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GW≪ウェポンズ・ギア≫「戦争という存在が人々の人生を歪ませた」  作者: 満天之新月
第1話「立場の違う様々な子供たち」

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1-14「洗脳」

「さて、みんな問題ないな」

「ええ」「おう」「うん」

「それから、ヒロ」

「ん?」

「お前の仲間だがもしかしたら殺しかれない状態になるかもしれない。覚悟はいいか?」

「あ……ええ、戦場にいる以上彼らは戦士です。殺されても文句は言えませんこちらも向こうも…」

「…大丈夫なんだな」

「ええ、問題ないです」

「よし、それじゃあ行くぞ」

「「「おう!!」」」

補給の完了した暸たちはGWを装着、通信を繋げ、後部ハッチから飛び降りる。

「さて、自動発電施設はラボから右上の小さいのだよな」

暸が聞くと先に飛び降りたヒロは無言で頷く。

「OK…じゃあ一回ラボに止まってもらいましょーか」

暸は持ってきたスナイパーライフルの銃口を発電施設に向ける。

「風向き測定…標準調整…よっしゃ、狙い打つ!!」

バンッ!!ーーーードッカン!!

発電施設が爆発し、真下で光輝くネオンが消滅する。

「よし、じゃあM.TとO.Hは工場で働かされているものたちを船艦まで運んでくれ」

『『了解』』

「それで俺とヒロは矢神を取っ捕まえに行くぞ」

『OK』



ードカンッ!!ー

「なんだ!?」

矢神の手がリリーに届く時、爆発した発電施設により、ラボがわずかに揺れ、電源がぷつりと落ちる。

ー今だよー

リリーは頭に聞こえるリリスに頷く。

「分かってる。ふん!」

「おぁ!」

リリーは急いで立ち上がり、矢神に体当たりを食らわすと

ー早くお兄ちゃんをー

「無理だ。いくらナノマシンのおかげで力があってもお兄ちゃん抱えながらじゃ直ぐに追いつかれる」

ーなら、たいちょーさんを呼びにいこうー

「隊長?そうか!…お兄ちゃん…またあとで助けに来るから」

リリーは涙目に走ってその場を走り去る。



「リリス…いや、今はそれよりも…連れていかれた社長をどうにかしなければ、私は…!」

矢神はレバーを下ろしてブレーカーを予備に切り替える。

「だからこいつを使って全て消してなかったことにしてやる!!」

生体反応の登録を終えて矢神は気絶した防人の両手首に鎖のついたガントレット型の錠、首に鉄の輪をはめる。

「さて」

ルナの装甲を開け、そのなかに防人を乗せてから装甲を閉じる。

「さぁ…動き出せ!」

矢神はパネルを操作、ルナを起動させる。

「うっ!」

「気が付いたか?」

「矢神さん…これってあなたの話してた化け物なんですよね?なんでこんなことする必要が」

「なんで…か、ふっいいだろう教えてやる」

矢神は椅子に腰かけて足を組む。

「博士たちが戦争を始めたこととそれを止めようとしたことは話したよな?…私はその止める側の博士の助手をしていたんだ。しかしラボに立て籠った時、博士たちは私たち助手を見捨てたんだ」

「見捨てた?」

「そうさ、私たちは博士たちに全力で尽くしてきた。

なのに!GWを解き放ち、それを伝えたあと博士たちは全員姿を眩ました。私たちになにも言わずにだ!

だからここに戻ってきた。時、嬉しかった。ここの社長が博士の一人だったから…」

「よかったじゃないですか」

「だがよくなかった。奴は既に堕落していた」


……

「何故です!?今こそ力を蓄えて奴らに戦いを挑むべきなのではないのですか?」

「矢神君…それでは我々は戦争を始めた博士たちと同じだ。今、世界は冷戦状態とはいえ収まっている。」

「でもそれは単に我々との戦いで消費した戦力の補給をしているからで」

「だから襲うと?9つの部隊に分かれた博士たちを」

「そうですよ。油断している今こそ」

「子供たちを…危険にはさらしたくない」

「娘さんのことですか?」

「それもあるが…氷雨隊のことだ彼らは私を慕っている。もし、私が戦うなんていったら確実に戦場に出ようとする。私は彼らを殺すような真似は出来ない。それに…」

バチィ!

「!?…矢神君…なにを?」

「安心してください、殺しはしません。でも甘い考えをしているあなたは幽閉します」

……


「奴はガキ共を思うあまり臆病になっていた。」

「でも……それは」

「だまれ!…まさか優しさ何て言うんじゃないだろうな?」

「……」

「地下世界は戦場だ。そこにいる以上私たちは兵か指揮官。戦い続ければならない。なのに!……いや、それはもういい事だ。今、地上の会社もここのやつらも私の言うことに従順だ。だが、前の社長が私の管理から離れ、私の行ってきたことを全て話されたら私は破綻する」

「だから僕を使って、奴らから取り返すと?」

「そういうことだ。だから私の言うことにしたがってもらう。」

矢神はモニターを操作して壁に外の様子を表示する。

そこにはGWに乗ったA.T、M.T、O.H、ヒロの姿が映し出される。

「奴らを殺せ!」

「いや…です」

「ふっそうか…残念だ」

矢神はパネルに振り返り、それを操作する。

防人の首にはめた輪が赤く光り、頭の中が掻き回されるような痛みに襲われる。

「う゛あっ…矢神……さん、なに…を?」

「私の言うことに従わないのなら従うようにするまでだ。今、お前の手と首にマインドコントロールシステムを取り付けさせてもらったお前はもう私の人形だ」

「うぁぁぁぁぁぁあ!!」

矢神はニヤリと笑い、パネルに映し出された防人の全体図を確認しなから最終調整を行う。





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