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七翼が舞う  作者: ELIE
2章 双子の魔族編
9/40

暇な時間

魔法学校は基本自分でカリキュラムを決める。必要な単位を取ればいいのでクラスとかはなく。研究会にも入っていない私たちは、友人の一人もできてなかった。まぁ多くの学生がそうなので気にしてないが。

研究会は未知の魔法や法則などの探求などをする組織である。でも特段興味もなかったので入らなかった。

そうなると比較的暇な時間ができるわけで、アスラのカリキュラムは私と一緒なので暇な時間が被るのである。

で、暇な時間ができればやることは1つ。模擬戦である。

学校の演習場は人目があるから使用しない。私はともかくアスラの魔法は目立ちすぎる。

というわけで私たちの王都の別荘の庭で毎回行われる。


「じゃあ準備はいい?今日のルールは致命傷や火力が高すぎる魔法は禁止。それ以外は何でもありで!」

「わかった。けど君の魔法はどれも火力が高すぎるのでは?」

「?何を言ってるのか分からないわね。頑張りなさい!私の護衛でしょ?」

「あのでたらめな【火炎槍】の連射は該当するだろ!何回死にかけたと思ってるんだ!?」

「あれはあなたが意地悪やら、こ、公衆の面前で私の暴露話をするからでしょう!」

そういい【火炎槍】を放つ。それを間一髪でかわす。

「俺が悪かった、だからノーモーション【火炎槍】はやめろ!」

「準備ができてそうね。じゃあ始めましょ。」

「あの~無視はやめていただけると・・・」

「始め!」


開始の合図とともに互いの剣を抜剣、エレノアがアスラに【火炎槍】を放つ。

アスラはそれを躱して間合いを詰めるべく疾走する。

エレノアがニィっと笑った瞬間足元から火と闇の混合拘束魔法【火炎縛鎖】を発動。反応が少しでも遅かったら確実に捕縛されつつ焼かれていた。相変わらずの静謐性だ、まったく気づかなかった。

そして躱した先に【火球】で追い打ちしてくる。マジで強い。

魔法の連射速度、静謐性、戦闘センス全てが高い。唯一の弱点である魔力量の低さも完璧な魔力制御で、無駄なく魔法を行使してくる。

だけどこっちもやられっぱなしは癪だ。すかさず【黒炎鳥】を発動。【火球】を突き破り。エレノアにめがけて飛翔。だが漆黒の鳥はエレノアに着弾するとともにエレノアに吸い込まれた。


「おいおい、なん御冗談だ?あの一瞬で俺の【黒炎鳥】の魔法の“型”を分析して魔力の回廊を無理やりつなげ、自分の魔力にするとか。」

「私が何回あんたの【黒炎鳥】を見てきたと思ってるのよ。もうその技は見切ったわ。」

「バケモノめ...」

「あらレディに対する言葉遣いじゃないわね?」

「こんな物騒なレディがいてたまるか。あんたには御淑やかさが欠片もない、外見だけさ!」

「ア~ス~ラ~? だ!れ!が!御淑やかじゃないって?燃やすわよ?」

「普通のお嬢様は燃やすとか言わないと思うんだがっ!」


そう言い放ち鬼気迫る様子突撃してくるエレノアと剣を打ち合う。エレノアは仮にも騎士公爵家の人間。剣の腕もそれなりに高いのだ。

だが俺は剣には結構自身がある。エレノアと互角以上に渡り合える。

そんなことを考えていたら、

「熱っつ!」

足元に炎の鎖が絡みついてきた。いつの間に!と思った一瞬の隙をついて首元に剣突き付けられた。

「まいった、俺の負けだ。最後の【火炎縛鎖】はマジで気づかなかった。完敗だ。」

「ふん もっと根性見せなさいよ!じゃああんた負けたから、これからの買い物に付き合いなさい!」

「え?それってデート?」

「!!!違うわよあんたは単なる荷物持ちよ!勘違いするんじゃないわよ!」

「はいはい。わかりましたよ。お付き合いしますお嬢様。」

「からかい一回につき荷物が1つ増えるわよ。」

「!!!それは勘弁。ごめん、悪かった。」

「じゃあ準備するわ。あんたも着替えてきなさい。あとで玄関で会いましょ。」

そう言って家に入っていった。やれやれ我儘お嬢様になってきたな。でもそこが案外かわいいんだよな~

そんなことを小声でつぶやきながら自分も準備をするため家に入るのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ルナここに入って。荷物に紛れて街に入るわよ。」

「ん わかったの。お姉ちゃんは?」

見るからに疲弊している妹が聞いてくる。

「私は隣の樽に入るわ」

そう言って小さな二つの樽のふたを開け樽に入る。

こうして双子の魔族が王都ガルムに入国した。


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