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2.名前は

遅くなりましたがようやく二話目投稿にいたりました。キャラの名前付けで大変困りましたよ。ほぼすべてに名前付けられる異世界ファンタジーの人がうらやましいです。

「へぷしっ」ガンッ!


「いったぁーっ!?」


 くしゃみをして、その反動で頭をぶつけるという古典芸をやったところで目が覚めた。


 池に落ちたと同時に気を失っていたのか、目が覚めるとそこは、いつも釣りをしている場所だった。自分を見ると、服がびしょぬれだったので、体が冷えたからくしゃみが出たのだろう。

 そして横には俺同様にびしょぬれになった少し大きな猫がいた。というかこの猫、さっきの立っていた猫じゃないか?


「おい、お前さっきの・・・」


「申し訳ありませんですニャ!!」


 いきなり謝られた。しかもよく見たら猫なのに土下座とか器用なことしている。

 いや、今はそんなことより現状の確認をしないと。


「ちょっと待て、なにがあったのか知りたいんだ・・・」

「此度のことは本当に申し訳ありませんですニャ!何でもしますのでここであったことは誰にも言わないでくださいニャ!」

「あ、あぁわかったから状況を説明してく・・・」

「本当に、本当に申し訳ありませんでs」

「うるさいっ!いいから話をさせろっ!」

「ニャいっ!」


 つい怒鳴ってしまった。


 まぁ、おかげで猫の方も落ち着き始めたようだ。


 さて、落ち着いてきたところで気になることがいくつかある。

 一つ目は、この猫が喋ること。

 二つ目は、この猫が誰か?ということ。

 三つ目は、気絶してからどうなっていたかということ。


 そして何より、このままかかわっていいかということ。


 喋る猫といいこの状況、まるで、妹から借りた(というか強制された)漫画や小説の中身みたいな展開だ。

 このままだと、


「世界を救ってくれ!」


とか


「異世界に一緒に行きましょう」


とか。ひどい場合は


「バレてはいけないので死んでください」


とか言われかねないかもしれない。

 俺は今の日常に満足・・・はしてないが今のままでいいと思っている。


「あにょー、もしもし?」


 そんなことを考えていると、


「あにょですね、えーっとですね。あにょあにょ!?」


 無言でいたせいか、また猫があわて始めた。

 うーん、また怒鳴ったりもしたくないし、まあ何とかなるかな?

 妹には


「兄さんはどうしていつも状況に流されるかな」


と言われているがそれが俺だしなー。

 とりあえず話を聞いて、


「世界を救え」


やら


「異世界へ行こう」


やら言われたら拒否して、殺されたりしそうなら逃げよう、うん、それでいいや。


 というわけで話を聞いてみることにした。


「なあ」


俺が聞くと


「はい?」


と返事をしてくる。ということは会話は通じてるということか。っていうかさっき「うるさい」って言ったら黙ったもんな。


「話がわかるみたいだけど、あんた誰だ?」

「はい、とくに自分の名前はないのですが、人にはよくシチさんと呼ばれます」

「へっ、シチサン?」

「はい。なのでシチとでも呼んでください」

「あの」

「それにしても人も猫である私を呼ぶ時に、いつもさん付けとは礼儀がいいですよね」


・・・その名前ってどう考えてもこの猫の顔の模様が七三分けだからだよな。

 知らないで喜んでいるのは、なんか、可哀そうな気がする。


「あのさ」

「はい?」


 そこで俺は、自分の髪の毛を七三分けにしながら、


「たぶんあんたの顔の模様が、この七三分けっていう髪の分け方みたいだからであってさん付けされているわけではないと思うよ」

「えっ?」


というと、


「うぇ、うぇ、うぇ」


泣きそうになってる!?


「ちょっ、ちょっと、なに泣きそうになってるんだよ!」

「いえ、知っているにょです、ぐす、人は他人の髪型をバカにして喜ぶと、ぐす」

「なんで七三知らないのにそんな事情知っているんだよ」

「よく釣り人たちが『あの禿の人またいるよ、釣りじゃなくてツルツルなんじゃね』と言っているのを聞いたことがあるので」

「なにそいつひでぇ!」

「わたしもバカにされていたのですね、うっうっうっ」


 なんかさっきより悪くなってきた気がする。


「いやいや、そんなことないから!きっとわかりやすい特徴だからだと思うし」

「あの釣り人も禿の人と呼ばれてます」


 あちゃー。ど真ん中踏み抜いちゃったか。どうすっかなー。


「なあ、あんたってオス、メス?」


 もう踏めるものは今のうちに踏んで置こう。


「ぐす、これでもこのあたりで六番の美少女と言われている猫ですにゃ」


 わかんないよ!

 猫の違いなんて目つきと毛並みと体つきぐらいだよ。

 しかも六番目かい。

 それにしても雌猫か。よくみたら紫がかった綺麗な銀色の目だし、月みたいだな。


 月か、それなら、


「じゃあ俺は、これからあんたのことを『ユエ』と呼ぶよ」

「にゃ?」

「そしたらあんただけの名前ができるだろ」

「ほうほう、『ユエ』ですか、ふぉぉぉぉ!なんか可愛い名前な気がします!」


まったく、調子がいいんだから。


「それでは改めまして」

「ん?」

「私の名前はユエです。」


あぁ。


「俺の名前は坂名修斗(さかなしゅうと)だ。よろしく」

「さかなですか。美味しそうな名前ですね」


・・・目つきを鋭くするな。

改変場所・あらためて見て読みづらかったので余白足してあります。あと名付けしたときに、名前を復唱させました。

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