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第4話 魔核は光り輝く

作者からのお知らせ(ピンポーン)

 このお話は、拙作「ごーれむ君の旅路」の外伝です。

 ごーれむ君は如何にして造られたのか?

 内輪ネタや本編のネタばらしもありますので、本編と並行してご笑読ください。


**********


 今回は、魔導機関(エンジン)のお話の続きや。

 双核式魔導機関(初期型)。

 コレはワイが造り上げた、最初の“魔導機関(エンジン)”や。

 周囲の魔素を取り込み、圧縮する、第1宝玉(コア)

 圧縮した魔力を物理力に変換する、第2宝玉(コア)

 2つの宝石を“核”として起動する、この世界初の“発動機(エンジン)”や。

 セルモーターなんぞないから、最初の起動には(コボルト)が魔力を注がんといかんのやけど、一旦起動すれば周囲の魔素が無くなるまで動き続ける、何処に出しても恥ずかしない、本物の“エンジン”や。

 

**********


 もちろん、欠点は沢山あった。

 まず、据え置き型で移動させることが出来ん。

 次に、出力が低かった。そりゃもう、絶望する位低かった。

 理由は魔導機関(エンジン)の要となる“核”が宝石を素材としていたことやった。魔導機関(エンジン)に限らず、魔道具も火球杖も、核となる宝石の大きさで性能が決まる。当然、宝石が大きい程出力は大きくなる。わかりやすいな。

 でも、宝石よ? そんな巨大な宝石そこらに転がっとる訳ないやん?

 当然米粒にお経を書くようなモンしか造れへんのやけど、宝石って米粒サイズでもエライバカ高い。ワイも国家財政を傾けてまで趣味に走るコトはできへん。

 この“大きさ制限”のせいで、エンジン開発は永らく煮詰まっとったんや。


**********


 話は変わるけど、この世界には魔法が溢れている。人型生物(ヒューマノイド)だけでなく、生きとし生けるもの皆が、大小なんらかの魔法を使っているんや。

 火球杖どころではない火炎を吹くドラゴンとか、葉っぱを齧られると高圧電流を流す電気柳とか、この世界の生き物は(人型知的生命体(ヒューマノイド)を含めて)魔道具とは比べモンにならん位の威力で魔法を使う。

 では、何故強力な魔法が使えるのか?

 エンジン開発が煮詰まったワイは、生物学的なアプローチで魔法の出力を高めようとしたんや。


**********


 結論から言うと、この世界の生物には魔法を使うための特別な器官があった。

 この器官は哺乳類系や爬虫類系の魔物なら心臓のすぐ横、蟲系の魔物ならだいたい胸部にあって、強い魔法を使う生き物ほど大きい傾向がある。濃さや色味に違いはあれどほとんどがキレイな紫色をしていて、内臓のクセに硬い。クリスタルの様な輝きを放つ、摩訶不思議(ふぁんたじー)な代物やった。

 最終的に“魔核(コア)”と名付けられるその器官により、“魔導機関(エンジン)”は飛躍的に進化したんや。


**********


 この“魔核コア”を、“魔導機関(エンジン)”に使えんかなぁ?

 ワイの狙いはバッチリ! 大当たりやった!

 “魔核(コア)”を砕いて粉にして、ムラサキ色成分を抽出、精製。

 圧縮して固めるとあら不思議。握り拳大の水晶みたいになった。

 こいつに“魔導回路(さーきっと)”を描き込むと!

 なんと! “魔導機関(エンジン)”の宝玉(コア)として機能するではありませんか!

 しかも! 大きさは今までにない位特大サイズ!

 “魔導機関(エンジン)”の心臓部たる宝玉(コア)のサイズUPでケタ違いの出力(ぱわー)が出る様になって。

 据え置き型から実用的な車載型への道が開けたんや。


**********


 魔核を精製して造る“核”はどんどん性能が上がっていった。

 表面だけでなく、内部に立体的に“魔導回路(サーキット)”を組み込むことにより、より複雑で、より強力で、繊細な制御ができるようになっていって。

 一つの“核”だけで“魔導機関(エンジン)”を動かせるようになった。

 小型かつ高出力の、夢の“魔導機関(エンジン)”の完成や。

 “魔”導機関の中“核”になる部品。

 新型魔導機関(エンジン)の中核をなす“(コア)”もまた、“魔核(コア)”と呼ばれるようになったんや。

 “魔核式魔導機関”、は単に“魔導機関(エンジン)”と呼ばれるくらいに普及して、犬頭族(コボルト)の非力さをカバーする“チカラの源”として進化し続けたんや。


【本日の技術史的マイルストーン】

魔核(コア)

 生物の体内から取り出した魔核(コア)を原料として造られる。

 水晶の輝きを放つ、魔導文明の基礎となる技術。

 材料さえあれば大きなサイズの魔核(コア)が作製できる。

 表面だけでなく内部にも魔導回路(さーきっと)を組み込めるため、宝石由来の核に比べ格段の出力を叩き出せる。

 コレにより、実用に耐えうる魔導機関(エンジン)の開発が可能となった。


(つづく)

 (C) 2025 れっさー  All Rights Reserved.

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