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003話 チョットナニイッテルカワカラナイ

『で、私のそのーソールを救うってのは!?』


 リーサと名乗る自称ネコサン、もうこういうネコだとしておこう。


 数分後には、部屋奥にあるPCデスクの椅子に座りってまったりしていた。


 両手?で抱えたマグカップから牛乳をぺろぺろとなめるように味わっている。


 明かりはつけてもらったからその様子もよく見えている。


 口の動きにあわせてフェルトの口から出たベロが、ちろちろと牛乳をなめている。


 するとそこから少しずつ、布にしみこむのとは違う形で牛乳が消えてゆく。


 まるでモーションアニメか何かでも見ているような不思議な光景だ。


 相変わらずヘッドセットはつけたままだが、CGだからと説明もつけづらい。


『(感覚的、気配的なものとしては確かに、ここに”いる”んだよな)』


 いわれるままにどうぞどうぞであげた牛乳までCGといいはるのは難しい。


 もう、”こういうネコがいてもいいじゃない”で片付けておくことにした。




「ごちそうさミャでした。三次元のミルクもおいしいですニャ」


 ひとしきり味わったあと、リーサはマグカップをデスクに置いて、向きなおった。


「ではサトウショウタさん、ショック死でオブツダンになった~」


『オブツダン!?』


「えーと、オブ~翻訳の調子がよくニャいみたい。死んじゃって、ニャくニャって、オブツハマトメテショウキャク?じゃニャくて」


『もしかして、オダブツ!?』


「それニャ!」


 会話にあわせてネコミミがぴこぴこと動くが、まるで教育テレビの人形劇のノリだ。


 ご当地ゆるキャラのかたがたと会話をしているような気分にも通じるものがある。


「あニャたのソールとかスピリッツ、た~ミャしぃ的ニャものは、もうすぐ肉体から完全にはにゃ?れ、この地にただよう”おおいニャる流れ”へ戻ります」


『?』


「で、おニャおしとか補填、その他加工処理をしたあと、新しいソールへとリフレーッシュ!されることにニャるんだけど~」


『ちょ、ちょっとまって!』


 いきなり早口でスピリチュアルな話がきた。なにこれこわい、怪しい勧誘?


 今の自分はたしかに”スピリチュアルでソールフル”な存在っぽいが、ちょ待てよ。


 そもそもどうしてこうなった、チョットナニイッテルカワカラナイ。


『ちょっとまって!わけわかんない!!いったん整理させて!!!』


 反射でちょっと大きな声がでてしまったが、リーサは気にしていないようだ。


「記憶が混乱しているキャもデスね、まず気持ちをリラックするんだニャ」


 のびてきた触手は、上半身をつつみこみ、さらに頭をナデナデしてくる。


「つぎに、今どうしてこうなっているか、今日の出来事を思い出してみるニャ」


 言われるままに、意識を記憶に集中させてみる。


 どうしてこうなった。今日一日のことを振り返ってみよう。


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