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1ー1ー3



瞬き一回でずいぶんと時が過ぎた様な気がする.年貢の納め時かもしれない.十数人(頭)の鏃が見下ろしている.逃げ場はなく、腕の傷口が痛む事が夢でないことを示している.


見下ろす半人半馬たち、そのうちの一人が馬のように立った耳を動かせたかと思うと、広い草原を見回した.私には何も聞こえない.だがチャンスかも知れない.そいつは仲間に合図した.仲間の一人は構うもんかと弦を絞ったが、私にも聞こえるほど馬蹄の音が大きくなると、かれらはその方へ首を向ける.上体を起こして、彼らの視線の先を見た.


白馬に跨がった青年の金髪が揺れる.構えたカメラから見えた整った顔.碧眼の美青年.苦境にも関わらずついうっとりとしてしまった.


半人半馬の、恐らくリーダーと思しき男は弓矢を構えたまま少し迷った様子だったが、近づく白馬を見ると、悔しそうに鼻を鳴らして、高らかにいななき去って行った.仲間たちも後に続いた.


尻餅をついて草原に一人置き去りにされた私の前に金髪碧眼の男に率いられた一団が止まる.彼らは遠くなる馬蹄の音を眼で追って、やがて私に注意を向けた.


カメラなしでもその男の顔立ちは整っていた.白馬の王子という言葉が思い浮かぶのは私にロマンチスト振りが過ぎたからではない(と思う).

彼らはどうか知らないが、私は救われた.言葉が通じる相手かはわからないがお礼はすべきだ.そう思った.矢先、白馬の王子は口を開いた.


[怪しいやつめ]


確かに私を見て言った.悪い予感がして身構える前に彼は後ろの仲間に私を顎で指して確かに[縛れ]と命じた.


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