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No.1
たった一人。
そう、たった一人。
だれもいない。だれも。
私のまわりにはだれもいない。
でも、好きな人がいた。
彼は部活に入っていて、楽しそうだった。
彼の“笑顔”が、…太陽だった。
綺麗で、元気で、素晴らしくて…。
私は彼の全てに惹かれた。
ある日。
私は、彼に手紙を送った。
「桜の木の下で待っています。
2年A組 東 みく」
そう、ラブレター。
告白する、つもりだった・・・・・・。
その日は雨。
傘を差して、桜の木の下で待っていた。
来なかった。
フラれた。直感的にそう思って、帰った。
でも、来なかったのに、理由があった。
彼は、そのトキには、死んでいた・・・・・。
私の所に向かう途中、車に跳ねられたらしい。
今でも、桜の木の下にお供え物をする。
彼は和菓子が大好きで、
桜を象った和菓子をお供えしている。
死ぬまで、お供えする。
ごめんね。
でも、ありがとう______。
死んだら、もう約束に間に合わない。
彼は、どんな気持ちで死んだのかな…。