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H国って言ったら、コーヒーだよね? その七

◆◆◆


話しを要約するとこう言うことらしい、亡命した王子には弟がいて軍事政権は何かの役に立つかもと殺したことにして監禁し続けていた、彼女達の親はその王子の世話係として軍事政権に雇われていたが首都陥落の際、大統領の海外亡命の交換条件の一つとしてまとめて王子ともども新政権に売られたとのことだ。


……なる程軍事政権は社会主義を標榜していたが正体は民族主義の大統領独裁政権だったわけで時代がどのように変わるかわからないし他の民族と共存する可能性もあることから保険として旧王家の血筋を取って置いたと……まあ有り得ない話しではない。


ここまでなら多少酷いが軍事政権の監禁状態から解放されたわけだからむしろ良い話しで終わるはずなんだが……残念な事に王子様一行にとって敵の敵である新政権は味方ではなかったと言うことだ。


新政権は旧王家に繋がりのある民族ではなく軍事政権下で労働力として連れてこられた近隣諸国の農奴たちによる軍事政権下からの解放運動の結果誕生した政権で旧王家とは全く関わりない人達だったわけである。


更に悪い事に旧王家はH帝国として近隣諸国に圧政を実施していた関係上はっきり言って他のどの民族にも人気が全くないどころか嫌われ恨まれ憎まれる存在だったりしたわけだ……


そんなこんなの裏地情を含めて首都を攻略して大統領の追放を条件に幾つかの目録を手渡されたホクホクの新政権ではあったがどうみても要らない一品が混じっていたため、散々悩んだあげくスポンサーであるA国に「王子様ご一行だそうです要らないので引き取って下さい。」と打診したわけだが、A国にしてみればやっとこの間兄が天寿を全うして厄介者のカタがついたばかりなのに今度は弟かよ(怒)……とまあ当然の如く引き取りを拒否されたわけである。


じゃあどうするんだよ?


解放政権は王家とか関係なしに民主主義国家として自分達で権力を握りたいわけで国民に指示すらされていない旧王家など必要ない……むしろ邪魔と結論がでるまでそれほど時間はかからなかった。


結論、A国、軍事政権残党、解放政権で密約が結ばれ無かったことにされてしまったのだ。


難民キャンプ近くのA国海軍基地に集められ皆殺しにされるところを貸家の地下防空壕に食料をとりに行っていた少女達は偶然難を逃れたとの事だった。


イロイロと疑問や矛盾点を上げればきりがないのだが、まあ難民キャンプや現解放政権へ助けを求められないのは納得した。


納得した……納得したがどうすんのよこの状況、旧軍事政権の人間で新政権に参加している節操なし共はかなりの数がいだろう、彼女達の顔を知ってる人が新政権にいるとしたらこの国で表を歩けないって事じゃん、政府が運営する孤児院にも難民キャンプにもこの国の公共施設には保護してもらうことが出来ないってことで……素性がバレたら生き証人である彼女達は躊躇なく殺されてしまうだろうしね。


そりゃ途方に暮れてうずくまってるより他にどうしようもないわな、俺は空を見上げ怒りなのか何なのかわからない感情を押し殺していた。

イライラしてやった後悔はしていない


警察官 じゃあ話は署のほうでな


(´;ω;`)ヾ(・ω・`)

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