浅い眠りと深層意識の境界
殺意で頭がガンガンする。
喉仏を砕く様に首を絞める夢は既に見てしまったし、他の方法だって忘れているだけで、だいたい見飽きてしまっているのだろう。
中途半端な現実味を帯びた感触と、沸き上がる昂揚感で笑いっぱなしだったなんていう、どうでもいい事は覚えているのに。
しかし、死顔を見たいとは思わない。
余計に寝覚めが悪くなる。
「ま、誰でもいいか……殺せれば」
そうしてまた、見知らぬ誰かを殺す。
そうすれば、何度でも殺せるから。
本当に消したい存在の代わりに、殺したくもない屍を重ねていく。
「血の匂いがしないなんて……もっとグロテスクでもいいのに」
所詮、夢なのだから。