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第1話 コボルトの王様

外伝、書いてみました。

作者からのお知らせ(ピンポーン)

 このお話は、拙作「ごーれむ君の旅路」の外伝です。

 ごーれむ君は如何にして造られたのか?

 内輪ネタや本編のネタばらしもありますので、本編と並行してご笑読ください。


**********


「ロオォーーボオォォーーーッ!!!」

 奇声が辺りに響き渡るの。

(また・・・。王様にも困ったモノねぇ・・・。)

 王様付きの侍女であるアタシは思わずため息をつくの。

 ココはコボルト国の王宮。さっき響いた奇声はアタシ達の王様の声。

 知力強化型の変異種で、とっても長生き。死んだアタシのひい婆ちゃんより年上なのに、まだまだ元気。(変異種にはとても長生きする個体(ひと)が居るんですって。知らんけど。)

 時折ブツブツと呟き始める奇怪なコボルト(ひと)だけど、実は有能。

 弱小人型知的生命体(ザコノイド)だったアタシ達犬頭族(コボルト)を一纏めにして、一国を作り上げたの。(それまでの犬頭族(アタシ達)って、精々部族ごとに集落単位、家族単位で隠れる様に生きていたの。今とは雲泥の差ね。)

 そんな立派?な王様なんだけど、欠点もあって。王都の外れに広大な自分の研究室(ラボ)を作ってそこに引き籠るわ、王宮でも『ろぼ』だの『めか』だの喚き散らすの。(正直、カンベンして欲しいのよ。)


**********


(ハァ、また大声出してしもぅた。)

 王宮の執務室(自分の部屋)で、ワイは少し落ち込む。

(最近、公務(しごと)が立て込んでて、研究所(ラボ)に行けへんかったしなぁ。)

 王様稼業(おしごと)優先やさかい、研究所(しゅみ)が後回しになんのは仕方ない。けど・・・。

(なんで、異世界なんかに転生したんやろうなぁ…。)


**********


 お気づきやと思うけど、ワイはいわゆる“転生者”っちゅうモンや。

 転生前のワイは38歳独身(2738年生)のロボット技術者。ベテルギウス重工(株)の社畜やった。

 28世紀になって人類は銀河全体に広がったけど、いつの時代も社畜は社畜で。39歳の誕生日目前に過労死したワイはこの世界に転生した、っちゅう訳や。

 …底辺人類のわんこ(コボルト)に生まれ変わるとは、思わなんだけどな。

 有難いコトに、前世の知識はそのまま、生まれ変わったカラダは魔力適性アリアリで、ワイは頑張ったんや。

 気が付いたら、近隣の同族(コボルト)を統合して、一国の主(おうさま)になってもた。

 いや、王様が嫌んのとはちゃうで。生まれた時の、魔物蔓延る森の中、家族で隠れる様な生活に比べれば、天と地の差があるわいな。

 ただなぁ。ちっとも引退できへん。どうやらワイの身体は“変異種”みたいで、やたら長命なんや。せっかく部下を大臣やら将軍に育てても、ワイより先に死んでしまうんや。惚れた嫁さんや子ども()にも先立たれて、仕方なく王様やる日々が続いておったんや。

 そんな、鬱鬱とした日々を過ごしながらも、コボルト国を守るため日々お仕事しとったワイ、ある日妙案を思いついたんや。

 せや、ロボ作ろう! と。

 前世がロボット技術者、っちゅうのはさっき言うたな? お察しのとおり、ワイはロボ好きメカ部のオタク気質や。転生した今生でも、その魂は変わる事はあらへん。いやむしろマシマシや!

 幸いにも、ワイには土魔法の適性があった。土魔法(コレ)で、ワイはワイの好みなメカを、ロボを作るんじゃあ!


(つづく)

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