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10話

 元々、最初にブランシュをリサイタルに誘ったのはヴィズだが、今日のぶんに関してはブリジットから。だから。それが原因なんじゃないか。責任、のような重たい岩が彼女にガツンとのしかかる。このまま麻痺して動かなくなりそう。


 もちろん、それは完全なる杞憂ではあるのだが、楽しみにしていたというところからの落差。そしてなにより。この正体不明の人物のヴァイオリン。それが。その音が。あの子にあまりにも似ていて。どう反応すればいいのか。


 もう半分以上はパフェは平らげた。ここでオーロールは口元を一度拭う。


「ないこともない。あの子の最終的な着地点はどこにあるか聞いてる?」


 小休止。イスにもたれかかり、余裕の表情。一斉に襲いかかられたら負けるだろうけど。突き刺さるような五人の視線は痛いけど。


 ふぅ、と小さくヴィズは息を吐く。だんだんとこの人物の波長のようなものが馴染んできたのか、より冷静に。


「調香師。ヴァイオリンは趣味って。一番は調香師になること」


 だったはず。信じられなかったけど。いや、調香師を目指していることが、ではなく、趣味としてヴァイオリンを終わらせようとしていたことに。個人の自由だが、その先を見据えているような雰囲気を持っていたから。


「それそれ。その道が見えたんじゃないかね。知らないけど。私もさ。迷惑してるんだよねぇ。本当は故郷で今頃ぬくぬくとノエルと新年を迎える準備でもしてる予定だったのに。それを潰されたんだから」


 こんな華やかな場所で。やっぱさ、新しい年は厳かに迎えたいじゃん? とオーロール。


「でも、なにも言わずに消えるなんて。おかしい話だろ? なにか隠してるんじゃねーの」


 さらにイリナは追及の手を緩めない。いきなりいなくなるとか。ブランシュはそういうヤツじゃない。この中でも一番強く信頼している。自分を救ってくれたヤツだから。だから。本人の口から聞くまでは。絶対に。

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