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とある婚約の行方について

作者: 甲斐月誠子

 好きな人ができたから、婚約破棄して欲しい? 殿下の有責で?


 でも、この一年余りのほとんどの期間を、各地の魔物討伐に専念されていた殿下に、浮気と呼べる行為がなかったことは確認されていますから、有責はないかと……。


 それに、本来は、陛下からか、当主であるわたくしの父から、お伝えするべきことだと思うのですが。

 

 ……実は。半年以上前にわたくし達の婚約は解消済みなのです。

 いえ、白紙になったが正しいでしょうか。


 あ、殿下に非はありませんの。


 わたくしの事情が9割、我が家の事情が1割でしょうか。


 5年前の婚約は、我が辺境伯家の跡継ぎ候補が、当時はわたくし一人だったこと、母の新たな妊娠が難しいことがあり、殿下の婿入りを前提としたものでした。


 ですが、3年前に再婚した祖父に、1年以上前に新たな男子が産まれたこと。その際、母のことを治療してもらい、3か月前に弟が産まれたことで、我が家の跡継ぎ事情に変更が出たことが一点。


 それ以上に、3年後の予定だった婚姻が、わたくしが妊娠可能な身体になるまで、何年かかるかわからない……下手をすれば、白い結婚が10年以上必要という医師の診断がでたことで、王家と話し合いを持ちまして。

 いったん、……え?


 あぁ、違いましてよ。

 我が家に様々な種族の血が混じっているのはご存じだと思いますが、わたくし、エルフの血が強く、成長に時間が人一倍必要になるそうですの……。病気などではありませんから、ご安心ください。


 申し訳ないのですけど、婚約解消にともなう殿下の今後の生活や、新たな婚約については、陛下に確認をお願いします。

 この一年。王宮でもいろいろありましたから、殿下の婚約話が進んでいない可能性もありますけど、そのあたりはわたくしには伝わってこないことなので……。


 あら。

 王家からわたくし宛? 陛下に、殿下が来られたことを最速でお伝えしたにせよ……。


 ……陛下が、転移門を使用され、これからこちらに来られる…あ、到着されたようですね。

 わたくしは一度、席を外しますので、用がありましたらお声がけください。

 


………翌日……


 

 え?

 先月、冒険者活動中に出会って恋をした相手が、新たな婚約者……?


 数日一緒に活動しただけだし、まともな自己紹介をしていなかったから、あの後の顔合わせで再会して、お互い目を丸くした?


 ……そうですか。お相手について、ほとんど情報がないにもかかわらず、殿下は昨日、婚約破棄を告げてきたということでしたか。


 ……まあ、いいでしょう。ご婚約、おめでとうございます。


 ところで、お相手について伺ってもよろしいですか?


 ……って、お相手は隣国の公爵家長女?


 ……ということは、お姉さまと? 隣国でもいろいろあったらしいとは、小耳にはさんでいましたが……。


 あ、姉のようにお慕いしているだけですわ。ご存じかと思いますが、国は違えど、魔の森に対して、ともに戦ってきた親族でしてよ?


 とりあえず。


 お姉さまを裏切る真似をしたら、わたくしも許しませんので、覚悟のうえで行動してくださいね。





その後のお話。


殿下と隣国公爵令嬢は、いろいろ発生した問題を二人で乗り切って結婚する。、


語り手のお相手については未定だけど、10数年後に長寿の種族と結婚、数百年生きる?? 。

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