悪役令嬢の婚約破棄~画家をいじめたら、国が滅んた
◇登場人物
オリジン:宮廷画家
ナナリー:画商
俺は、オリジン。
職業は宮廷画家。
絵を描いて売っている。
ある日。
道を歩いていると、騒ぎに出くわした。
人だかりになっていたのだ。
俺が中を覗くと、一人の令嬢と、王子がいた。
~~~~~~
「レイティア、君との婚約を破棄する。君の悪事の数々に…とても我慢できない」
「なっ。王子様っ」
固まるレイティア令嬢。
「二度と僕の前に現れないでほしいっ」
「ま、まってください、王子様」
「その毒婦の口を閉じていろ」
「なっ」
さっていく王子。
落胆するレイティア令嬢。
~~~~~~~~
俺は一部し始終を目撃した。
うーん。
どうやら、とある令嬢が婚約破棄されたようだ。
最近多いからな~婚約破棄。
俺はそんな事を思っていると、突然閃いた。
ビビっときたのだ。
何を閃いたって?
それは絵だ。
絵のイメージがふってきたのだ。
頭の中にクリアに見えた。
俺は急いで家に帰った。
そして絵を描いた。
ずっと没頭し、何も食べずに書き続けた。
何日も書き続けた。
すると絵は完成した。
自分で言うのもなんだけど、神々しい絵だ。
タイトルは、『神がウサギを拾って育てる絵』。
その名のとおり、神がウサギを拾って育てるシーンを描いた。
神がウサギを溺愛するシーンであり、神とウサギの恋愛でもある。
深い絵だ。
この絵を通して、俺はあるテーマを描いたのだ。
それは……「愛」だ。
愛を表現したのだ。
絵で愛を形にしたのだ。
神がわけへだてなく、様々な色のうさぎや、しっぽがくしゃってなったり、耳の形がおかしなウサギを育てるのだ。
『皆違って、皆良い』
それが言いたかった。
(うんうん、よく出来た)
俺は絵の出来に満足するのだった。
◇
さっそく、絵を展覧会に出した。
すると、多くの人が見に来て好評だった。
俺は嬉しかった。
◇
絵が完成し、好評だった。
なので、絵は高く売れるだろう。
俺は安心し、王国のネットカフェに来た。
実は、王国にはパソコンがある。
昔、日本から来た転生者、安部という者が置いていったのだ。
どういう仕組み化は分からないが、パソコンでネットサーフィンすると、日本のインターネットサイトが見えるのだ。
俺はパソコンでネットサーフィンする。
すると、とある小説サイトを見た。
サイト名は、「小説を読んじゃおう」。
多くの人が小説を投稿しているサイトだ。
数多くの小説が投稿されており、ユーザー数は日本一らしい。
俺はサイトのランキング作品を見た。
日間ランキングの、恋愛 (異世界)ジャンルの作品を読んだ。
タイトルは、『なんだか知らないけど、国が滅んだ』
この作品を読んで気付いた。
(あれ…これ…どこかで見たことあるような…)
(どうも何かの作品に似ているのだ)
(似ているな~)
(なんだったかな~)
俺は思い出そうとする。
何かヒントはないかと、前書きや後書きを見るが……ない。
どうでもいい事は書いてあるが、肝心の引用元の情報が無い。
何も無い。
まっしろ。
ナッシング。
この小説は、まるでオリジナルを装っているのだ。
そして、小説の感想欄を読むとビビっと来た。
感想に、「虐待猫やん」と書かれていたのだ。
俺の脳みそが高速回転した。
フル回転だ。
俺はググッタ。
そしてとある2chコピペにたどり着く。
◇虐待猫のコピペ~~~
1002:猫好きな名無しさん2014/09/17(水) 21:00:02 ID:Nekomemo22
一応、例のコピペを貼っておきますね
汚い仔猫を見つけたので虐待することにした。
他人の目に触れるとまずいので家に連れ帰る事にする。
嫌がる猫を風呂場に連れ込みお湯攻め。
充分お湯をかけた後は薬品を体中に塗りたくりゴシゴシする。
薬品で体中が汚染された事を確認し、再びお湯攻め。
お湯攻めの後は布でゴシゴシと体をこする。
風呂場での攻めの後は、全身にくまなく熱風をかける。
その後に、乾燥した不味そうな塊を食わせる事にする。
そして俺はとてもじゃないが飲めない白い飲み物を買ってきて飲ませる。
もちろん、温めた後にわざと冷やしてぬるくなったものをだ。
その後は棒の先端に無数の針状の突起が付いた物体を
左右に振り回して猫の闘争本能を著しく刺激させ、体力を消耗させる。
ぐったりとした猫をダンボールの中にタオルをしいただけの
質素な入れ物に放り込み寝るまで監視した後に就寝。
1003:@2103koebu2014, 9月 17
くそかわいい...
