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23話

「誰もが大きなホールでできるわけではないからね。小さいサロンであったり、逆にパフォーマンスで野外でやったり。そういうのは音もそうだけど、楽しさが大事だからね。それも立派な音楽だ。自分が楽しいことが一番。それは否定できるものではない」


 そういうものを目指した頃がジェイドにもあった……かもしれない。早い段階から趣味と割り切っていたこともあったが、小さい頃にはプロを目指していた可能性が。そこはよく覚えていない。


 いつもショコラのことばっかりなのに、音楽を語るとは珍しい。今日がなにかポーレットには特別な一日に思えてきた。


「ま、たしかに。楽しくなきゃ続かないし。プロを目指してる人達ってのはそればっかりじゃないんでしょうけど。はー、大変」


 なにもかも平凡な自分。この子みたいにショコラティエールとか、音楽科の子達みたいに……全員ではないだろうけど、プロを目指している子達もいるのに。少し自己嫌悪。もっと個性。個性欲しいかも。なんだろ。悩んでみよう。


 少し、昔を思い出してしまったジェイドだが、それが今に繋がっている。だとすると、それは誇るべきことなんだろう。音楽にも触れていてよかった。


「ストラディバリウスは果たしてどんな楽器なんだろうね。実際に触れることができたのなら、是非とも試してみたいところだよ」


 ヴィオラにもこの神器はある。どこかで出会えたら。その時は簡単な、覚えている曲だけでも。一生の思い出に。できたらショコラをもっと頑張れそう。


 なんだか。応援してあげたくなる魔力をこの子は持ってんのよね、と絶対にそんなことは口には出せないポーレット。


「石油王と結婚したらオークションで落札してあげるから。それまで待ってて」


 それくらいはおねだりしてみる。お金で解決、ってのもなんだかアレだけど。一回弾かせたら、その後は相応しい人へ貸与とか。どんどん弾いてもらいたい。


 思わずジェイドは吹き出すが、じんわりとその優しさは身体に浸透してくる。卓球仲間から友人、とランクアップしていいよね? これ。


「楽しみにしてるよ。お礼に私も、金の延べ棒型のショコラを用意しておく」


 果たして味はどんなものになるのだろうか。香りは。そしてそれは。そこに至るまでの道筋は。私にどんな変化をもたらしてくれるのだろうか。

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