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H国って言ったら、コーヒーだよね? その二 

◆◆◆


上司Aを見送った我々はヤレヤレとお互い顔を見合わせて、示し合わせたかのように事務所の外に出て市内を中心部に向かって三人連れで歩き出した、ボディガードさんは後ろから付いてくるそうで細かく必要事項を指示された、三人に一人とは言えボディガードが付くとか人生初の経験である。


「Dさんは、フランス語とイスラム語か。」


「イスラム語は代表的なのを聞き取りだけね、書くのは辞書をひきながらでも無理だね。」


Cはスペイン語とイタリア語専攻していたようだこれで代表的な植民地支配の言語が出揃った訳か、うんこれだけ話せる言語があれば何とか成るかもしれないな。


「とりあえずA市のメインステーションから……何処でしたっけBの植民地だった……」


「あ、G国ですね港まで貨物鉄道が通ってるんですよ。」


「コーヒー豆を出荷して日用品を輸入……まあ帰りは殆ど(から)コンテナで登って来るみたいですけど、贅沢品や兵器関連は空輸してるみたいですからね。」


「フーン、詳しいっすね、H国って今は海に面してないんでしたっけ?」


「Hr自治区は元々H国の一部だったんだけどFの植民地として割譲された歴史があるから……H国軍事政権とは敵対してたんだが内部事情が又ね、穏健派は民主主義国家になってH国と合併して経済を良くしたいみたいだけど武装派は完全独立、おそらく軍事政権に向かってて動いてるから多分H国は海岸線を持たない内陸国家に押し込められるんだろうね。」


「赤道付近で海を持たないって……。」


「超高級品のコーヒーなら空輸でも採算とれるかもだけどどうしたって買い叩かれるよな……自前の港をもたないんじゃ足元見られて。」


「俺達みたいな商社にね。」


「で話を戻して海路だけど、ニュース等で知ってると思うけど残ったSmはどうしようも無いくらい最悪だしね内戦終結の目途も立たないくらいテロの応酬で完全無政府状態の癖にHが海を求めて介入したときは一斉に向かって来るとかまあそこは王朝時代からの宿敵だからね。」


「ロシアとトルコみたいなもんですか。」


「日本と韓国とは言わないんだね。」


 お互い無言で顔を見つめ合い苦笑いした。


「Smに脱出路を求めるのは無いね、もしかしたら内戦状態になったHの方が理性的かもしれないよ。」


「陸路のSuとKはどうなんですか?」


「サバンナの中を未舗装の道が続いてるだけだし、民族がゴチャゴチャしてて実情は正直不明、だからと言って国境を無断で越えて万一拘束されたら最悪死刑もあるだろうから事前に上に掛け合って貰わないと脱出路としては弱いだろうね。」


「袖の下と言うか発展途上国定番の賄賂ですね。」


「自由に国境を出入りさせろとか無茶苦茶な話だし本気でやるなら国家予算規模の賄賂が必要ですね。」


「それも二ヶ国分。」


「と言っても日本なら地方自治体の予算レベルですから。」


「いや、出さないでしょ。」


「予算通るわけ無いよねー。」


「要するに陸路で逃げる場合は個人裁量で何とかしろって事ね。」


「安全なのはBの植民地だったGだろうね、小規模ながら軍港にはBやAの艦艇が駐留してるしスエズ運河の関係であの国に手を出すアホは流石に居ないだろうからね。」


「港の使用料は高そうだな。」


「鉄道で拘束される可能性は高そうだけどね、実際のところ旧王家の殆どが駅や列車で拘束されてる訳だし脱出を手配した御用商人もついでに捕まって金を取られてポイってね。」


「俺達は御用商人ってとこか。」


「Gに逃げる陸路があれば良いんだろうか?」


「それ、実際クーデターの時は脱出する市民で国境は長蛇の列だったらしいよ」


「あーなんか想像がつく、並んで待ってるところに武装トラックが来て一網打尽ね。」


◆◆◆


1990年代のエチオピア周辺諸国と酷似してますがあくまでもフィクションです。(;^_^A



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