お願い
「おお帰ったか我が愛するエレノアよ。それで魔獣討伐はどうなっ....エレノアその血まみれの男は誰だ。ッハ!まさか屋敷を出てあ、逢引きをしていたわけではあるまいな。お父さん許しませんよそんなこと!まだ早い!早すぎる!」
屋敷に帰って早々私の御父様“ガレス=アレインスター”がアスラを見て錯乱しておられます。心配してくれるのはありがたいのですがなぜ 血まみれ<逢引 になるのでしょう?まずは手当や事情を聴くことからだとおもんですが・・・
「初めまして、おr、僕の名はアスラと申します。【魔獣の森】で魔獣に襲われていたところをエレノアお嬢様に助けてもらいました。」
「むっ、そうかそれは大事だったな。恥ずかしいところを見せてしまった忘れてくれ。」
「ッハ」
「御父様。試験の完了を報告しに来ました。魔獣五体討伐完了いたしました。」
「ほう、さすが私の娘だ。して魔獣の死体はどうしたのだ?」
「屋敷の庭に倒した状態のまま置いております。」
「それでは見に行くとしよう、試験の判断材料は魔法以外の攻撃痕があるかないかだ。それではアスラ君だったか?君をお客人として案内させよう。ちゃんと治療したほうがいいだろう?」
「わかりました。ではエレノアお嬢様失礼します。」
「わかったわ。夕食でまた会いましょう。」
アスラにかけた角隠しの魔法は他者に感知されにくい静謐性を最大にして組んだからあの御父様にも気づかなかったわね。
「それでは御父様まいりましょう。」
「うむ、行くとしようか。マッチ。アスラ君を頼むぞ。」
「承りました。旦那様。」
(!? 嘘だろまったく気配がしなかったぞこの執事。なにもんなんだ。)
突如現れたアレインスター家の専属執事“マッチ=ワルツ”に驚いていたアスラをみて笑ってしまいそうになってしまったわ。かわいいわねこの子。
「エレノア。合格だDランク魔獣2体Cランク魔獣が3体とは、さすが私とエレインの自慢の娘だ!」
「ありがとうございます。ですが抱き着くのは、あの、その、やめていただけると・・・」
「!?そ、そうか、そうだなエレノアも年ごろなのだな。お父さんちょっと悲しい・・・」
思わず抱きしめてきた御父様を拒絶してしまいました。私ももう13歳です。さすがに恥ずかしいんです!
「これでエレノアは魔法学校の入試を受ける権利を獲得したわけだが、合格は確実だろう。早いかもしれんが入学祝いは何がいい?なんでも与えてやろうぞ。」
そうですね。これと言って欲しいものがありません。あ、そうだ。
「では御父様1つだけお願いがあります。」
「うむ。何でも言うといい。」
「では。アスラを一緒に魔法学校に入学させてほしいです。私の護衛兼執事として。」