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13話

 とはいえ、話に置いてけぼりをくらう他の四人は、


「?」


 とみな首を捻る。なんだかよくわからないけどシリアスな展開? 顔を見合わせるが誰ひとり理解できず。


 ほんのひと匙、ピリッとした空気を付け加えて。先に目を逸らしたのはオーロール。鼻で笑う。


「さぁてね。そこは秘密。でも間違っても彼女に私のことを聞かないほうがいいよ。クビにされるだろうから。知らんぷり知らんぷり」


「えぇ……」


 お預けをくらってベルは消化不良を起こす。上司であるベアトリス・ブーケには謎が多い。指の動きを見ただけで曲がわかるほど、クラシックに精通しているのに。となるときっとピアノは上手いはずなのに。演奏を聴かせてくれない。それを知るチャンスだったのに。


 ベクトルがズレてきたところで、まとめ役のヴィズが方向転換。巻き戻して全員共通の話題へ。


「話がズレてきたわ。なぜそのヴァイオリンを持っているの? というか。そもそもそれの所有者は誰?」


 もう一度ストラディバリウスのこと。この楽器を前にして、全く違う話を展開できる二人はすごいのかもしれない。


「ストラディバリウスは音楽財団だったり大学だったりが所有していることが多いけど、個人でって人も結構いてね。知ってるでしょ? その人から借りただけだよ。私も。あの子も」


 だから私が特別選ばれた人間というわけではないよ、とオーロールは付け加える。あの子、とはもちろんブランシュ・カロー。またの名をエステル・タルマ。世界一の調香師、ギャスパー・タルマの孫娘。でもそれは秘密。


 優れた楽器というものは、富裕層であるパトロンが所持していることも多い。貸し与えることで演奏者は極上の素材で弾く誉れを得、パトロンはそれを聴くことができる双方両得。その事実を明るみにすれば、パトロンとしては名を売ることもできる。


 また肝心なところではぐらかされる。ちょっとずつヴィズの怒りも蓄積されていく。


「その人、ってのは誰?」


「それは秘密」


 あっさりとオーロールは答えることを拒否。別に明かしてもいいけど、謎が多いほうが魅力的でしょ?

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