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幼い私のトロイメライ  作者: 霊箱きゃろる
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1.夢のような家族

これは今から遠い昔のお話です。

高い建物は無く、排気ガスも充満しないくらいに昔のお話です。

お父さんが牧場で働いていて、お母さんはいつも家にいました。

私は特にすることもないので、気が向いた時にお父さんの手伝いをしたり、それ以外の時は牧場を駆け回ったり、泥遊びをしたり、たくさん遊んでいました。

私たちの住んでいる小さな町には、名は知れ渡っていませんが、小さな教会がありました。

私たちは毎週の日曜日にその教会へお祈りをしに行くのです。

今日もその教会へ行きました。

教会の美しい色の窓からは淡い太陽の光が射し込んでいて、とても綺麗でした。

その光に乗ってか、教会の中に夢の中にいるかのように心地の良い音楽が流れて来ました。

私たちはお祈りが終わると、家に帰ります。

家に帰ればお父さんはリビングのテーブルに座り、新聞を広げて読んでいます。

お母さんは私たちのお昼ご飯を用意してくれています。

「お昼ご飯運ぶの、手伝ってくれる?」

お母さんが、お父さんの反対側に座って新聞の背面をぼーっと眺めている私に声をかけます。

「はーい」

呑気な返事をして、私はお母さんの手伝いをしました。

今日のお昼ご飯はポトフでした。

お父さんの育てた豚のお肉が入っていました。

薄味のポトフは、とても優しい味で、ほくほくのじゃがいもがとても美味しかったです。

皆が食べ終わると、手を合わせてごちそうさまを言いました。

食器を片すのを手伝って、今日はお皿洗いも手伝います。

私はいつも食器を片したら遊びに行ってしまうのですが、日曜日は教会の神父さんに、今日くらいはちゃんとお母さんのお手伝いをするんだよ、と言われるので、この日だけはたくさんお手伝いをするようにしています。

ですが、料理をするのはまだ子供の私には早いらしいのでそれはしていません。

食器を洗い終わってしばらくの休憩をとったら、今日はお父さんが遊んでくれると言います。

私は大好きなお父さんに飛びついて、一緒に外に出かけました。

どこか遠くに行くわけでもなく、いつものようにお父さんの牧場でしたが、それでもお父さんと一緒に遊ぶのはいつもとは違った感じで楽しいです。

お父さんに肩車してもらって遠くの牛さんを眺めたり、牛さんの上に乗せてもらったり、お父さんと追いかけっこをしたり。

いつも楽しくて幸せですが、今日はもっと楽しくて、もっともっと幸せです。

こんな夢のような日々が、いつまでも続けばいいと思います。

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