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真夜中のオリンピック  作者: ばつこ
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神様はサンランして

神様はサンランしてわたしたちは溺れる肺に愛の金属を流し込まれ

て星が狂いだし風が明滅するわたしたちは灰だ むかし巨人たちに

焼き尽くされ膝をついた人がたの蟻塚 そこに小さい女の子たちが

出入りしているアニメキャラが描かれたわら半紙を大事そうに運び

こんで燃やしている暖をとっている季節は冬だから わたしたちは

腐っていく蟻にたかられるそれはお母さんが台所に放っておいた夕

ご飯のようにまたはある廃墟が自分たちの埃を積み上げていくよう

にこぼれおちた世紀の塵が誕生日パーティで吹き消される蝋燭の火

になってわたしたちをお祝いするお誕生日おめでとうあんた何歳に

なったの11歳だよだからわたしたちは潰れたトマトのむざんさにお

えつを漏らし嘔吐するそれは道路を横切る潰れた芋虫がおとなにな

る前に空想していた将来とはいくぶん違っているから ディスプレ

イに流れる空間の切片を繋ぎ合わせて星の正気を保とうとしても彼

は病院の一室で若いアンチャンと話して乾いた瞳から死の光線をこ

ぼす原子爆弾の記憶をこころのどこかから掘り出そうとしているサ

ンランする神様を糸で繕うようにそれは虚しい仕事だ 光がコンク

リートの壁を這って桜が散り始めるころサンランするやがて蛆虫が

サンランしてわたしたちは脱糞して叫び出す誰もそのことを教えて

くれなかったから 声は銅色で新しい夜を創造するわたしたちは息

絶え笑いだす骨だけになった魚にいただきますを言うそして電灯の

光だけが遠くの方でチラついてるのを見ながら夜の中をゆっくりと

這っていくあるひとつの塊になってそれはとてもうつくしくほがら

かであたたかい


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