※主はやってることは優しいのにいちいち説明がひどいwww
1004:@hinako_seta2014, 9月 17
懐かしテキストの究極のツンデレ
1006:@hmiyabi2014, 9月 15
虐待という名の新たな幸せの環境。
まぁシャレがわからない人はタイトルで怒るが、手慣れた世話がいい感じ
1007:@takaP_unktnk2014, 9月 15
やめろー(建前)
ナイスゥ(本音)
1008:@rorivocaloid2014, 9月 15
1匹じゃ飽き足らず2匹目もだと!!(歓喜)
1009:@nek0saan2014, 9月 14
くぅ!くそぉ…いたいけな子猫に風呂攻めとはなんてやつだー!(棒)
~~~~(引用:【大反響】 2ch超有名コピペ「汚い仔猫を見つけたので虐待することにした」を再現した動画が話題沸騰中!!!)
(そうそう、これこれ)
(虐待といいつつ、拾った猫を大事に育てる話だ)
(この小説、このコピペとすごく似てる)
しかし。
このサイト、「小説をよんじゃおう」にある小説…
このコピペと同じような展開・表現が入っているのに、引用が見当たらないな。
コレだけ似ていると、注意書きなどがあってもいいのに。
おかしいな~。
おかしい~。
おかしいよっ。
(だってこの小説、猫を奴隷に置き換えただけだし)
(………)
あれれ?
これって、盗作じゃないだろうか。
いや、微妙なところかな。
微妙に内容変えてるし。
ネット上の誰が書いたか分からないコピペだから、例え盗作でも問題ないと思ったのかも。
そのあたりは曖昧だから。
しかし。
3000文字程度の短編でコレをやってしまうか。
短いのでやると、コピペ部分が短編のほとんどを占めちゃうけど。
今回は1/4を含めちゃってるからな~。
グレーゾーンを超えているように思えなくも無い。
むむっ。
解せんな。
こりゃ迷宮。
(って。こんなことしてる場合じゃないな)
(絵の売買があるのだ)
俺は画商のところに急いだ。
ちなみに画商とは、絵の売り買いをしている人だ。
絵を画家から買って、お客さんに売る人のこと。
画家とお客さんの間に入る人だ。
◆
画商宅。
なじみの女画商、ナナリーの家に到着。
チャリン チャリン
シーン
ベルを鳴らしても返事も無い。
今は昼だが、昼寝でもしているのだろうか?
俺は、「こんばんは~」っと勝手に家の中に入ると、ナナリーがいた、
彼女は小さくて、背は155cm程。
栗色の髪がウェーブし、リスみたいな子だ。
雰囲気もリスっぽい。
お風呂に入っていたのか、肌は赤くなり、まったりした顔。
体にはバスタオル。
俺と目が会うと。
「きゃああああ!。お、オリジンさん。ノックしてくださいいいいっ」
慌ててバスタオルを巻くナナリー。
もともと巻いていたが、しっかり巻きなおしたのだ。
「ごめん、ごめん。昼からお風呂とは思わなかった。絵の話があるんだ」
「わ、分かりました。ちょっと待ってくださいね。今着替えてきます」
「分かった」
「ラウンジの椅子に座っていてください」
「へ~い」
俺がラウンジの椅子に座っていると、心はウキウキだった。
なぜなら、展覧会で俺の絵が人気だったからだ。
一体、自分の絵がいくらになるか気になっていた。
多分、かなり高額になろうだろう。
又は、お城にかざられるかもしれない、と予想していた。
「お待たせしました~」
ナナリーが服を着て戻ってくる。
袖が長いローブ姿だ。
俺は直ぐに、ナナリーに聞く。
「俺の絵、おいくらかい?」
「えーーそのーー」
微妙な表情のナナリー。
口をまごまごさせる。
「どうしたんだい?」
「残念なお知らせなんですが、オリジンさん」
「何が残念なんだい?」
「オリジンさんの絵は売れません」
「はいいいいっーー!?」
俺は衝撃を受ける。
あまりの驚きで、あごが抜けそうになった。
口がしまらない。
って。
何をいってるんだ、ナナリーは。
あれだけ展覧会で人気だったのに。
俺の絵はすっごい人気だったぞ。
高く売れるはずだ。
(どういうことだい?)
俺は聞く。
「んほういうしこいうう」
「大丈夫ですか?オリジンさん」
おっと。
いかんいかん。
あごが外れて上手く話せなかった。
入れ歯をなくした老人みたいになってた。
ガクッ トントン
俺はあごを直してから。
「どういうことだい?」
「あの~既に、他の街で似た絵が売られているのです」
(?)
