬぬ……」
業を煮やしたアンドロイドは再度、腹から砲門を出現させた。
「ヤマタケさん! 危ない!」
「……ビッグ……フット!!」
右脚を相手に向けて雪男の大脚に変化させる!
ズガァァァン
砲が撃ち出される寸前、アンドロイドの腹の砲門を粉々に破壊した!
「や、やった! ヤマタケさん!」
「……ざ、ざまぁ……」
激痛が限界に達し前のめりに倒れてしまった……
その間にアンドロイドが再び両肩の大砲を起動させる。
今度は二門同時に撃つつもりだ!
ヤマタケとシミズ双方に標準を合わせる!
「ああ……間に合わない!」




