どうやって起業すんの??
ドラゴンが...ドラゴンが出て来やがった!!
魔王。
それはダンジョンを有する強者の名声に過ぎず。
歴史上初めて迷宮を発現させたのはとある幕末の志士と言われている。
彼は亀山社中を設立したことにより迷宮の原型を生み出した。その後、組織と名前を変え海援隊と呼称を変えていく中で安定した迷宮を手にしたと言う。
その後、数多の迷宮発現者が現れたのだが、どの様に行えば迷宮を生み出せるのかは解明されていなかった。
さて、歴代魔王と呼ばれた者たちで現代でもその名声が轟く者は多い。
特に現代の若者世代でも分かるとなると、東の電王《魔王イースト》と西の電王《魔王エレクトロ》の台頭が有名である。その勇者を寄せ付けない圧倒的な改革と成長で邁進する姿は、かつての高度経済成長を象徴する立役者であった。
その他、何代にも渡り迷宮経営を維持し続け、現在世界最大の迷宮を保有する極東の機械王《魔王クラウン_十世》はどの世代にも共通認識で分かる世襲制の大王である。
また、魔王候補として勢いのある、赤の改革者《魔将ユニバース》や白の破壊者《魔将ドラゴン》は若い世代に特に注目されている。
そして彼らはいずれも日本、いや世界を変革する巨大な企業を創りあげている。それは迷宮が先か企業が先か。
「幸政ぇ〜?おーい!」
「っは!ごめん、考え事してた。」
「幸政それたまにあるよな〜、ヘンなコト考えてたんだろ?例えば、友理のあの大きく成長した2対の...っいで!!」
遊助を分厚い本の側面で叩いたのは幼馴染である友理だ。当時は委員長だった事もあり手を出す様な真似はしなかったが、最近は基本的に物理攻撃が多い。そして遊助よ、その事は常に脳のバックグラウンドで稼働しているんだよ。つまり友理の全身画像を何度も再生しているのだ!!ふふ、変態でごめよ。
「遊助なんか一生モテずに死んじゃえばいのに。」
「扱いひどいな!!」
悪いな友理、僕も同類なんだよ。
昔はただの幼馴染だと思っていたが、最近の成長度合いは目覚ましすぎる。成績優秀、真面目な性格と社交性の高さに加えて巨乳とサラサラヘアのスパーパンチだ。
ちなみに昔はずっと黒髪ロングだったハズなんだが中三の春休みを開けて高校の入学式からいきなりショートのボブへと変貌していた。後で理由を聞くと「幸政には言わない。」だそうだ。
くそ、定期的に女子の変化を見つけて褒めていたのに信頼は勝ち取れなかったのか。。。やはり顔か!この顔面が原因なんだな!クラスの女子にはかなり信頼を勝ち得て俗に言う雰囲気イケメンになれたと思っていたのに。
...親父、あんたの遺伝子ではダメみたいだよ。
「で、幸政と遊助はこんな所で何してるの?それに遊助は本なんか読まないでしょ?」
「な!失礼な!本くらい読むからな!...は●しのゲンとか!!」
おい遊助、それはネタなのか?
しかし、反対に友理は何しに図書館へ来ているのだろうか。
「友理こそ今日は何しに図書館へ?」
「へ?あ...ちょっと見かけたからかな。」
「見かけたって何を?...ああ、僕たちを見かけたからってこと?」
そんな驚いた顔しなくてもいいじゃないか。まあ、友理の赤面した顔を拝める訳だから意図的にしているんだけどね。。。
「そうだ友理、ちょっと見てくれよ。幸政と二人で迷宮経営について考えていたんだけど、どうも会社を興すのが大変らしいんだよ。」
「え!?あれまだやってたんだ!中学の時に真面目に受験始めたから諦めたのかと思ってた。」
そう、僕ら二人の迷宮経営計画は幾度となく頓挫している。それは知識不足や様々な外的要因なのだが、実は高校に入ってからは周囲には秘密にしている。
「当たり前じゃねぇか!オトコ遊助、二言はないぜ!」
「「...二言しかないの間違いじゃない?」」
「おおい!!声を揃えて言うなー!」
さて、しかし参ったな。友理は幼馴染だから知ったところでどうこうならないとは思うが。世間一般で高校生が「魔王になるんだ!」なんて言ったら普通バカにされるか現実を見ろとため息をつかれる事は間違いない。そして中学の頃の実体験だが邪魔をしてくる奴らもいる。
よし、ここは信頼してるよ作戦で様子を伺おう。
「友理、信頼できる友理だから言うんだけど...この事秘密にできる?」
「え...あ、うん。そうだね。中学の時色々あったもんね。」
友理は中学の時も味方になってくれた。きっと大丈夫だろう。そうなるともっと引き込んでしまおうと考えてしまうな...よし。
「これから起業するために、ある人にお会いしたいと考えているんだ。」
「むむ、ある人ってなに?総理大臣とか??」
「遊助、違うよ。総理大臣に聞いても会社の興し方は知らない。」
「じゃあ誰に会いに行くの?」
友理が意外にも興味津々に質問してくる。
普通の反応は「なんだこのバカたちは」と呆れる所なんだが。
「さっきインターネットについて話しただろ。そのインターネットを日本で今もっとも普及させている人物だよ。」
「インターネットを普及させている人って...まさか《魔将ドラゴン》!?」
「そう!彼も中学の時に現役の迷宮経営者に会いに行って今があるらしいからね!」
「そんなの会えるの!?いや...そもそも会えたとしてもあの人いい噂聞かないよ?パパが偽物の迷宮だとか色々行ってたよ?」
「会えるよ。って言っても親父の七光りだけどね。親父に面会に来ていた時にインターネットとメールについて質問したらメールアドレスと電話番号を教えてくれてさ!それにあの人はきっと何年先も見ているんだよ。だから周りに変人扱いされているだけなんだ。」
以前、親父の元へ訪れていた魔将ドラゴンに質問した事がある。その時はおじさんは何をしている人なの?といたった質問から今後のインターネットについての質問をさせてもらっただけだが、それだけでこの人は只者ではないとわかった。
なので一度、正式に時間を頂いて僕の考えをぶつけてどう返って来るかを試して見たいのだ。
「アポイントは僕がなんとかするよ!だか一緒に来て欲しいんだ!!」
「すっげー!よっしゃ決まりな!三人で魔将ドラゴンに会いに行くぞ!」
「ええ!?私も??遊助勝手に決めないでよ〜」
そうだぞ遊助、勝手に決めるんじゃない。まあ、あの人なら二人も三人も一緒だろうと言うんだろうけど。
「それじゃあ、アポとるから。...因みに魔将ドラゴンは東京だけど大丈夫?」
「...え!?もしかしてお泊まりってこと!!」
友理、君が言うと変な連想をしてしまうからやめてくれ。僕はただ純粋に旅費と親への許可について言ったつもりなんだが。。。
「んん..........い、行く!」
文章力なくてすみません。