勝手に大事な個人情報が奪われる――「AIのため」なら保護されないのか!?
筆者:
今回は今の国会で「最も悪法」とまで言える個人情報保護法が改正された事について話していこうと思います。
凄く簡単に言うのであれば「AIのため」であればプライベートな情報が多く含まれる要配慮個人情報すらも同意なく収集されてしまうようになるんです。
質問者:
筆者:
これも野党がもっと深堀りしなくてはいけなかったんですけど、「審議拒否」によってその機会は失われました。本当に罪深いと思います。
個人情報についてこれまでの規定では、 人種、信条、社会的身分、病歴、身体・知的・精神障害、犯罪の経歴、犯罪被害など差別に繋がりえる情報――いわゆる、「要配慮個人情報」と呼ばれる情報の取得、個人データの第三者への提供等については、例外規定に該当した場合を除き、本人の同意が必要でした。
しかしこれからは、「AI開発など統計情報の作成に限り」、個人データを企業に提供する際の本人同意が特例として不要になります。
しかも、情報を収集する際に「生データ」でも構わないそうです。例えば病院などが持つ個人の名前や住所に紐づけられた病状や処方内容などが事業者に渡る恐れがあるんです。
https://mainichi.jp/articles/20260713/k00/00m/010/071000c
質問者:
え……! 加害者の情報は自ら起こしてしまったことだからまだわかりますけど、被害者の情報や病歴や信条まで……一体どういう事なんでしょうか?
筆者:
これらの情報を得ることが出来ないとAIの競争において劣後する恐れがあるからです。
中国では自国民の個人情報なんて無いようなものですから、AIにおける研究がこの個人情報からの分析においては世界で一番進んでいるのではないか? とまで言われています。
要はAIの情報を読み込む際に少しでも情報が欲しいんだと思います。
ソフトバンクなど4社を中心として産業用AIロボットなどとして期待されるフィジカルAIを開発する「ノエトラ」と言う会社が最近立ち上がりました。
この会社に対して3873億円を政府は出資することを決めており、「個人情報保護法改正はタイミングとしては絶好」とも言える瞬間だと思います。
https://www.asahi.com/articles/ASV6Z0G2ZV6ZULFA02LM.html
しかし、AIに読み込ませるのであれば尚更「仮名化・匿名化してから情報提供」しても何ら問題ないと思うんですけど、「個人名でもOK」と言う狂気の法律となってしまったんです。
病歴などは分かると思うのですが、分かりにくいところで言えば、過去の詐欺被害のデータは同じ被害者がまた詐欺被害に遭う可能性と言うのは高い傾向にあるのでこの情報が流出すれば「格好の獲物」になるという事を意味します。
信条が分かるという事は政府に不都合な発信ばかりをしている人は不利益を受ける可能性もあることを意味します。
質問者:
確かにそれであれば、何か裏があるのではないか? と邪推してしまっても無理は無いですね……。
筆者:
ただ、個人情報を企業が活用する際にはその後に「匿名加工情報」にする必要があります。
匿名加工情報とは特定の個人を識別することができる記述等を特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、当該個人情報を復元できないようにした情報のことをいいます。
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/tokumeikakouInfo/
この規定は前からありこの点は改正されていないようです。
ところが収集した個人情報のデータがキチンと「匿名加工情報」として処理されているのか? を調査することは困難です。
なぜなら個人情報を収集している会社なんて「可能性」として考えるのであれば無限大にあるのでイチイチ政府が監督することは困難だからです。
そのために「流出した企業に罰則」があるだけなので、「罰金を払う覚悟」をもって悪用や意図的に販売することは全然あり得るという事です。
◇「パランティア」を活用して政府が国民を監視する!?