「どういうことだい?」
「はい。非常にオリジンさんの絵に似ておりまして~、展覧会の後に出まわりましたので、多分、模倣されたんだと思います」
「な、なんだと…」
俺は絶句する。
俺の絵が盗作されたのだ。
この俺の自信作が…神の一品が。
(そんな馬鹿な……でも)
「なんで?なんで盗作がまかり通る?表通りを歩ける?」
「はい。その絵なのですが…微妙に違うんです」
「どこが?具体的には?」
「はい。オリジンさんの絵は、『神がウサギを育てる絵です」」
「そうだ。俺が閃いた絵だ。神の恋愛の絵だ。展覧会でも絶賛だった」
「しかし、えっと…隣町の画家、レイソルさん絵は、『神が犬を育てる絵なのです』」
「な、なんだと。ウサギを犬に変えただけじゃん!!」
「はい。こちらになります。大量に出回っている、絵のチラシになります」
画商のナナリーが、盗作作家レイソルのチラシを出す。
チラシには、レイソルの絵。
俺はその絵をみて衝撃を受ける。
(こ、この絵…構図から背景の表現まで…に、似ている)
(ウサギが犬になったり…微妙に違うけど、それだけじゃん)
俺は放心状態になる。
あまりのショックに、腰が砕けそうになる。
ふにゃふにゃだ。
「おろっ」
腰が抜けて倒れそうになる。
「だ、大丈夫ですか?オリジンさん」
ナナリーに肩を支えられるが。
「えっと、ああ、大丈夫…なわけあるかあああああああああーーい!!!」
俺は叫んだ。
魂の叫びだ。
「許さん。その盗作野郎の所に今から乗り込んでやるっ!レイソルっていったか!?そのパクリ野郎は!」
俺がナナリーの家から飛び出そうとするが。
ドサッ
「うぐぁっ」
ナナリーに後ろからタックルされる。
腰を抱きしめられて止められる。
「お、オリジンさん、お、落ち着いてっ」
「離せナナリー…俺の魂を…パクられて…寝取られて…だまってられるかああああああーーー!!]
俺は叫ぶが…
小柄な女の癖に、以外に力が強いナナリー。
がっちり俺をホールドしている。
俺は一歩も動けない。
「は、離せ、ナナリー…」
「嫌です」
「男にはなー、やらねばいけないことがあるっ!」
「オ、オリジンさん。だめですよ。相手はどこにいるか分からないんですから」
「はい?」
俺がナナリーを見る。
「どういうことだい?」
「はい。感想受付停止というか、誰も連絡がとれないんです」
「そうか…知らないフリをして逃げ切る気だな。そのレイソルって野郎は。卑怯なネズミみたいな野郎だ」
「多分、そうでしょう」
「だが、俺は逃がさんぞ。そのレイソルって野郎を必ず見つけ出す」
「しかし…どうやってです?何か考えがあるんですか?」
「そうだな…」
俺は考えた。
考えて考えて……思考したのだ。
(………)
(………)
(………)
(!?)
そして閃いたのだ。
「良い方法が思いついた!」
俺は笑うのだった。
それと一言。
「ナナリー、いつまで俺に抱きついてるんだい?」
そう。
ナナリーはずっとl俺の腰に抱きついていたのだ。
顔を押し付けていた。
柔らかな栗色の髪がくすぐたい。
まるで、撫で撫でされたい子犬がご主人様に抱きつくようだ。
「あわわわっ~~すみませ~んっ」
ぱっと俺から離れ、顔を赤くして謝るナナリー。
同様のためか、彼女はヨタヨタして転びそうになる。
「んきゃっ」
俺は、倒れそうなナナリーの手をとり、助ける。
「おっと。ナナリー、危ないところだった。床にキスするところだったな」
「あっ、ありがとうございます。オリジンさまっ」
俺の腕の中で、キョロキョロするナナリー。
彼女は嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をしている。
俺と目をあわせようとしない。
そこで俺は悟った。
(ははぁ~ん)
(このナナリーの反応…まさかと思ったが、俺に惚れてるな)
(この宮廷画家で…天才画家の…この俺に)
(まぁ、気持は分からんでもないが。女は高確率で俺に惚れる)
(まったく、罪作りな男だな。この俺は)
ニヤリ
俺は笑ってしまう。
とある事が思いついたのだ。
これは~利用できるな。
ナナリーは使えるぞ。
画商だし、かわいいから人当たりが良い。
それに何より、恋する乙女は利用しやすい。
なら、できるだけ俺のためにナナリーを使ってやるか。
ボロ雑巾のように使ってやって…
パクリ野郎を痛めつけてやるか。
それが、ナナリーのためでもあるだろう。
俺は思ったのだ。
◇
その後。
オリジンは、ナナリーの協力もあり、見事盗作作家レイソルを見つけ出し、復讐した。
それと同じくして、ナナリーと結婚したのだった。
オリジンは、ナナリーを利用して捨てる気まんまんだったが、そこに愛が芽生えたのだ。
その結果、何の因果か……国が滅んだ。
そう。画家をいじめたら、国が滅んだのだった。
オリジンは、レイソルの盗作疑惑を1年かけて復讐します。
その間に愛を深めて、ナナリーと結婚します。
じっくりロングッ!