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02 鳥籠の中で飼育される私
この鳥籠は何て窮屈なのだろう。
この体についている羽は、空を飛ぶための物。
それなのに、どこにもいけないという矛盾が私をさいなむ。
私を鳥籠に閉じ込めた男は、毎朝にこやかに耳ざわりな声でさえずってくる。
そんな意味不明な歌声、聞きたくないわ。
無遠慮にこの体をなでまわす、その手つきが気持ち悪い。
やめて。
油だらけの汚らわしいその手で私の体に触れないで。
そんな長いとげとげのついた道具で私の体をどうするつもりなの?
毛づくろいなら自分のくちばしでできるわ。
だけど私は大人しくじっと男を観察しているの。
油断を誘う為に、従順な鳥を演じてるの。
いつか私が鳥籠を抜け出した時に、貴方はこう言うんでしょうね。
「どうして。何が不満だったんだ」ってね。