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18話

 モンフェルナ学園。寮の室内。ジェイド・カスターニュは冷蔵庫で冷やしておいたショコラをひとつ、味見する。


「ヴァイオリンに限った話じゃないんだけどね」


 そして皿に乗せると、同じく室内で下の二段ベッドに腰掛ける少女に手渡す。


「ふむふむ」


 身を乗り出して頷く、少女の名前はポーレット・バルドー。言い終わりと同時にショコラを口に運ぶ。ほんのりとブランデーとカカオが香り、噛み締めると不思議な食感。


 その中には半生のリンゴが入っている。ちょっと苦味が強めのカカオと、リンゴの酸味や甘味がマッチして妙に後を引く。何種類か微調整を入れながら作ってみたが、どうやら甘めのカカオではバランスが悪いらしい。たどり着いたのはこの割合。とはいえまだまだ改良点はある。


 ショコラトリーで働きつつ、趣味でも色々とショコラに関わることをやめないジェイド。壁に立てかけられたヴァイオリンを見つめながら、もうひとつ頬張る。


「楽器には『遠鳴り』『傍鳴り』っていうものがあるんだよ。ただ、遠鳴りってのはちゃんと解明されていない、よくわからないものでね」


「遠鳴り?」


 すでに三個目に到達しているポーレットは、まだ口の中で消化しきれていないにも関わらず、さらに次に手を伸ばす。


 二人は卓球仲間でもあり、よくこういった試食係として連れ出される。お互いにメリットのある関係性。運動後に糖分補給。そしてしっかりとスポーツの授業を受けていること。これがショコラティエールへの道に案外繋がっている。


 というのも、フランスではショコラティエの地位は高く、国家資格。ショコラティエになるためにはパティシエの資格も必要なほどで、合格するためには英語やフランス語といった基本的な能力が必要。


 さらに遡ると、学生として職業バカロレア取得も関わってくる。その中にはスポーツもあり、その種目がなぜか卓球の試験があるところが多い。つまりショコラティエを目指す者にとって、卓球は身近な運動だったりする。

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