restart
新連載。続く気がしない。
………
……………
……………………
…………ぁぁ…あー。
新しい朝が来た。希望の朝ではない。
むしろ新しい一日が始まるのならいっそのこと、、、
俺は生まれたときから体が弱く、不治の病にかかっていた。生まれたときの診断では俺の人生は、二十歳まで生きられればいいほうだったそうだ。俺はそれゆえに病院から出たことは数えることしかない。いつも母が一人で俺の面倒を見てくれていた。
俺は物心ついたとき、その話を受けて何か月もふさぎ込んだことがあった。病院暮らしで、友達すらまともにいなかったが、小さなときには同じくらいの子とサッカーやバスケなどをするのが夢だった。もちろんそれはかなわないことだし、かなわないことも知っていた。それでも俺は夢をあきらめることはできなかった。
俺は夢をかなえるために自分にできることを考えた。出た結論は必死に勉強をして、現在の医学では到底治すことのできない俺の体を治す方法を探すことだった。毎日起き上がるのにも全身が痛く必死だった。それでもいつか治す方法を発見できる可能性があるのなら、どんなに辛くとも毎日欠かさず勉強をした。
そんな日々を過ごし俺は二十歳になった。勉強は一般から見るとかなり上のほうに属するくらいにはできたと思う、しかしそろそろ俺は…。
死期が近いのだろう。俺はそう感じて勉強をあきらめ、この二十年間俺に尽くしてくれた母に恩返しするためにできるだけ母と会話をした。それ以外にできることはなかったのもあるかもしれない。
死期を悟った俺は毎晩生まれ変わったらせめて普通の人生を送れるようにと、願うようになった。
そんな日々を過ごしていた。
そしてまた新しい朝が来たのだろうか、きっとすぐ目が完全に冷めたらあの痛みが体を襲うのだろう。
…あれ、まだ目がかすんでる。それに光がまぶしい。いつもなら俺はすぐに目が覚めるのにまだ寝ぼけているのだろうか。痛みも来ない。
……おかしい。完全に意識が覚醒しているというのに全く痛みも感じない。明晰夢なのか?
いや違うだろう明晰夢ならこんなにぼんやりしていないはずだ。夢は自分の記憶から作られるものであるから、物にここまで焦点が合わずにいることなどないはず。
いろいろと意味が分からない。けれどもし俺の意識が覚醒しているのだとすればそれはおかしい。天井の色が俺のいた病院と違う。
…知らない天井だ。
なんて言ってる場合じゃないか。
あっ、誰かが近づいてきた。話しかけてみよう。
「ぉんぎゃーー。ああーーーー。ばぁぶー。あひゃぁー」
(すいません。今日は体の痛みがしないのですが全身麻酔を投与したのですか?)
は?
今の俺の声か?
いや、まてよそんなこと…え?
俺、転生したのか?
いやいやまさかそんなこと。
あ、手が伸びてきた、何をされるんだ?
………………抱っこされた。精神年齢20歳にだっこはなかなかきついものだな。
それより確信した。どういう理屈かはわからないが俺の体は赤ちゃんになっていた。漫画や小説のような転生なんじゃないだろうか。
俺の願いを神様が聞いてくれたのだろうか?
まぁ関係ないか。あの地獄のような体とはおさらばできたんだ。それでいいじゃないか。
俺はやっと普通に生きることができるぞーー!
「おんぎゃぁぁーーーーーーーー!!」
(よっしゃぁぁーーーーーーーー!!)
俺はその日とてもとても大きな産声を上げた。
頭の中にストーリーがあっても書く気が起きない。