質問者:
確かに、多くの企業が色々な情報を収集しているのを逐一監視するのは大変ですからね……。
筆者:
そんな中でネットでは気になる話があるんです。
トランプ大統領やバンス副大統領を当選させたことで知られているピーターティール氏のパランティアテクノロジーと言う会社があります。
このパランティアは「監視」において非常に高い精度を誇っています。
住所、車両登録、職場、家族関係など膨大な情報を分析し、捜査対象者を特定する仕組みでアメリカに国境を越えて押し寄せてきた不法移民の問題もこのシステム導入後は激減しましたし、イラン戦争でも標的を探す上で大きく活用されています。
しかし、ドイツでは警察がパランティアのシステムを導入していましたが、2023年、ドイツ連邦憲法裁判所はそれを可能にしていた州法の一部を大量の個人データを結びつけて分析することが、市民のプライバシー権を侵害する恐れがあるという理由で違憲と判断しました。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/93731?page=4
フランスでも国内情報機関の対内治安総局(DGSI)がパランティアの製品を使っていたのをアメリカからの戦略的依存を排除するために数年かかってでも国内産の製品に移行するようです。
https://jp.reuters.com/world/security/OALS6PRM4BK27FEAX5DBJUP5K4-2026-06-17/
質問者:
それだけ警戒されているという事は分かったんですけど、それと日本の今回の個人情報保護法と何か関係があるんですか?
筆者:
このパランティアは既に日本の防衛省に軍事技術の面では入り込んでおり、
https://www.asahi.com/articles/ASV6B3T07V6BULZU00DM.html
創業者のピーターティール氏は高市総理とも会っています。
https://www.asahi.com/articles/ASV3K24MTV3KUTFK00QM.html
現時点では予定は無いですが、「個人情報を活用して監視・管理」といった可能性も否定できないわけです。
質問者:
確かに既に防衛省にすら入っているパランティアが要配慮個人情報を本気で個人情報を分析したら一気に特定されてしまいそうですね……。
筆者:
場合によっては生体情報なども登録される可能性があると思います。生体情報なんてそうそう変えられるものではないので、悪用されてしまえば一巻の終わりになる可能性だってあると思います。
僕は多少ダルくても生体情報でのスマートフォンの鍵の解除などは登録しないようにしていますね。
そもそも現在、アメリカにあまりにもデジタル的なもので依存し過ぎなんですよ。
パソコンやスマートフォンはアップル、政府のサーバーはGoogle、サイバー防御はミュトス、こんな風にアメリカに「デジタル直接統治」されているも同然なんですよ。
パソコンとかは個人が買う問題ですからちょっと別ですけど、その他のことは政府が率先して行っているわけですからね。自ら従属国になりに行っているのは異常です。
◇上記を踏まえても「堂々と反対意見を主張する」ことが大事になる
質問者:
更にアメリカへのデジタル依存、そして監視社会になっていくだなんて何だか恐ろしい世の中になっていきそうですね……。
こうなると政府を批判するような言論活動は控えた方が良いんでしょうか……。
筆者:
この個人情報保護法改正によってそんな風に恐れる方もいらっしゃるかもしれないんですけど、
僕は恐れずにこれからも政府の問題点について追及していく発信をしていこうと思います。
質問者:
筆者:
そもそもこうい言った情報が流れて「恐れ」みたいな感情を抱いている時点で「政府の思う壺」だと思うんですよ。
「萎縮効果」という言葉があるんですけど、 「もしかしたら誰かに見られているかもしれない」「お上の意に沿わない発言をすると不利益を被るかもしれない」という、目に見えない同調圧力を社会全体に植え付けることで、国民側が自ら口を閉ざしたり、自己検閲するように仕向ける心理的効果があるんです。
この個人情報保護法改正やパランティアについてもそれと同じ類のものかなと思います。
質問者:
筆者:
これは僕の感覚ではありますので強制はしない考え方ですけどね。
言いたいことも言えないような世の中になったら終わりですよ。それも中国みたいなあからさまな全体主義では無く、自由な国でそんなことを自己検閲していたら本当に終わりです。
だから正論を言って多少の不利益を受けるぐらいなんぼのもんか! と思いますけどね。
それに裏では監視社会のデータとして集めていても、表向き上はAIのために生データを匿名加工情報にしなくてはいけないわけです。
じゃぁ、なんでそんなプライベートな情報まで紐づけられているんですか? AIの学習以外でも活用されているんじゃないんですか? と逆に追及する口実にもなるわけです。
質問者:
確かに「AIのための個人情報」のはずですからね……。悪用させるために規制緩和しているわけじゃないですから……。
筆者:
後々に制定されるであろう「スパイ防止法」が戦前の治安維持法や言論弾圧法案に進化し、政府にとっての不都合な言論で逮捕までされるようになったら流石に自主規制しますけど、その段階になっていないのであればめげずに政府への問題点追及を続けようと思いますね。




